第8話なんも言えねえ

「思い出しますねえ、白瀬隊。」須崎に顔を左へ向け、感慨深げにこう語る。

「なんでですか?明治時代でしょ?白瀬さんが探検隊長に為ったのは?」片頬をピクリとも動かさず素顔のまま返した。

「そうですね・・・。」なんも言えねえ・・・。

そう思い須崎に絡むのを止めた。

 敗北・・・。

今朝から2回目・・・。

 それなりに健闘したが相手が、ワールドカップ出場チームのコスタリカの様にタイミングを外して来るので、マイペースでの試合運びが出来なかった。

 ポーラスターのリハビリ会場の1番前のテーブルには、篠山静夫が先に来ており、大好きなブラックコーヒーを飲んでいた。

「篠山さん南極の!?」

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