大地への降下作戦

「第三惑星への降下作戦を行う。先ずは・・・少佐、お願いいたします」


「うむ」


マチスがスクリーンの前に立つ。


「ヴェーダの目標は大地のゲリラ共を掻き集め吸収し、我らダナンへの対戦能力を得ることだ。お前たちはこれを追いつ縋りつ、徹底的にハラスメントを行え。降下後はユニオンの各基地よりの援軍と合流し、南米基地へ向かえ」


座る。


ツァイ盗まれてこの方、もーほんと戦力減る一方だしな・・・重巡サラエボとその一党はさっさとヴェーダへ寝返っちまったし。


マシューパイセンがスクリーンへレーザーを向ける。


「我々は突入前の敵リーゼを叩き、殲滅叶わぬときはV型装備を展開し大気へと突入、追跡を続行する。V型装備を破壊、喪失した際は突入は諦め帰艦せよ。圧縮大気ごときでリーゼの装甲はどうにもならぬが過信しそのままゼロ点を超えると・・・煮えるぞ」



圧縮大気?よくわからんが摩擦熱で溶けるんだろ、本編の熱核機関なら兎も角重力機関のパワーありゃやっぱやめるわで宇宙に逃げたり突入慣性振り切るのも楽勝じゃんね・・・そのまま落ちればよくね?



「作戦開始は二時間後。解散」




グダる。



パイセン、ハマミ、ルフィと楽しそうにダベり合うのを眺め、ブリーフィングルームから出る。


寂しい!


展望ルームから地球を眺める。


「はぁ~~~・・・」


ため息。


お、日本だ・・・北半球側からほぼ真裏の南米に落ちんのか?長旅じゃねーか。




「いいヒトの顔でも浮かびまして?」


アニーか。


「つかの間のお別れですね」


「ああ、世話になったな。・・・コレは餞別だ」


左右に小中大三つのループを分けたどっかの高機動メカっぽいリボンの長い小箱を渡す。


「ありがとう存じます。開けてよろしいですか?」


「?・・・ああ」


「・・・まぁ、かわいい」


なるほど、その笑顔を・・・ありがとうな。



門番とか守護神ぽい洒落たデザインのものにしてくれ、つったら若い子にお客様のイメージは犬ですのでコレがイイですと強引に包まれてしまった。


番犬か・・・


俺が戻る迄、谷間を守ってくれよ・・・






あれ?死亡フラグ立ってね??



戦死の情報を噂話や上司から耳にした後、首飾り外してソッ・・・と質屋に持っていくアニーの姿が鮮明に浮かんだ。





あ!アニーこいつOVAのヒロインじゃん今思い出したわwww




特にお別れのチューもえっちもなく出撃。


ブリーフィングてこんな兵いなかったろ!てくらいゾロゾロとリーゼが発艦していく。


「おいおいなんだこの数は・・・戦争かよ」


「ダグザヌアザ含めてたった50機だぞ。・・・まぁ今の時代じゃあそんなもんか」


ルフィから応答。


「・・・パイセンが残ったのは意外だったな」


そこそこの間一緒に飲んでないせいかちょっとぎこちない。


「なにやらツテを手繰ってハマミの親衛隊をつくると言っていた」


「親衛・・・隊・・・ああ!」


一個艦隊規模の反乱軍の残党が残ってんだっけか、おb・・・お姉さまが最終的に司令になって外惑星系に新天地をもとめ旅立・・・ってないのか。


「なんだ、またアレか」


「ああ、濃い連中が増えるなと」


「ふん、この戦いはどうなる」


「お前が死ぬ・・・V型装備のオートマチックは切って置けよ」


「そうか。いいハナシが聞けた」


「俺とハマミが不安要素だけどな・・・チッ、会心の当たりを狙ったのになあ!ちっとはビビれよ」


「ん?・・・ああ・・・死ぬと分かってる戦いくらい楽なもんはないんだが・・・まぁ、このままわからんのが当然の時代になって欲しいぜ」


「最近ジジ臭いぞおまえ・・・」


「ライザや・・・昔の仲間に会うとなぁ、見つけた!いくぞ、遅れるなよ!」


めたくそ声踊ってんじゃねーか!怖いわ。

直前まで死者が呼んでる系のブルー入ってたのにこれだよ・・・






久しぶりに降りる大地は、白と青のまだら模様の不吉な何かに見えた。

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