重力に魂をおっぱいな者達

おっぱいは、それ自体に強大な重力を持つ。


ジオトロプス、魂を大地の重力に縛られた旧人。


自分たちをウラニオス、空で生まれた高位の人種と嘯く者たちの揶揄だが、人である以上、この二つの球体がもつ重力に魂を呪縛されることを抗える者はいない。


つまり、このまま人類が宇宙へと広がれば・・・



「ん、なんだ」


後頭部をぽんぽんされた。


「そろそろ仕事の時間ですわ」


「ああ、大義であった」


女から退き、下着をつける所作に俺への意識を探りながらその様を鑑賞する。


アニーは身の全てを入室時の姿へと戻し、コトバは無く笑顔と僅かに膝を折るのみで去っていった。



うーむ、なんかハイブローな持論を妄想してたような気がするんだがアニーの女を鑑賞してたらすっかり忘れてしまった・・・おねーちゃんの店で使えるネタがもう枯渇しててやばい。



アニーに対して無駄に男を演じるために我慢していたハナクソほじりを開始する。


・・・よし、完了。


つーか、俺確か謎の仕儀により宇宙をコクピットシェルだけでさ迷ってたハズなんだが・・・気づいたのは部屋の扉ブザーの鳴動で、そのままベッドから起き上がりアニーを引き入れセックスして寝て起きておっぱいに埋まっていまココにいる、よし。


エアコムの履歴を見る。


フランセットからのパソマ受領返答既読が最新か。



部屋の呼び出しが鳴る。


「おれだ」


「起きたかジュリアン。マシュー大尉に報告しとけ」


「ああ、よくわからんがわかったぜ」


切れる。


ルフィからだった。


頬首僧帽筋から肩にかけてのおっぱいの余韻を反芻しながらシャワーで女の匂いを流し、制服で向かう。



「よう、またやったんだって?活躍もほどほどにしとけよw」


「敵さんに言ってくれwww」


「全部自爆だろが!じゃあな」



同僚とすれ違い、ようやく頭が回り始める。

報告・・・なんの報告だ?機体喪失?不要な戦果の弁明?


ドック消滅とかいってたな・・・エンリカ、生きていてくれ・・・万年最下位は本編だとライザの挑発、陽動で離されてたハズだから撃墜されてなきゃ生きてるよな・・・あ~やだやだ・・・


「やべえ、何処にいるんだ?」


空の作戦室を確認し、リーダーの詰め所的な場所へ向かい、呼び鈴を鳴らす。


「ジュリアン中尉、出頭しました」


「入れ」


入る。


パイセンが立ち上がる。


え?やだ、殴られんの??(なんか同棲してるわけでもないのに最近カマっぽい言い回しが増えたぜ・・・




「中尉、おまえをアタッカーより解任し艦衛部隊へ回す。ディフェンダーとしてBチームへ移動だ」


「ハッ」


あれ?こんでライザ撃墜を滂沱の涙で見送ることになんのか??


「行け」


「失礼します」


敬礼して定置旋回後、退出する。


振り返りドア閉まる迄敬礼!


・・・・・閉めろよ。


「ハマミ中尉はアタッカーに配属したぞ」


「?はあ・・・」


「不満は無いのか」


不満・・・不満か・・・えーと、


「敵艦ヴァルナには家族が一名、脱走兵のエンリカが搭乗してますので・・・ハマミ中尉の毒牙にかかるのでは、と」


「・・・他には」


言ってから気づいたけど殺し合い相手の心配とかやばかったのでは・・・


「バルフィンド大尉はハマミ中尉と深い関係になっております。ハマミはともかく、ルフィは戦闘力が低下してしまうのではないでしょうか・・・三分の一くらいに」


「ハマミ中尉は心配ではないのか、オマエ、殿下の事であんなにも怒しておったではないか!」


殿下wwwいま怒ってんのはパイセ・・・あ、口で言うか。


「今は大尉殿がお怒りになってます。・・・心配です」


「だったら初めからそう・・・」


「大尉殿がです、自分には非常に危ういと感じられます」


「・・・入れ」


「はっ!失礼します」


何をやってるんだ俺ら・・・・・


パイセンがソファ(あるのか・・・)を勧めながらチェアに座る。


「私の何が危うい」


ティーテーブルのメニューからエスプレッソとザラメを呼び出し、ザラザラ~と入れる。

魔法ではなく、量子力学と重力学の再発見の応用とかつってた。


「これは、大尉とハマミの馴れ初めを見た感想・・・想像なのですが」


シュガースプーンでエスプレッソを吸ったザラメをザラリと口に入れ、ボリボリ。


パイセンは文句を言うことなく待っている。


「大尉もどうですか?このやりようはハマミから教えてもらいました」


前世で、だけどな。

デスクに既に湯気を立てるカップを見ながら言う。


「頂こう」


こっちにしかないのか・・・メニューから呼び出し、デスクへ配膳する。



「あのシーンでハマミが言ったでしょう、幕閣だか家族だかが命乞いをしていた、と」


「ああ、アレは調べた。停戦交渉として金星方面の中立国などから手を回していたらしいな・・・随分な予算を使って」


「あそこで、その・・・お辛いとは思いますが、当時の心境を思い返して頂き、ハマミが泣きながら同じことを話したとしたら・・・最後の言葉を、自らのクビに拳銃なり刃物なりを向けながら叫び自害へ踏み切ったとしたら」



設定資料集かネットの四方山かわからんけど、なんかパーチーで自害しようとしたハマミを助けたとかがハマミ公女とその騎士マシューの馴れ初めですとか見た憶えがあんだよな~。


ゲームソフトもあったっけ・・・たしか



”謝罪?!謝って何が贖えるのです、謝ればあなたの姉は生き返りますか!メイドの息子達、死んで行った兵士!国民、ただ殺されるしか無かった無辜の善なる者たちは生き返りますか!・・・フフ、わたくしが言えるのは、いつもこれだけ・・・よくやった、褒めて遣わす!”



ブッシャァー!!!!!!・・・とはもちろんならず、折れた燭台を握りしめて震える小さな手を少年のまだ幼い手がしっかりと握り締めブチュー!からの激しく濃厚なセックs・・・とはなんないが頷いて涙拭くとかそんなサワヤカ映像がプレイサターンとかいうゲーム機用のソフトであった気がする。




「だとしたら、ハマミとあなたはここに居ない・・・居なかった気がするんですよ」


・・・ん?俺、何が言いたいの??

えっと、たしかパイセンがハマミに執着しすぎて妙だから正常な本編の関係を想像していただきそこに収まれば全て丸く治まるかな、と思って正史・・・後付けゲーム内演出だけど・・・を話した。よし!


「あの・・・俺、ナニ言いたいかわかります?」


何がヨシ!なんだよ・・・聞いてどうするwww


「ああ、わかった」


わかっちゃった!

俺はわからんのよ・・・おしえてくれ。


パイセンはザラメエスプレッソをザラザラ~と一気に掻き込み、ボリボリとやる。


「美味いな。すっきりしたぞ、もういい。行け」


「はっ、失礼します」


略礼で、そのまま出ていく。



顔は暗さがとれてすんげー明るくなってたけど・・・そいや本編だとバラ咥えて血流してたりしたんだよな・・・味方にいんのやばくね??


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