ライザ大尉
「あんたかい、デブリに突っ込んで派手にジャックポットを決めた伯爵様は」
でたああああ!!!!!!!!!!!!
「グウゥウッ・・・ブヒュッ、オッ、オウゥウウウゥウゥ・・・」
嗚咽を堪えられずブリーフィングルームへの艦内通路のカベを叩き、そのまま崩れ落ちてしまう。
生きてる、生きてるぞ!
「なんだい気持ち悪い・・・おい、後ろの奴。なんだこいつは」
「ふん、同階級だからと気安い口を利くなよ。ダナンは二階級上と思え」
「ん?おぼっちゃま軍隊のダナーンズ風勢がよくもそんな口を・・・ふ、誰かとおもえばバルフィンドか。ナミエのおもりは卒業したのか」
「何時のハナシをしてやがる。お前こそ男は出来たのかよ」
「できればこんなところには居ない。後ろの二人を連れて木星に疎開しているさ」
後ろの二人?・・・ああ、ゴステルとゲイルか。
セリフあったっけこいつら・・・
スーツのエイドキットで鼻をかみ、コブシを突き出す。
「取り乱して済まない、ジュリアンだ。とりあえずジャブから行くぞ」
突き出したコブシに体を寄せるようにダックしながら接近する。
そのまま床を蹴り腰を回してアッパー。
フン、打ち抜きやしないさ。脅かすだけだ・・・
・
・
・
気が付くと天井を見上げ、ライザとルフィが覗き込んでいた。
「・・・まあ、ジオトロプス、大地の奴らの典型だな」
「ジュリアン・・・ゼロG格闘の基本は教えたろ」
起き上がる。
「シューズの磁力ありゃダックもパンチもイケると思ったんだよ・・・握手までは遠いぜ」
口を拭う。
お、血だww
「よくわかってるじゃないか、ニュービー君」
嘲りの笑みで言い捨てると作戦室へ入ってゆく。
こいつをコマせるほどの男気があれば、ハマミを刺すこともなかったろうな・・・いや、ジュリアンなら本編ではいい雰囲気までは行ってたはずだ。
「おとなしいなジュリアン。・・・例のアレか」
「ああ。ダナーンズの消極的妨害とヴァルナの可怪しい奴らから精神攪乱をかけられ感情を誘導され窮まった末に撃墜死するはずだ」
「具体性は全然無いのにやたら詳しい不思議な解説だな」
おいやめろこのジャンルを敵に回すな!
「何もできずにただぼったちで眺め見殺した挙句、泣くだけで済ますジュリアンがやたら当時の自分と重なって強く印象に残った」
「泣く・・・おまえ、あいつとイイ仲になる気かよ」
「わからん・・・が、憧れは再燃したぜ」
ルフィを向く。
「しかしお前の周りて強い女多すぎじゃね?どーなってんだ」
「あの戦争くぐりゃあ男だろうが女だろうが残るのはそんなヤツ等ばかりさ」
ちっとも自慢げな顔じゃねーな。
むしろ寂しそうな。
「ハマミが目指す世の中にゃ、不要なヤツ等だ」
はぁ?!
いくぞ、と押され作戦室へ入ってゆく。
え?あいつ世直しとか考えてたっけ??
焦りかけ、気づく。
ルフィのやつ、女が男に見るような夢をハマミに見てんのか?
下は本当は優しい人、上は宇宙皇帝の落胤。
そう、なぜかどこまで上がっても落胤なんだよななんなんマジで。
下の議論はしない。拒否する!
ブリーフィングルームへ入ると哄笑。
「よう、ママのオッパイは済んだのかい」
ゴッツいゴリラ風担当といった風体のゴステルからファンコール。
怖い!下を向いてブツブツ言いたいが・・・
「ああ。つーかおまえ、女のアクセサリーにしちゃあブサイクすぎだろ」
息を吐くように罵倒が飛び出す。
着席し、続ける。
「俺が替わってもいいぜ?」
ライザに視線を送る。
ナンパをコンボしてしまった・・・
受け取るライザはフ、と吐く笑みがマジイケメン。むろん女だが・・・
「検討はしてやる」
「え、そりゃないっすよ大尉」
どこからともなく、明るい笑い。
内心では嘲笑されたらもう下剥いてブチブチ言うか冷や汗で無視しようと頑張るくらいが精々なのにようもスラスラと罵詈雑言からナンパトークへ移れるわホント・・・ジュリアンてやっぱ高スぺなんよなあ。
しかしユニオンダナンてもちっと雰囲気悪かった筈だが・・・ハマミ劇場のせいか?
「始めるぞ」
久々のマシュー大尉。
続いてマチス少佐が入り座る。
「敵艦ヴァルナはうさ耳ドッグで補給を受けるつもりだ。ドッグの主はジオテラーインダストリア社。わが軍のスポンサーでもあるが、目前で堂々と二股を見逃すわけにはいかん。A隊をダナン、B隊をユニオンに分けてAでドッグを攻撃、Bで敵リーゼの陽動を行う。質問は・・・よし、作戦名はうさぎと餅つき。二時間後に始動とする・・・少佐」
「ん。目標はいやがらせだ。入れ込むなよ・・・特にAB両大尉」
「はっ」
「フッ、呑気な・・・ん?よくしつけてあるじゃないか。あのバルフィンドがよくもまあ・・・」
「解散」
グダる。
突然何も見えなくなる。
「ブサイクで悪かったなぁ、と」
「イデデデデ!!!!!」
ゴリラロックか!グリグリポイントを鼻下じゃなく眉間にズラしてんのが謎の遠慮を感じるがそんでもマジ痛え!
パッと解放される。
「ハァ~、ワキ突くなりつま先踏みつけるなりしろって」
「いでででで!!!!!ロープ!ローーープ!!」
ルフィがゴリラの尻に乗って片足を肩へ担ぎ上げてなんかしている。
「ああ、助かったぜルフィ。・・・それ痛いのか?」
「ああああああ!!!!!!!」
ゴリラは答えず、バンバンと床を叩き苦しんでいる。
「痛そうだな・・・どうでもいいか。おい!まてよ」
ゴリラへロープを渡すハマミを視界の端に捉えながらライザを追う。
「なんだ。鼻血でも流しにきたのか?」
「いや、作戦迄コーヒーでも飲もうぜ?そっち(の船)はおっかなそうだしコッチでどうだ」
「フン」
お、流し目てやつか。
さすがにめたくそハマってるわwww
「ゲイル!ゴステルと適当に戻れ。サラエボには男とデートしてから戻ると伝えろ」
喧嘩にしろナンパにしろコッチは話が早くてラクだわ。
突然死にそうになるけどな・・・
まぁ、捨てアドからお話ししましょうじゃなくてよかったぜ・・・
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サラエボ()
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