ブリ―――――フリング

「ジュリアン!キサマがついていながら」


「ぐわー!」


一発目は甘んじて受けよう、と殊勝な気分でいたらもうタコ殴りですわ。


「おいルフィよせ!ジュリアンが駆けつけなきゃ死んでたんだぞ」


「チッ、行くぜ」


殴るだけ殴ってさっさと行ってしまった。


「はぁー、ダイジョブかよジュリアン」


「ああ、サンキュー助かったぜ」


まだ名前のない同輩に助け起こされ鼻血を拭う。

ハマミ死んでたらマジおれも殺されてたかもしれん・・・


「こりゃ救急やメディックに付け届けまわしとかんとな」


「マメだよなあそゆとこ」


「あー、礼は生きてる内しかできねーからな・・・てコトで、オゴるぜw」


たぶん前世の反動だわ。

一瞬で知人友人家族と社会的な関係全て裏切って殺して死んでバックレちまったからな・・・この礼は何時か^^なんつってたらいつのまにか返し様が無くなる。


「実は期待していた。ティルナヌグじゃないツケが効かんイイ店見つけたんだ。コスプレミニスカ水夫系の」


「マジかよwwwこりゃ礼もはずまんといかんですわwwwwwww」


ウヒヒヒ、と官能の予感に二人爽やかに笑いながら基地外へ向かう駐車場へ歩き出す。


『ダナンABC各小隊は速やかに第一ブリーフィングルームへ集合せよ。繰り返しはしない。もう一度言う、繰り返しはしない(ブツッ』


「あーマジか・・・おれAだわ」


心底ガッカリしながら別れ、ブリーフィングルームへ急ぐ。


「えー」

「えー」

「えー」



タイミングワル・・・ん?三人に増えてた??


途中、ハマミとルフィを発見する。


「・・・は今夜ベッドでおしえて」


不承不承、という感じで黙るルフィ。

ヤれるまで回復したか。

当然のように二人と並んで歩く。


第一の大部屋へ入ると俺ら待ちだったらしい。


「遅いぞ、座れ」


掌クルクルパイセンから叱咤。


みんながハマミに熱い視線を送っている。


この視線の意味をハマミが知ったらどーなんのかね。

案外照れるだけか?


男のヒーロー願望みたいに、女にもアイドル願望みたいのがあんだっけか。


「よし、先日盗まれたリーゼ二機の奪還及び民間人犯人の捕縛、エンリカ脱走兵の処刑、あるいは引き渡し要求作戦をこれより開始する」


事態の推移が時系列を追って作戦パネルに表示されてゆく。


なにげにハマミが吃驚している。

かわいい。


「作戦は交渉から入る。戦艦ダグザ、ヌアザ二艦により戦力比で圧倒しつつ使者を派遣、これはハマミ中尉にやってもらう。バショク大佐の親書を敵艦隊司令ブルーレットへ手渡しせよ」



「ハッ」



「ジュリアン、バルフィンド両中尉はAB各小隊を率い接敵臨界域にて待機、敵の動向とハマミ中尉の如何にて交渉の結果を判断、決裂を確認後はハマミ中尉の救助並びに敵戦隊の撃滅に移れ」



「えっ、おれ少尉・・・」


「質問があります」


ルフィの声のがデカいww


「あとにせよ」


すげないパイセン。


「使者が危険すぎやしませんか」


かまわず食いつくルフィにパイセンが譲るぽい。


「・・・それほどの危険はない」


「相手は民間人使うテロ屋に裏切者ですぜ、ハマミ中尉が危険すぎる」


・・・ああ、こっちからはそーなんだよな。

ナイン・Jと連携してるように見える。


ルフィはハマミへ、パイセンはヒゲ・・・あ、マチス少佐だわ今気づいたww


大尉付き三小隊程度に佐官が・・・いや、政治的本気ですアピールか。


「ブルーレットは皇室・・・旧連邦軍の帝室顧問を務めていたこともある。皇族尊崇の念にはことかかんよ。そうであるな、ハマミ中尉」



顧問・・・他人じゃん。




「名は始めて聞きますが、皇と帝で室がわやくちゃしてたとき連邦や諸軍閥に顧問や相談役が大量発生したと聞いたことがあります」


あー・・・ザイオンの前身の火星帝国か。

皇国対帝国で割れてOAV六巻くらい出た気がする。

同時代に出てたエロシリーズのみるくメロンに夢中でさっぱり記憶にないが・・・


「あてになんのか」



「心配しないで」



ウェットなおノロ気シーンに冷やかしの口笛があがる。



「弛緩を引き締めよ、これは実戦である。作戦開始は16時間後、作戦名は《ハマミとゆかいな仲間たち》だ。解散」



グダる。



「おい」「ちょっとまってて」


ハマミとルフィが早速イチャコラを始める・・・と思いきや、ルフィをキスで止めパイセンに駆けてゆく。


え?ルフィふられた?



「マシュー大尉殿~♪」



「中尉か、何か」



「いいんですか?あたし、向こうであっさり殺されちゃうかもですよ?姉君のカタキは・・・」


稚気が過ぎる・・・いや、パイセンは洗脳済みか。

つーかハマミの嘲弄の言葉が途切れ、互いに周りを置き去りにして見つめ合っている。


「おいルフィ、いいのかよ」


思わず小突く。


俺の肩に手を置き、頷く。

その手に焦燥の色はない。


全てを受け入れた庇護の眼差しで巌の如く見守る・・・なんじゃこの天元突破級の男ぶりは・・・いますぐアメリアに動画送信して一緒に揶揄りたい!!!!!!!


コイツの頭ン中では憧れのパイセンに決別を告げる少女の健気が写っているのだろうか・・・


何をどーしたらこういうTHE男って定冠詞ついちゃうような存在になれるんですか神様!・・・いや、あのFラン神もひょっとしてこんなイケ男な過去があったりするのか?



・・・周りの人間みんなかっこよすぎて生きていくのが嫌になる。

女でもいりゃ自動的に男の自信が満タンになるんだが・・・




何があったのか呆けた様にマシューパイセンを見送るハマミ。

ルフィは黙ってその肩を抱き寄・・・そのまま持ち上げ去ってゆく。


あー、この後の「俺だけを見ろ」とか「全て忘れさせてやる」みたいなレディコミ展開が目に浮かぶわ・・・・・


つか、俺の階級誤認問題は?どーなったの??



クラクラしながら通路を彷徨ってると、両肩をガッシリと掴まれる。


「おいジュリアン」


「逝こうぜ」


・・・おまえら・・・・そうだ、俺には「まだ」お前たちがいる!



「おーし、今日のノルマは一人三人だぞ!」


ドワッと沸く。

え?また増えたの??いいか。


そう、俺達はダーナの末裔、リールと七人の子供、制御不能の性欲に猛る狂戦士達だ。





欲望を解放せよ!




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周りの人間が・・・のくだりですが、またパ・・・

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