家族の団らん

「これは査問か?!俺は祖国家族の為に戦ったんだぞ!」


「ではお聞きしますが、ユニオン、ダナーン両軍でどれだけの女を食いましたか?」


「え・・・お目付け役のエンリカ以外に手は出してない」


「ではこの女性兵士・・・フランセット嬢とは何もなかった、と?」


一枚のポラが机に滑る。


そこにはこちらを指し皮肉気に片方の口元を上げたフランセットが男と腕を組んでいる姿が写っていた。

「リリアン様にイイ男紹介してもらっちゃった(はぁと)」などという奴の筆跡のメッセージと共に。



「・・・フッ、いい恋、てのは終わった恋だけか」



・・・思わず送信忘れてたネタを口走ってしまった。


「ゲロったわね」


「有罪」


「死刑」


「あっ、わたくしは元鞘にもどりますので、あとは若い人達でよろしくやってね」


ふじこさんはホホホ笑いで去っていった。

エンリカに続きふじこさんまで・・・さらばキョニュウ艦隊。


「父さん、ぼく、あっちは居づらいんだけど」


原作・・・本編には存在しない新キャラが続々と生まれてしまってんだが、どうすんだコレ・・・


俺とふじこさんの子供、ジークフリート10歳。


70年代イケイケネームにしてしまっただけあり、俺から金髪と細面、ふじこさんから黒い瞳と赤い唇を受け継いだ絶世の美少年として若くして辛い人生を送っている不憫な息子である。


父さんなんかよりあたし達を頼りなさい、と家系図など社会的大義を存分に使い姉と呼ばせいい気になっている嫁たちが一斉にこちらを向いた。


「これより懲罰動議に移ります」



長い夜になりそうだぜ・・・・





・・・今、三十六時間かけ俺は三人の妻を満足させる為の死地より生還した。


確実に50年は寿命が削られた気がするが、回復系に発動系という常時効果が続くという魔法があり、キュアジェネレーションという常時回復魔法を多重運用することでなんとか三人を只の軟体生命スライムにまで無害化することが出来たのであった。


つーか、なぜ軍務への呼び出し他がなかったんだ・・・ああ、軍憲はリリアン直下か・・・微妙に家の力があんのも問題だわ。



「これは御当主、ご無事でしたか」


「ああ、あなたがマチス少佐か。世話になった」


上官に家の構成員()が居るのもいいのか悪いのか・・・


「フフ、他人行儀ですぞ。我々如き者ら等、アゴで使い倒されますよう」


「ハッ!鋭意努力いたします、少佐殿」


ウヒヒ笑い合いながら情報を受け取る。


エンリカが間男ユーミを連れ込みレグナ・ツァイを二機持ち逃げしたらしい。


ファーストでナミエが「心が寒い・・・」と言いながらガムダル持ち逃げしてたが・・・男連れ込んで二機とか、エンリカの才能に恐れを隠し切れん。


「まあ、どのみちヴェーダも政治的にはこちら側ですが」


「ああ、お家の手が及んでないとこだもんな。よかったとみるべきか・・・」


アマーリエが繋ぎを付けている嫌儲組織()ナイン・Jからの情報で今回の襲撃を掴み、いい機会だということで家族総出でお出かけに行くとマチスへ連絡が来たということだ。


「・・・ハマミ中尉のことが問題になっております」


「ああ、アレは前世の妻だ」


「処分を了解して頂けませんか」


「んー・・・お前には話しておかねばならんか」


来い、と俺の部屋に戻りかけ・・・三体のナメクジを思い出しマチスの部屋へ向かう。


「さすが左・・・佐官、いい部屋だ」


「はは・・・ですが城で頂いている部屋と比べますと、やはり」


「フフ、まあそうよな」


ソファに納まり、脚を組む。


「おそらく、俺とハマミのどちらかが死ねばこの宇宙は崩壊する」


「・・・」


「この結論は押さえておく必要がある・・・困ったカオはやめろ」


「は、しかし・・・どちらか、ということは」


「母ちゃんには伝えてあるが、お前はこの先一年宇宙の政治情勢はどこまで変わると聞かされている?」


「いえ、それは皆目」


「マジかよかーちゃんたのむは・・・」


とりあえずゼットガムダル編の雑に覚えてたストーリーを聞かせ、現状との齟齬を解説してゆく。


「重力機関やらなんやら、てのは別作品に出てきた基幹技術設定なんだよ。地球の衛星軌道から月、火星を回って帰ってくるのが半日任務で収まっちまうなんておかしいだろ。元々は超銀河団を列車で一年たらずで移動するって空想世界から持ち込んだ力だ」


宇宙電車48フォーリィエイト


「つーか俺にとっちゃここも空想・・・虚構・・・商業作品世界なんだが」


「憲兵を押さえておいて正解でした」


「ああ、ハマミは隠してねーからな・・・」


てゆーかこの気づき、てなんて突然開陳する気になったんだ?


「マチス、お前はなぜ俺に声をかけた?」


「は、それは当然・・・その・・・」


なんでだろう、て顔で床を探している。


「だろ?やっぱなー・・・新兵の脱走に最新リーゼ二機盗まれて佐官がヒマなわけねーんだよ」


しかも脱走兵はお家の構成員だし。

俺もジークに再会するまで本編との齟齬に気づいたってそういうもんだろとしか思わんかった。

転生系なんてそんなもんじゃん、くらいだ。




おそらく、この世界が「出てゆけ」と俺とハマミの追い出しにかかったんだろう。



神の・・・ん?????



ホッケー部は?奴に訊きゃよくね?



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宇宙の意思と神の言葉使いまくりですわキング師匠()すいません・・・・

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