男へ掛けたい言葉
「やめろよ、期待されたらめんどうだろ」
「フフ、世の女性は悉く自らに恋慕するハズというその思い上がり、好きですわよ」
性格形成がなんか魔女方向に歪み始めてる気がする・・・
あのピュアだったみーちゃんを返して!
「そう、グゴールと言えば・・・世の女性が男性に言ってみたいコトバ三位は何だと思います?」
「なんでいきなり三位なんだよ」
「”あたしの為に争わないで!”ですわ」
「ああ、そう・・・」
宇宙世紀終わってね?
でもまあ、こういう所に抜け目なく先回りする辺り・・・なんだかんだで可愛いよなこいつも。
「俺を慰めてくれ」
エンリカは蛇のように下舐めずると、一気にあどけなくも遣る瀬無い恋に蕩ける少女といった塩梅(爺感)の表情を作り出す。
その変貌は悪魔的で、目がガッチリと音を立てるがごとくに釘付けとなった。
「おにいちゃん、助けてくれたあの時からずっとあたし・・・」
エンリカはいつも通りエロエロだった。
・
・
・
エンリカの部屋で男の自信()を回復した俺はそれからの日々士官養成カリキュラムを適当にこなし上げ育成過程を終えた。
足りない単位は艦内の雑巾がけという大学にも見習ってほしい温情で手に入れることが出来た。
・・・エリート士官養成機関なんだよなダイジョブなんかココ・・・
別リージョンで訓練を進めてた朋友バルフィンドも明日こちらへと合流するべく月面を発ったとメールが入る。
えーとコロニー7の緑の丘宇宙港か・・・軍民併設だろココ、制服でゾロゾロ迎え行ったらひと悶着起こんじゃ・・・・・
「ああー!マジかよ主人公と因縁つくるトコじゃん!」
たしか主人公を女と間違えて尻撫でて殴り倒され、痴漢とか官憲ナントカ陵虐罪とか士分不覚悟罪とかいろいろ前科背負わされた挙句減給されんだよな・・・
名はたしか・・・ユーミだ。
あー気づいてよかったわ。
これでかませ分岐フラグは折った。
変数には適当な功績を上げ除隊ってのに至る大正解を代入してやるぜ。
一気に気が楽になった俺は書架から角瓶の酒を取り出し
あー、そいや前にパイセン殴ったときなんかいってたっけ。
ググレカス・・・0079ギルベ・・・?
酒精にフワフワと浮き上がり始めた気分でうろ覚えのワードを宇宙検索エンジンに入力した。
幼女のクビを全力で締め上げる少年の画像や映像がズラズラと出てきた。
えぇ??
おいおい、映像倫理とかどーなってんのよ、ひょっとして不老不死でも解禁されてんのか??
前世の虚構作品で、不老不死になると若い世代への弾圧を行うようになり子供は害虫として駆除される、みたいのが描かれたのがあった。
酒マズくなるだろ・・・ん?この幼女ハマミに似て・・・え?少年はマシュー・・・パイセン?!
この状況の三次元映像を見つけ、部屋を見回し三分の一スケールで室内に投射する。
映像は、いまと変わらない()ハマミと、少年時のマシューパイセンが豪邸の廊下を歩いているところから始まった。
「姉はリーゼに宇宙機雷を括り付けられ、自爆攻撃させられて死んだ」
「そうですか」
立ち止まる少年。あわせて少女も立ち止まる。
「そうですかって・・・それだけかよ」
他に無いのか、と呟く少年。
「そうですね・・・あなたのお姉さまが、あなたと家族を思いながら命を散らしていた時、あたくし達は何をしていたと思います?」
「・・・パーティでもしてたのか、今日みたいな」
少女がうつむく。
・・・笑った?
「命乞いしていたのですよ、連邦に」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます