黒い敵側の軍団に入隊

互いを紹介したあと、しゃがんでハマミと目線をあわせる。


「いいか、ヤツはあんなナリでもサムライ系紳士亜目奥手科弱気属ヘタレ種だ。駆け引きなんて仕掛けたら途端にあっさり身を引くぞ」


「うんわかった。イケイケでいく」


「いや、おまえのその全方位的に行きそびれている身体を十全に使用した80年代自虐系アピールで逝け。速攻だぞ、おそらく翌・・・」


ハマミの立てたユビで遮られる。


「フ、みなまでいわずともってね。今夜中にキメるわ」


「よし」


立ち上がり、バルフィンドへ向く。


「おいルフィ」


「なっ、なんだよっ・・・」


「いいか、殿下は三歳児ではない。一人前のレディであらせられる。しかもこのようにお小さい身でありながらいたいけにも全宇宙の憎悪と相対しておられ。。。ビビッて芋引くなら今しかないぜ」


まぁ、挑発だけど。

逃げたら大気圏で燃え尽きてもらうからな。


ちなみに芋を引く、という慣用句の意味は知らん。


「フン、上等じゃねえか。ナミじゃSPの真似事させられるなんて茶飯事だった。余裕で職能内スキルだぜ」


ナミてなんだ・・・波、海・・・海兵隊??


「そうか。・・・ここだけの話、殿下はお前に只ならぬ興味をお持ちだ。もし、個室()にて女を見せた時、痛々し・・・とにかく躊躇すんなよ。男の誠意を全力で尽くせ」


なんか漫画で見たボクサーのセコンドしてる気分のまま二人を引き合わせるよう両手をクロスして離れた。


・・・ファイッ!


まじめなイポだったっけ・・・同じようなシーンあったな。休憩室で探すか・・・


「なぁ・・・その、観劇ルームにでもいくか」


「あたし、お酒がいいな・・・あなたのお部屋で」


「えっ、俺の部屋か?何もないぞ」


「あなたが居ればそれで・・・もっ、もちろんあたしじゃモノ足んないかも・・・だけど」


背後から耳へと届く宇宙世紀のこのスピード感・・・ハマミの奴、いきなりロケット全部に点火して征きやがった・・・


振り返った俺の目に映る二人は、どーみてもお父さんと小学生の娘だった。


まぁハマミなら前の女の残り香もうまく使うだろうしな・・・ダメ押しにアメリアがハープ抱えたコラでも送っとくか。


しばらく艦内を彷徨う。


・・・子供の画像でも見よう、とエアコムを触ったところで遺書を書いてないことを思い出した。


メレッセ家の相談役顧問(ヤクザのお抱え弁護士的なのではなく自体に小国レベルの外交戦力を持つ法律事務所・・・結社?ぽい感じ。毟れそ・・・それなりの勢力や家に顧問を設置、派遣などしている)にメールを打ち掛け、やめる。


「母ちゃんにまかせっか・・・」


親にぶん投げでいーわ。


子どもの画像を見る。


もっと愛せるものだと思っていたが(みーちゃんむちゃくそ可愛かったし)、なぜか曖昧模糊とした不安ばかりがもやもやべたべたと心に広がってゆく。


ハスラム、リメルダ、メリッサ・・・おまえらの本当のとーちゃんは天国にいるらしいぞ。



ため息をつき、バーへ向かう。


人生が豊かになればなるほど、このカラダが後ろめたい。


「ボトルくれ。ルフィ・・・バルフィンドのでいい」


「アイスは」


「くれ」


ボトルとグラスを持って明かりを落としている席へ入る。


ボトルから二口程飲んで、グラスへと注ぐ。


澄んだベルを鳴らすような妖精の羽音が、振動となってノドから体全体へと暖かく広がってゆく。


このカラダはいい。

酒がうまい。


前世はアルコールやアルデヒドの分解酵素が少ないっつわれてるイエローだったが、無駄に強くてまるで酔えなかったし。


蒸留酒は全て、ただ病院の匂いのする液体という感じだった。


ビールはアルコールが鉄臭い酸味に感じられてただひたすら不味かったし、ポン酒は匂いがダメだった。


今世においては、酒を知らずしてなにが人生か、という程度にまでは耽溺している。


酒、友。そして美しい妻たちに愛くるしいざかりの子供達。


この肉体を乗っ取り、ジュリアンが得たであろう成功、幸福の可能性を洗いざらい盗み、犯しまくっている。


頂きます、てヤツだ。


動物界に存在する限り、生命としてこの悪業から逃れることは出来ない。


死ぬことでしか、愛を体現出来ない。


「酔ってるな」


思考が短絡し結論にばかり跳ぶ。

極論的で、主題を傾いだ視点から限定的な存在に貶め否定するばかり。


否定しなきゃ、殺さなきゃ、食わなきゃ生きられない。

並び立って一緒に笑い合うだけでは命は終わってしまう。


十代の女の子が書く詩のようなことを考えている・・・


そう笑い、空のボトルに気づく。


カウンターでアイスコーヒーと氷を買い、部屋へ戻る。


コレ飲んで寝て起きたら準エリートの軍歴開始だ。


座学に戦闘シミュレーション、他いろいろで半年くらいか。




偉い人の自伝読むだけで終わりでいいじゃんよめんどくさ~・・・



@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@


24/4/26 ハマミとルフィが部屋へシケ込むあたりのセリフ全部はじめの一歩のパクリだった!

なんか少年漫画ぽい爽やかでスピード感が強い流れをスラスラ書けて自分の才能が怖いぜとか妄言吐いてたら。。。あーどーしよ


240514 微パクへと修正。酔っちゃったみたい系の押しに変えたけどこれも使い倒され済みすぎてう~ん・・・リアルだと多分全地球レベルで男は気づかずお開きにしたりタクシー読んだりでスルーしてるだろうしネタにならん・・・

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