第二章 ゼットガムダル編

ユニオンアーミー

俺は何故か連邦宇宙軍にいる。


それは何故って、女を三人も囲うということがまるで判っていなかったから。


三又とは全然違うのだ。

三人の女が俺を管理し、ただひたすら三人の女を満足させるために毎夜肉体労働に励み続けさせられる。そう、年中無休、死ぬまで。


3Pだ4Pだ浮かれてたのがまるでバカだ。


三人を孕ませれば休めるだろう、と俺は撃ちまくった。

マシンガンのように。


しかし、なぜか妊娠は常に一人ずつ。


殺精子剤でも使ってコントロールされてるのではと疑い、口に入れるモノは常にチェックしているのだが、ついぞ盛られてる証拠を掴めなかった。


前世の知人友人から聞かされていた、出産後嫁からの愛が痩せ性生活がレンタルオナホ化するというブルース悲しみや苦悩もこいt・・・この美しい三人の妻は至って愛深く、俺は夜な夜な白いマットのジャングルに君臨する牝虎タイグレスが吹き荒らす貪欲な性の嵐に翻弄され続けた。


俺は逃げた。

メレッセは騎士家。家訓として軍へ入隊し華々しい戦果を上げるまで家には戻らぬと宣言し、三人の妻からの生温い視線を浴びながら美しいキョニュウに成長したみーちゃん、正式名称エンリカを連れて連邦宇宙軍へ入隊脱北した。


そこで俺は教官のバルフィンド中尉・・・ゼットガルダムで友人となる男を発見し、交流の開始を試みることにした。


原作・・・と呼ぶのはなんか不敬な感じがするので本編か、に沿うような行動はいささか不吉な予感がするのではあるが、やはり人間には同性の友人が絶対に必要ノーフレンドノーライフだ。


練習艦の艦内ラウンジで暗くロックをあおりながら広く輝く額で孤独な男を演出してるバルフィンドを見つけると、俺は水をもとめる砂漠の遭難者のようにヤツへ近づいて行った。


「よう、教官殿」


バルフィンドの視線が俺の目から手の二つのジョッキと皿に向く。


「なんだ?オレと仲良くなっても楽はさせんぞ」


「まあ飲めよ。女のハナシが聞きてーだけさ」


ビールを渡し、ポテチを模した宇宙食の皿を置く。


コイツ、たしかナミエ・ハムロと付き合ってるハズだ。

あまり売れてない時に出された設定資料集1にそんな一文があった。


「・・・どこから聞いたのか知らんがなんのハナシも取引もせん」


「そうか、興味本位だから忘れてくれていい」


それから俺らは生まれや軍歴、前職他実の無い世間話で楽しく盛り上がり適当に合流ナンパした女性士官候補生とカラオケや同衾ルームで愉しんだ。


そして翌夕。


「よう教官殿。昨日の女のハナシしようぜwww」


「クッ・・・ルフィでいい。だが俺はホレた女には誠実でいたいんでな」


「サムライだな。ジツは俺も前世は日本人でよ」


サムライは忠義忠節清貧清廉、転じては詰まらないヤツ、などの慣用句になってはいるが封建領主、官吏官僚といった実態の知識もそれなりに知られていた。ナイトも同じような意味だが、主に女性的視点から見目麗しい男に使われる。・・・すまんな、ルフィ。


「ツッコまんぞ。それよりカラオケブースでアメリアとフランセットが待ってる。行くぞ」


「なんだよつれねーな」


「お前もだよ」


「ん?・・・フランセットて昨日の女か?」


「逃がすなと言われている。すまんな」


「マジかよ・・・」



ここで特定の女はつくりたくねーんだが・・・いや、本編突入前ならセーフか?


先行きの暗い連邦軍での生活が始まる。

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