ちゃんとしてください

「もっと魔法とか使ってください!」


土下座神からクレーム入りました。


「んー、あのさあ、みんな結局爆風で死んだの?」


「そんなワケないでしょう!アマーリエの照れ隠し鉄山靠てつざんこうで死んだだけですよ安心してください」


「あの細い体で?・・・戦闘サイボーグかよ」


「そんなワケないでしょう!」


やべえな、挿入したら肉がこそぎ落されながら吸い込まれていくトラップになってたりするかもしれん。


「もっと安心してセックスできる世界にチェンジしてくれ」


「そんなめんどくさ・・・駄目ですよ!この世界である程度の結果を出してください。そしたら考えます」


「結果?あによソレ・・・具体的には?」


あによ~って懐い・・・無論世代ではないが。


「うーんと、自分の命を代償に世界を救う系のやつでお願いします」


「なんだその雑でやる気ない編集者からの提案ぽいのは・・・あんたドコの大学出てんの?」


「うるせー!俺は神だ!!!神に学歴などない!!!!!!!!!」


「Fラン組か・・・サークルは」


「・・・アイスホッケー部です。すいませんでしたFラン神で・・・」


「う、うわぁああああ!!!!!!!」


俺は肉体があれば椅子から転げ落ちて失禁するほどの恐慌に陥っていた。


「ひいいい!!!生意気な口聞いてスミマセンっしたぁあああ!!!自己陶酔系オナ二ーで世界を救えばいいんですね?!すぐ戻ります!!!!!!!」


「あ、ちょっ・・・まだ話おわってな・・・」






「うおおおお!!!!!!!!!」


自分の叫び声で覚醒する。

ヌル付く全身の汗が気持ち悪い。


セーターを毟るように投げシャツを脱ぎ、カオともろ肌を拭うと、周囲の女に気づいた。


「なに見てんだよ」


オンナが左右から俺に組み付き、ゴチッ!と相撲の試合のような音を立ててパッと離れた。


「い(痛の方)ったー・・・あなた遠慮しなさいよ」


「しないもん」


リエとリリア(ん)とで俺を取り合っている。


「フ、どっちも囲ってやるさ。喧嘩すんなよな」


両方の肩を抱いてよせる。

どっちもまだ入れてもいなんですが・・・


「みーちゃんは?」


「お兄ちゃん・・・よかった~」


とてとてと近づいてきて、ちょっと離れた位置で座る。


「頭キレイキレイしてもらったのか?」


俺の様々な体液にまみれていた頭部はスッキリサラサラ清潔になっていた。


「うん・・・おにいちゃんの落としたくなかったけど、このままだと一緒にいれないからって」


「ああ、他人の血液はアブねーっつーからな」


ええ・・・ちっちゃい子でもこんなこと言うんか・・・女のこの感覚ほんとわからん。


しかしアレだな、女抱えてると男の自信が溢れてきて神への畏れ()もどこかにすっとんで奇麗サッパリ消えちまったわ。


目の前に吸い口の付いた真空パックが差しだされる。

水か。


「・・・生きてたんならさっさと起きなさいよね」


アマーリエか。いや、オマエに殺されてたんだがポイント高いぞ、そういうのは。なんだっけ、サンダーのドイツ語読みのアレだ。ドイツ語のサンダーじゃないぞ。


「ああ、神に再会したんだがFラン神て舐めてたらアイツ実はホッケー部でよ、おもわずビビり上がって緊急避難しちまったぜ」


いくらホッケー部でも耐爆施設は破壊できまい・・・フフ。


「どんな神だよ・・・というよりもお前が神で実は天国から俺たちを救いにきてるんじゃないのか?」


レイジが子供達に集られながら揶揄ってくる。


「神だったらな・・・」


子ども達を見渡す。


ビミョーな気分を共感し合う俺ら。


「外の様子はまだわからんか」


「部屋のアンテナは生きてるけど電磁的に意味のあるものは拾えません」


リリアンが百均ラジオみたいなカードを弄っている。


水槽の魚も浮いてんのいないし、シェルターの十全さに違和感がある。


ひょっとして落ちる間にバラバラになって燃え尽きたんか?小惑星。




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