当然の如く

ガキどもの後から女二人が並んで入ってくる。


「ヴァイオリナ!じゃなくてなんだ、・・・いやリリアンか、この餓鬼らはおまえか!」


「あっ、ジュリアン様。その・・・申し訳ありません、閣下に連絡をしてたら・・・」


「おまえ、これじゃ避難中Hできねーだろかんべんしろよ」


リリアンに近づき、腕をとる。


「おまえ・・・手段があるなら逃げとけよ、どうせ家も噛んでんだろこの事態はよ」


小声でなんかカッコいい脱出手段があんだろとカマかけしてみる。

地下にガムダルが隠してあるとか言ってくださいよ!

リリアンは感極まったように俺を見上げ、そして顔を伏せる


「申し訳ございません、わたしの力ではお命をお助けすることかなわず」


う~ん、役者やのう。

下心モロバレか。


「フン、お前には美しい体があるではないか。果つるその時まで我が慰めとなるがよい」


未来型シェルターだし夢のあるSMグッズ等完備されてるに違いあるまい。

振動型鋸刃ブレードの付いた木馬とか・・・


「あんたがご令息様なの?悪いけど子供たちの盾になってもらうわよ」


ん?

保母・・・保育士さん??


ご安心を、私が排除しますと出ようとしたリリア(ん)を止める。


「おまえは・・・アマーリエか。なぜこんなところにいる」


たしかゼットガムダル序盤で公女ハマミ(妻の名と同じw)暗殺のためどっかで自爆すんだよな~こんな美人だったのかもったいない。


「貴族に知り合いなんかいないわ。・・・なのに私を知っている。まさかイノセンは子供たちに目をつけていたの?実験動物にでもするつもり?」


「ああ・・・やり兼ねねーのがな。うんざりだよな」


レイジを見て笑う。


「くっ・・・葉室を・・・協商を一緒にするな」


言葉尻が弱い。

まぁこの事態だからな。


「子供はまかせろよ。あっちの奥に壁一面が水槽の部屋がある・・・ハズだ。そっちいこうぜ」


向かう間、チラ見するとアマーリエさんめたくそ睨んでる。

しかも据わってるし・・・つか、この目つきの悪さて前世で殺しがあると出てくる刑事と同じ感じだな。


ヒトを殺した目じゃなく、殺した人間と殺された死体を見続けた目だ。

毎朝みるウンコなどはるかに超える汚物を見続けてしまった目。


「あかないよこのドア」


「ボクかジュリアンじゃないと開かないはずだ」


レイジが手をかざすとスッ、と開く。

シェルターにもVIPルームかよw

部屋に入る。


「子供と女は水槽側いけよ。俺とレイジはドア前な」


「あたしはリィルと・・・」


「女に囲まれてたほうがガキが安心すんだろ。いいから行っとけよ、所詮アマーリエに見せるためだけの政治的ジェスチャーだしどうせ変わんねーから」


あ~なんかリエが可愛すぎてめたくそに犯したい。


「まぁアマーリエまで居るんだ。死なねーよ、俺らはな」


「気安く私の名を口に出すな!私がお前の生存なんかにどう・・・死んでもかかわるもんですか」


「あんたとは初対面のハズだろ?貴種ってだけで悪態かよwwwまぁ前世の皇族も結婚するってだけで何だかんだと言われたい放題だったし下衆の僻みてのはそんなもんだよなぁわかるぜ」


あ、虚構世界とはいえ他人の人生乗っ取ってる俺が下衆とかよう言えんわw


「下衆・・・言ったわね。人をそうと思わないお前らにはいつか思い知らせてやるわ」


「フン。どーせ保育園やショッピングセンターで自爆して同じロークラスのお仲間を大量虐殺し社会不安を煽ることくらいしか出来ねーだろ」


後ろのドアをコンコン叩きながら続ける。


「今外みてみろよ、俺ら貴族様方の外道をよ。星落としてんだぞ?弾圧どころか害虫駆除ですらない、ただお仲間内での利権調整の為だけに、だ」


しかも落ちてくるのは皇統に連なる公爵家当主とご一家だよ笑えるwww


……あれ?利権調整てお貴族様的にゃ命がけイベントなのでは?

ですら、なんて目線が完全に庶民様でしたわwww



「俺ら貴族にナニされたんだか下衆な想像ならいくらでも出来るけどさぁ、恨みも悲しみも全部いいように使われて終わりだぜ?止めとけよ」


恨みも悲しみも―――――前世のえげつない鬼畜パッケージの数々を思い出しながら。


「お前の指図など受けない!なにが―――」


レイジがアマーリエの手を握る。


「よすんだ。子供たちがおびえてる。―――――おびえると酸素の消費もはやい・・・ジュリアンも煽るな」


大気成分なんてどーとでもできんだろ。

まあ方便か・・・つかさりげなく水槽側にいくのか。



まあいいけどサビシーぜ。

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