貴種たる者ども
緊急優先2度でパスをつなげる。
『リリアンです。ジュリアン様を発見しましたマスター』
『どこに居て?』
『アレサタワーのアミューズメントエリア下Bシェルターです』
『―――――そう、耐爆シェルターなら遺伝子の回収には望みがあるわね・・・慰みにでも熱的なシールドになるようブタどもを地表に誘導、配置させておくわ。あなたを失うのは苦しいけど、あとはお願いね』
『幸甚であります、マイロード。お心のままに』
切れる。
御子息を失うというのにこの身へのお気遣いを・・・マスター、貴方様に仕えられたのは望外の幸福でした。
・・・あ、ジュリアン様が事態を察してらっしゃること伝えんの忘れた・・・でもカッコよく切ったのにもっかい繋ぐのってバカっぽいよね止めとこっw
「すっげー!ドアが沢山ひらいてる」
黄色い帽子を被った幼年の子供たちがワラワラと寄ってくる。
水袋としては頼りないが、とりあえず誘導しておくか。
「あら、はいってもいいのよ?」
「ほんと?せんせー!入ってもいいって!」
あたしの腰くらいの背丈の子ども達がシェルターへとなだれ込んでいく。
「あ、ちょっと!あなたもなんで余計なコトす・・・」
「あ、先生もどうぞ~。見学会に切り替えたほうがいいですよ」
襟裏のメレッセの家門を見せると、保育士の目がギラリと剣呑に光る。
「・・・そう?時間はあるの?」
「
「貴種を気取るあんたらがなんのお情けなの?豚として肉を所望されているのかしら」
自分のカオが嫌悪に歪むのが解かる。
絶対的な差別感情。
「細菌、分子構造体の侵入、遺伝子の汚染を考え自分の糞を口にする方がマシね。ここら一帯が溶岩化・・・蒸気化・・・或いはプラズマ化したとき、水が多いだけ我が主の御令息が焦げ残る確率が高くなる。そしてそれはあんたらも同じ・・・ただそれだけよ」
「子供は真ん中にしてもらうわ」
フッ、と笑んでしまう。
「それはその時に戦いましょう」
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