レイジ・ハムロ
「な・・・なんだよ。僕をいじめてるヒマなんかないだろ、遅刻だぞ」
「ん?・・・ああ、ああ!そうだった!!」
ノドをカラオケモードにして一オクターブ高い皮肉屋で不良っぽい声をつくりレイジに語り掛ける。
「おまえ、姉さんが英雄サンなんだってなぁ~~~・・・英雄の弟なら遅刻も許されるってか?これでもくらいな!」
棒だわ・・・虚構感てどうやって発声すりゃ盛り上がんの?
「うわっ、よせ!」
ポケットに入ってた今朝のハンカチとレーザーペンを差し出す。
「・・・なっ、なんのつもりだ?」
「サインしてくれ」
すげなく払われる。
「ふざけるなよ、もう行くからな!」
「おいおい一緒に行こうぜ、二人のが目立たねーよ」
レーザーペンは不味かったか……
「ついてくるな!」
「なんだよ、お前と一緒なら怒られないだろ。英雄の威光のお零れに与らせてくれって」
仲良く二人で教室へ行った。
「すみません遅刻しました」
「同じく」
レイジに言わせ俺はぼっ立ち。
本編では悉くオンナを盾に生き延びた俺だ。
今さらレイジの一人や二人盾にしようと良心に何の呵責も感じ無いぜ。
「席につきたまえ。・・・この二つの重力波の交点をモロビッチ関数により浮動小数点とし・・・」
関数グラフの交点座標を浮動小数点にすんの?はあ??モドリッチ関数て戻り値のミームだろ??何言ってんだこのジジイ。
「リィル!ここ!」
ヒッコリーストライプのエプロンドレス(人形かよ・・・)着た白人美少女が自分の隣の席を指している。
言われた通り席に納まり、机にヒジアゴついて隣の少女を下から上まで舐めるように視線を這わす。
すげえミニだな。白人がフレアなミニ履いてると死んで天国にいるような気分に・・・あ、死んでたわ。天国じゃないくてアニメん中か。
少女はいぶかし気に眉を顰めるも、片眉をあげ口を笑ませながら肩をすくめをこちらを伺う。
めたくそ白人ぽいwww
いや、日本人が想像する白人て感じなのかな。
いや、ちがうわアメリカ人か。
そいやアメリカ人の美少女チューバーが日本語覚えると自信無さげで儚い話し方出来るようになって女子力天元突破し男百人余裕で食えるようになるとかつって破局的大爆死してたっけ。
「おまえ・・・名前は?」
「え?・・・ちょっと集中したいから、冗談はアトにして。ゴメンね」
入れ込み前傾姿勢で黒板とノートとテキストへ向かっている。
こんなキャラいたっけか・・・?モブかな。
つーか前世じゃテキストとノートはタブレットだったんだが・・・退化してんのかね、文明は。
自分の手荷物のバンドを外し、テキストとノートをめくる。
はれ?紙じゃねーのか、コレ。
ペーパーライクな塩ビシート・・・つか表紙と裏表紙以外は立体映像かよ、しかも触感がある。
書き込める立体映像。ページは触感でわかる。多分何万ページであろうと。
厚さ一センチの紙の二ページしかない本なら触感で間違い様がない様に、その感覚でテキスト百二十一ページとノート五十六ページが解かる。
「きもちわりい~」
こりゃセックス・・・つか大人の玩具系の快楽グッズはとんでもないことになってんじゃないのか。
サッパリ頭に入ってこない授業を隣席の美少女、リエ・ヤマダのフトモモを鑑賞することで聞き流しその日の学業を終えた。
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