カルテ20 結婚の話
久しぶりに連休を太一と過ごす。
3日も一緒に居られるのはとても嬉しいが、いい機会なので結婚の話をする。
「太一、いい機会だし結婚の話をしない?」
「そうだな、俺もいい機会だからしようと思ってたんだ」
太一も結婚の話をしたかったそうなので、ちょうどよかった。
「椿は結婚後も医者を続けるのか?」
「そのつもりだけど、どうしてもって言うならやめてもいいわよ」
「そうなのか?俺としては絶対にやめないと思ったが」
「仕事を続けられるなら続けたいけど、太一が家に居て欲しいって言うならね」
「椿って意外と古風で尽くすタイプだな、見た目は男を尻に敷きそうなタイプだけど」
「見た目は自分でもちょっときついって思うけど、尽くタイプなのは良く知ってるでしょ。あと、私って古風かしら?」
「今時、結婚して辞める所なんて古風かな。あと椿は優しいし、意外と甘えんぼだしな」
「甘えんぼって訳じゃないと思うけどね」
「そうか?昨日の夜はベッドの中でべったりして甘い声をだしたのに」
「それを言わないでよ」
わたしは昨日は猫なで声甘えてたけど、それはベッドの中で甘えてたのは
事実だけど、それはベッドのなかだけだから。
「それに、結婚して医者を辞める話とそれは関係ないでしょ」
「それもそうだ。俺としては医者を続けて欲しいけど、子供が出来たらどうするんだ?」
「子供が出来たら……医者は辞めるかもね」
「そうなんだ。子供を産んでも、続けるかと思った」
「医者と言うか、医療従事者はちょっとでも現場から離れると、全くやり方が
かわってて、復帰が大変で結局やめる人が多いの。
産休をとって続ける人先輩もいるけど、わたしは現場から離れたら、そのまま辞めちゃうかな」
「なんか意外だな、椿はキャリアウーマンで、仕事が好きそうに思うけど」
「それは見た目のイメージでしょ。仕事も好きだけど、家庭や家族を大事するタイプなので」
「椿の家族ってみんな仲がいいもんな。俺は仲は悪くはないが、お互い不干渉って感じだからな」
私の家族はかなり仲良くて、何でも話したり相談するけど、太一の家族は
仲は良いが、必要な時以外はそれぞれを干渉しない。
どちらが良いか別といて、どちらも家族は大事にしている。
普段からべったりか、そうじゃないかの違いぐらい。
わたしはどちらでもいいけど、性格的にどうしてもべったりはしたい。
だから、今までの彼氏(といっても、太一を入れ2人だけど)には尽くすと言うか、
好きだからずっと一緒に居たいと思ってる。
「俺はべったりすぎるのは苦手だけど、一緒にいるのは好きだぜ」
「何よ急に」
「本心を言っただけで、特に理由はない」
「よくわからないけど、私が好きって事ね」
「違う、大好きだ」
そういって、太一はわたしをイチャイチャするけど、30過ぎた同士で何をやってるのだろう。
「まだ、昼間よ。それに、昨晩散々楽しんだでしょ」
「わかってるよ。でも、椿とはべったりしたいんだ」
「さっきはべったりは苦手って言ったでしょ」
「しすぎるのが苦手で、べったりじたいは好きだ」
「もう……太一ったら……」
そう言いながらも、太一になすがままにされる。
とはいえ、キスをしえ胸元をまさぐる程度にしていたけど。
「続きはまた夜にするとして、話を戻すわよ」
「わかった。それじゃ、結婚するか」
太一は何げなくそう言うけど、わたしも
「そうね、そうしましょう」
と返すが、そっけないがこれはプロポーズだと思ってる。
「指輪はまだ用意してないが、披露宴はするのか?」
「式だけ挙げて、後は仲間内で食事会をする程度でいいわ」
「そうか」
「太一は派手にしたいの?」
「そうでもない。むしろ、俺はああいうのは苦手だからな」
「私もよ。友人の結婚式にいったけど、正直ああいうのは無理」
「だよなぁ。うちの親も式だけ挙げて、その後仲間内で食事をしただけみたいだし」
「うちの親は結構盛大にやったそうだえど、姉2人は式だけだった」
「そうか、それじゃ式だけでいいな」
「それじゃ教会でいいかな」
「俺の家は神道だけどな」
「それじゃ、神社で神式でいいかな」
「そうだな。後は結納やお互いの両親に挨拶だけか」
「そうね。すでに何回も会ってるし、気楽でいいわね」
「ま、そうだな。ただ、実家は遠いからまた休みが会う時に行くか」
「そうね。そうだ、どうせ行く所もないし、明日にでもうちの両親に早速挨拶しない?」
「唐突だが……それもいいか」
「それじゃ、連絡しておく」
わたしは母やに『太一と結婚するから明日、挨拶にいく』と送ったらすぐに
『明日は父さんも母さんも近くのイベントに推しがくるからダメよ』と返って来た。
「明日は両親の推しのイベントがあるからダメだって」
「娘の結婚の挨拶より、推し優先とは椿の両親も変わってるな」
「それが両親のいい所よ。二人共アイドルオタで、同じグループに推しが居るからね」
「アイドルの事は俺はわからないが、気さくで話やすいから緊張しなくていいよ」
「そうね。それに、姉2人がすでに結婚してるから、慣れたものよ」
「そなものかな。今も娘が結婚するのはつらいって父親は多いそうだけど」
「うちはむしろ、さっさと結婚しないさいだからね」
「それも良いのかわからないけど、こっちは気楽でいいかな」
「太一のご両親はどうなの?」
「うちも妹が結婚したから、椿とさっさと結婚しろって言われてるよ」
「そう、なのね」
お互い姉や妹が結婚してるので、両親からせっつかれてる。
年齢的期に結婚してなくてもおかしくはないけど、今でも結婚のプレッシャーはるけど
結婚する雰囲気を出して、結婚しなから言わばわば昔のラブコメのお約束な感じで
笑って言うだけで、決めるのは本人たちだからと言ってくれてる。
「俺も母親に椿と結婚を決めたと送っておくよ」
「わかったわ」
太一も母親にめせーじを贈るとすぐに返信が来て
『おめでとう。北海道から行くのは面倒だから式は2人勝手にやってね』と返事が来た。
「うーん、これもこれですごいね」
「実は、妹2人の時もこうだった。ただ、流石に無理やり引っ張て連れて来たけどさ」
「そうなんだ」
太一の元弟の妹さん2人は私と太一が付き合う前に結婚をしてからしならなかったけど
そんな事があったんだ。
でも、うちの両親と同じだから、結婚の挨拶も結構気楽にいきそうな感じはした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます