カルテ15 林夕季のコミュニティー会
「花巻瀬先生から患者のコミュニティー会に参加しないか誘われたけど、夕季も行かない?」
冬休み前のテストが終わり、数日ぶりにみやびと会いましたら、みやびからこのように誘われました。
みやびの説明では、TS病患者同士の交流会らしく毎月開催れているそですが
コミュニティー会の事はTS病と診断された時に説明をされています。
ただ、その当時は興味がわかなかったため、参加してなかったけど
みやびの他にTS病患者と仲良くなるのも良いと思うし、みやびのお願いなら断る理由もないわ。
「別にいいわよ。みやび以外の同じTS病の患者さんと仲良くなりたいわね」
「わかった、それじゃこの参加も申込書を書いてね」
「わかったわ」
わたしはみやびから渡された申し込みに記入をする。
「ありがとう夕季はぼくのお願いは断らないよね」
「そうね。あと、そろそろぼくをやめてわたしにしない」
みやびもステージIIIになって、ほぼ完全に女の子になっているので、そろそろぼくと
呼ぶよりは、わたしと呼んだ方が良いと思う。
「確かに、わたしって言って方が女の子ぽいかもしれないけど、ぼくはまだぼくで行くよ」
みやびはこう言うけど、みやび自信がそう決めているなら仕方がないです。
それに、無理強いは良くないわ。
でも、みやびはやはり、わたしって呼んだ方がかわいいと思う。
「みやびはわたしっていうほうがかわいいわよ」
「そうだとしても、まだ恥ずかしよ」
「それなら仕方がないわね」
本人が恥ずかしいのならば、無理強いはよくないわね。
それに、みやびの言う事は尊重している。
「書いたけど、提出はどうするの?」
「病院の受付に持って行けばいいみたい。今日は土曜日だから、平日の学校帰りにいこうか」
「それでもいいけど、受付は16時までだったと思うわ」
「16時だと……学校帰りは無理か」
「今度の火曜日わたしは診察があるから、みやびのも一緒に出しておくわよ」
「それじゃ、お願い」
「うん、わかった」
平日に病院に行くのは難しいけど、ちょうど病院へ行く日が申し込みの
締め切り前だったから良かった。
「ところで……今日も家族がいないけど……この後どう?」
わたしは顔を赤しながら、今日もみやびを誘ったけど、みやびはもちろんOKで
わたしとみやびはベッドへと向かった。
*******
病院のコミュニティ当日だけど、夕方まで部活があって学校へ行っていたけど
家に帰って着替える時間もないので、仕方なく制服のまま病院へ向かった。
学校から家まで電車を使って1時間、さらに家から病院まで同じく電車をつかって1時間と2時間かかる。
コミュニティーかいは19時からだけど、今は17時20分なので家に帰ったら間に合わない。
学校から家までは電車を使って1時間なので、ちょっと早いけど丁度いい時間に病院に着く。
病院に着くと、病院のエントランスでみやびが待っていた。
「お待たせ、みやび」
「あれ、冬休みに入ったのに制服で来たの?」
みやびに訳を話すと納得してくれた。
「帰って着替えたら、遅くなるから学校から直接来たわ」
「それじゃ、制服でも仕方がないか」
「それでは、会場にいきましょ」
「だね」
わたしとみやびの2階の会場へと向かった。
「こんばんは」
「こんばんはです」
「こんばんは、みやびさん、夕季さん」
コミュニティー会の会場へ行くと、花巻先生……ともう1人別の先生がいました。
「こんばんは。コミュニティー会の担当医師福沢といいます。よろしく」
「初めまして、ぼくは高橋みやびといいます」
「わたしは、林夕季です」
わたしは福沢先生に挨拶すると、みやびが何か気になっている様で
福沢先生に
「あの、こんな事お聞きしてもいいかわかりませんが、福沢先生は元男性ですか?」
と質問をした。
みやびは気になる事があると、すぐに質問するのは悪い事ではないけれど
初対面の相手にいきなり質問するのもあまりよくないとは思う。
ただ、福沢先生は気にせずに笑いながら答えていただきました。
「いや、元女性だけど……ちょっとかわった症例でね」
福沢先生は元女性でありますが、性器は男性器なのですが外見は女性になるという
珍しい症例だそうで、外見は女性なのでが男性なのだそうです。
「そんな症例もあるのですね」
「報告例自体も少なくて、原因はわかってないが命にはかかわらないよ」
「でも、TS病で男性になりましたのに、外見が女性になるのは複雑そうです」
「最初は色々悩んだが、受け入れてれる
「そうなんですね」
みやびと福沢先生が話していますが、わたしもみやびという大切な人がと出会えてよかったと思っています。
性別が変わった事はさほど気にしはしてないばかりか、むしろ女の子になってよかったです。
女の子同士の恋愛が好きで、自分もそれが女の子になって女の子同士の恋愛が
出来たならばと思っていたら、TS病になって夢がかないました。
性別が変わった事による苦労もそれなりにあったけど、自分も周りも自然に受け入れくれました。
そして、みやびと出会って念願の百合カップルになって、大人の階段も上りました。
ただ、お互いがTS病と知ったのは偶然ですが、逆にそれによってさらに関係が深まりました。
「参加者はわたしとみやびだけですが、他の方はいないのですか?」
「今回は君たちの他にもう1人だけだけど、開始時間までまだ時間があるからそのうち来るよ」
「そうですか」
参加者はわたしたちだけかと思いましたが、後1人参加者がいるそうです。
間もなく開始時間なのですが、まだ時間はあります。
どのような方が来るかはとても楽しみでありますが、会場の扉が開くと
背の低いかわいい女の子が入ってきましたが、この方がもう1人の参加者のようですね。
あと、女性と言う事はわたしとみやびと同じく、元男と言う事ですね
「こんばんは。あれ、皆さん揃っている事は遅刻ですか?」
「こんばんは。時間はまだ大丈夫よ」
「それは良かったです。でも、19時になりますよね」
開始時間の19時にはまだ数分ありますが、開始時間には間に合いました。
「では、コミュニティー会をはじめるが、とくにどうこうある訳じゃなく
お互い好きなように話すだけでいいぞ。話した事はもちろん、外部に漏らさないし
犯罪やモラルに反する事を話さない限りは、参加者から話しかけない限りは
こちらからはないも言わないから、プライベートな事や性的な事など何でも話せばいいぞ」
時間になり、福沢先生が説明をしてコミュニティー会がはじまりました。
そして、みやびは先ほどの女の子に早速声をかけられたのでありました。
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