第38話 圧勝
荒川が立川に向かって刀を振り下ろす。
それを槍の柄で受ける立川、しかし荒川は止まらずに何度も何度も刀を振り上げ叩き付け立川の槍にヒビが入る
(ぐっ!? ま、マズい! このままでは……)
荒川の猛烈な攻めに対して足場が不安定なこともあり何も返せず防戦一方になってしまっている立川
そんな立川を助けたのは立川チームの柏木
彼女は狙撃銃で荒川を狙撃した。
(銃声! 魔法は間に合わないか、だったら――)
荒川は刀で弾を弾いてなんとか防ぐ
その隙に立川は荒川と距離を置く
《先輩大丈夫ですか!?》
「あぁ! 俺は大丈夫だ! お前も速くその場から逃げろ!」
一度射撃し銃声や弾筋で居場所が特定された狙撃手は他の狙撃手にとって絶好の的
なので相手のチームに狙撃手がいた場合は一度狙撃したらとっとと逃げ狙撃場所を変更するのが常識
「てっなことで私はとっととこの場から去りますよ!」
遠方で銃声がなる
(あ! マズ! 名手先輩のだ!!)
自分の後方に魔法で石を作り出し弾をガードしようとする
(よーしこれであんぜ……え?)
柏木に向かって飛んできてた弾が柏木をガードしている石の前で急停止し石の下を潜り込むようにして旋回、そして再び柏木に向かって飛んできた。
「え、うそ――」
名手梨里の術式は操作
一度自分の身体に触れた物なら進行方向を自由に操作する事が出来る
「柏木!! おい!! 応答しろ! クソ……」
柏木のリタイアを無線機からの応答なしにより知る立川
「マジか!?」
「全員このままポイントAまで退却――」
「逃がさない!!!」
荒川突貫
立川の間合いに瞬時に忍び込み抜刀
立川リタイア
「マジ――」
真壁リタイア
「最後はうまっちだけだね、うまっちは爆弾の所にいるだろうから後は小夜に任せるよ」
《了解、リーダー》
「もう、返事だけはいいんだから」
ため息を吐いて銃をしまう名手
「先輩たちの分まで僕がんばります!! うおおおおお!!」
最後に残された男、藤一馬の健闘虚しく試合は呆気なく終了
一ラウンド目は立川チームの完全敗北
「うひひ、一ラウンド目は貰ったよー」
「……せ、せんぱい今からでもいいので私もそちらのチームに入れてください」
「私もお願いします!!!」
「マジか!?」
「こ、この裏切り者たちめ……!」
「だって~名手のチームめちゃつよつよ最強チームじゃないですかー次のラウンドも勝てるわけないしーだったらーせめて強い側につきたい的な?」
「ぐぬぬ……次は勝つ!」
しかし結果は誰もが予想した通り名手のチームの圧勝となった。
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