第32話 いざ食堂へ!

 落合は笠松と花梨に誘われ食堂に向かうことになった。


「オメェまでついて来なくてもよかったんだけどな」

「なによその言い草、いいでしょ私も着いていっても」

「悪いな落合、コイツはこうなると譲らねぇ」

「人を頑固者みたいに言わないでよ!」

「頑固者だろうが超弩級の!」

「はわわわわ」


 喧嘩を始めた二人の間に居る落合はただただオロオロとするだけ

 そんな瞬間だった

 時間停止

 その魔法がこの世界に掛かったのは


「……全く俺はこうして学友とアオハルを楽しんでるって時に誰だ? 俺のアオハルを邪魔しようって輩は」


 落合だけが時間停止の効果を免れる


「ウィザード、流石だな私の魔法から逃れるとは」

「時間操作は世界に影響を与えなければならないその分魔法の発動には時間が掛かる、だからお前の術式を弄る時間はたっぷりあった」

「……」

「クククッ宇宙の外から態々俺に会いに来たのか? 百年前だったらそんなの考えられなかった。俺を見たら全員逃げ去っちまったからな」

「お前を倒せば伝説になれる」

「久々に骨のあるヤツと出会えて嬉しいよ」

「私の名は――」

「名乗らなくていい、意味がないからな」


 落合と男は向かい合う


「解――!」


 落合が解放を発動しようとした瞬間、もう一人の刺客が落合の手にしがみつく


「発動はさせない!」

「終わりだ! 喰らえ!!」

「一人が魔法阻害で俺の解放を封じもう一人が俺へトドメの一撃を叩き込む、クククッいいね、正解だよ俺に勝ちたければ先ず解放を封じなければならない着眼点はいい』


 しかし気が付けば二人の男の頭部に大きな風穴が空いていた。


「あっ?」

「えっ?」

「だが解放以外の魔法への対策が出来てないのはマイナス、今お前らに叩き込んだのは超早い光線びーむだ。術式は単純、だからこそ解放より速く発動しお前らに叩き込む事が出来たというワケ]


 二人の男はその場で倒れる


「そこにもう二人いるだろ? 出てこいよ」


 二人の男が物陰から姿を現わす。


「お前ら筋はいい、どうだ? 今回は見逃してやるから鍛え直してもう一度挑んでくるってのは?」

「ふざけろ」

「舐めるのもいい加減にして貰おうか」

「クククッそうか、ザンネン」


 二人の男は魔法を発動した。

 片方は銀河をも越える巨大な怪物を召喚しもう一人はこの宇宙を埋め尽くすほど大量の光線を発射 


「見た目が派手なのはいいんだが……」


 しかしその二つの魔法は一瞬で消えてなくなってしまった。


「攻撃ってのは相手より”素早く””最短”で繰り出せばそれでいいんだ。あんな図体がデカい必要もあんな数の光線を用意する必要もない見た目が華やかになるだけでなんの意味もない、術式が無駄に長くなるだけだ」


 落合は黒い塊を二人に投げつける


「お前らの用意した怪物も光線も”圧縮”させて貰ったよ」

「……」

「次は俺の番~だよな? そうだよな? それでいいよな? クククッ」


「解放】


 そして時間停止の魔法が解ける


「――な? 落合もそう思うだろ?」

「え? は、えっと……は、はいぃ……」

「お、落合くんも私のこと頑固者扱いするんだ……酷いよ……」

「いやいや、あのごめんなさいぃ! 違うんですぅ!!」

「もう知らないもん!」


 と言ってそっぽを向く花梨


「ひぃん! すみません! すみませんでしたぁ!」


 と落合は暫くの間謝る事となったのだった。

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