第28話 コピー

 解放 十十

 変幻自在の妖怪 鵺を召喚する魔法

 鵺が龍の姿となり大口を開けて落合に襲い掛かる


「お前のペットを消し飛ばすのは可哀そうだ。だから――」


 鵺は落合を喰う


「!」


(この程度で負けを認める訳がない、何を企んでいる!!?)


「何も企んじゃいないよ?」

「!?」


 突然背後に現れた落合

 二人は咄嗟に足を使い落合と距離をおく


「言っておくがお前の心を魔法で透視した訳じゃないからな、お前は昔から思ってることが顔に出過ぎなんだよ」


 次の瞬間、落合に光の矢が降り注ぐ

 しかし矢は何故か全て外れてしまった。


「!」

「クククッお前のあの矢は必中のハズなのになんで外れたのぉ? とでも思ってるんだろ? 答えは簡単だお前の術式を弄って必中の効果を無効化した」

「……」


 落合はその場に座り込む


「この通りお前らと俺じゃ勝負にならない、という事でそんなお前らに大チャーンス、今から俺の攻撃に1分以上耐え抜く事が出来たらお前らの勝ちってことにするのはどうだ? 勿論お前らが勝てばあの娘に関してはもう口を出さん」

「なめおって……」

「そりゃ舐めてるよ、ナメナメだ。もっとハンデをやろう攻撃に使う術式は一つ、その上にどんな術式を使うかは事前にお前らに伝える」


 落合が両手を広げる

 すると大量の黒い服に身を包んだ人形たちが地面から這い出てきた。


「!!」


 その人形たちの姿を見た姫の表情が強張る


「この術式、お前はよーく分かってるだろ? ずっと間近で見てきたんだからな」

「……どういうつもりだ! 貴様……!」

「黒尾(くろお)美影(みかげ)お前の母親の術式だ」


 落合は他者の術式を完全に模倣(コピー)することができ自由自在に操れる、例えそれが死人の術式だったとしても

 大量の人形たちが姫たちを取り囲む


「効果は単純、ちょっとした特殊能力をもった木人形を魔力が続く限り量産する事ができる、俺の場合ムゲンに人形を量産する事ができちまうから更に制限(ハンデ)を設けようお前の母親の限界だった100体で勝負しようか、100体の人形からの猛攻を耐えればお前たちの勝ちだ」


 それぞれの人形の腕から鋭い刃が飛び出す。


「まぁなんだ。ガンバレ」


 と言って落合は右手を振り下ろした。


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