第18話 旧友
一人の制服を着た男が荒れ果てた街並みを眺めながらミルク多め砂糖多めの熱いコーヒーを飲んでいた。
「これで犠牲者の数が一桁で済んだのは奇跡だね」
男の隣には同じ制服を着た女性が立っていて、携帯を耳に当てている
通話を終え携帯をしまう
「隊長、2番隊、3番隊、4番隊が到着しました」
「一桁クラスの部隊が三部隊も招集されるとはお上も今回の件流石に見過ごす訳にはいかぬと重い腰を上げたか」
隊長と呼ばれた男とその隣に居た女は早速その部隊の元へと向かった。
「大音寺支部所属、第505偵察部隊隊長、
隊長と呼ばれた男は真名井徹と名乗り隣に居た女性を西宮陽炎と紹介した。
「第2部隊のクロノス・カリファよ、よろしくね徹さん」
とフレンドリーに右手を差し出すクロノスと名乗る女性
「ゆっくりと親睦を深めたい所なのだけど姫を呼んで来て貰ってもいいかしら? 早速で悪いわね」
「姫ちゃんを……? えぇ構いませんよ」
縁路はるばるやって来てなぜ姫を呼びつけようとしているのか疑問に感じながらも真名井は無線機で姫を呼ぼうとしたが姫からの応答が返ってこない
「西宮ちゃん、今朝姫ちゃんは家に居たかい?」
「えぇ、いつも通りテレビゲームをしながらぐーたらとしていましたよ」
「あ、そう……すいません、すぐに連れていくので暫くお待ち頂いてもよろしいですか?」
「あぁ大丈夫、私が直接いくから、姫は神社にいるんでしょ?」
とクロノスは言って微笑んだ。
その頃その姫はというと
「あぁ! もうなんじゃこのゲームは!! なんど同じ道を行き来させる!? お使いミッションもいい加減にせんか!!!」
とのたまいながらコントローラーをガチャガチャと動かしていた。
「クソゲーじゃ! クソゲー!!」
「もう! いい加減にしてよ! 何時までゲームをやってるつもり!?」
と一人の少女が襖を思いっ切り開け姫にそう言い放つ
「ふん! 今日は外出禁止になったじゃろ? ゲームをせず何をしろというのじゃ!」
「ゲームは休日でも平日でも関係なく毎日ずーーーーとしてるじゃない! こんな時ぐらいこの神社の主らしくドシッと構えていてよ!」
「なんじゃ? ワシにありがたーい説法でも説けとでも言う気か? じょーだんではない、そんなことするぐらいだったらこのクソゲーでもプレイしてた方がマシじゃ」
「なんでこんなぐーたら神様の巫女なんかになっちゃたの? 私……はぁ自分の運命が憎いわ……」
「っわ!! フリーズした!! しまった!! このゲーム、オートセーブはついてないんじゃぞ!? あぁ……ワシの五時間の努力がぁ……」
とうなだれている姫の頭に何かが直撃する
「っいた!? な、何者じゃ!?」
「はぁ~い、姫、お久々」
知らぬ間に姫の巫女の後ろにもう一人制服を着た女性が立っていた。
「げっ!? クロノス!!? なんで此処に!」
「ひっどーい、そんな嫌そうな顔しないでよ、折角会いに来てあげたのにさ」
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