あの女・5
それから旦那はまた長屋に籠もッちまって絵ばかり描いている。
けれどそれは以前の様に闇雲に描いてるッてよりは、描きたい何かを掴んでそれを描く為に遣っている様だった。
相変わらずおまんま喰うのも忘れがちだが、それでも煮売屋……
然うして数日が経った或る日、一人の娘っ子が訪ねて来た。
「三ツ木慎之介さまですか? わたしは若紫姐さんから文を預かって……」
娘は言いながら涙で言葉を詰まらせた。
「若紫に何か……」
旦那は手紙に目を遣って、がくりと膝をつく。
文には此のような事が書き付けられて有った。
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