仲間の死

・リカルド侍女 ミーア


 フィーナ様に頼まれた。今日一日は安静にさせること。

 そして卵をまぜた、よくわからないドロドロを持ってきて、ゆっくり食べさせるように言われた。

 王女様は、ご主人様にドロドロを一口食べさせた後、

「ミーアの命令は私の命令、わかった?返事は?」

 と言って公務に戻られた。


「トイレに行ってもよいでしょうか?」

 ご主人様が、弱々しく、私にお願いしてくる。

「ご主人様、ここでなさっても大丈夫です」

「いや、もう大丈夫です。トイレに行かせてください。お願いします」

 なんだか変な欲望が湧いてくる。どうしようか?

「本当にお願いします。なんでも、なんでも1回僕にできることなら、かなえるから」

「本当ですか?本当ですね?わかりました。ただし、無理しないよう、ついていきます」

 ご主人様は、弱っていた。だが、片足を引きずりつつも一人で歩くことができた。

 本当に良かった。


 療養室に戻った後、戦争について聞かれた。

 第二王子が戦死したこと。敵を降伏させたこと。ご主人様の荷駄隊は6名戦死。

けが人はあらかた聖女様が治してくださったと、伝えた。


 戦死の内の3名は、ご主人様が突撃した時の護衛だった。

 それを聞いてご主人様は消沈した。


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