おかしな姫様

・リカルド侍女 ミーア

 ご主人様に”みかん”果汁を飲んでもらう。今度は私の順番。果汁は甘い。高級品だ。王女様が持ってきた。

 ご主人様が、突然顎を上げて舌を伸ばしてきた。私はその舌に応えた。

 目覚める。


 起き上がろうとするご主人様。あわてて右足の傷に触れてしまった。ごめんなさい。

「リカルド!」「リカルド様!」

 王女様、聖女様が叫ぶ。

 ご主人様の目が開いた。

「ご主人様!」

 思わず抱き着いた。


「う、あ、お、おしっこ。」

「わかりますか?リカルド様。フィーナです。”おしっこ”はそのまましてください。私が処理します」

「あ、いや、それは・・・」

 リカルド様が困っている。かわいい。

「私だ。メイだ。わかるかリカルド。お前は4日も昏睡していたのだ。おしっこが出ないので、みんなで飲ませた。待っていたのだ。”おしっこ”するところを見せてくれ。」

「リカルド様は今すぐに、体内の毒を出すべきです。今すぐしなさい。ミーア。もっと飲ませなさい。」

「はい!」


 口に果汁を含んでご主人様の唇を奪った。口をこじ開け無理やり注ぐ。

「やった!でました。」「でたでた」

 まだだ。最後までさせる。


 しばらく口をふさいでいたが、ご主人様の呼吸が苦しそう。解放すると、なんとも情けない顔をした男の子が、そこにいた。

「フィーナさん。替えの布とって。私が拭くから。」

「分かりました。最後は私が清掃魔法を使います。」

「ミーア、お手柄。みかん果汁が正解だった。リカルドのおしっこ濃い黄色。これで大丈夫。毒は出た。」

 よかった。本当によかった。


 私はご主人様の胸に抱き着いて泣いてしまいました。

 ご主人様が私の頭に手を添えます。

「す、すまない。ミーア。心配かけた。世話になった。う、いたた!」

「本当だぞ。リカルド。負傷するなど、たるんでおる。」

「わかったから姫様、おやめください。」

「わかったなら今後、言うことを聞くのだ。わかったな!」

「わかりました。姫様。わかりましたから・・・・」


 王女様は、なにやってるのでしょう。




・小聖女 アルフィーナ

リカルド様が戻ってきた。よかった。本当に心配したのです。わかります?

ですのにリカルド様の第一声が「おしっこ」とは。

だめです。全然だめです。許しません。


リカルド様はミーアに抱き着かれている。とっさに腹がたってきました。

「わかりますか?リカルド様。フィーナです。おしっこはそのまましてください。わたしが処理します」

 いじめてあげましょう。そして私たちがどれだけ心配して看護したか、分かってもらいます。

 姫様もノリノリです。ミーアもわかっています。


 わかりましたか?リカルド様。私たちが、あなたを戻したのですよ。

 出してしまったリカルド様に、姫様が追い打ちをかける。

「リカルドのおしっこ濃い黄色。これで大丈夫。毒は出た。」

 シーツを取ってきましょう。


 シーツを取りに行きながら、急に姫様のことを考えた。

 リカルド様が倒れてから姫様はおかしくなられた。

 ほほの傷を治したとき大泣きした。

「この傷がある限り、リカルドが側にいるはずだった」と。

 病んでいる。

 私とミーアに、「メイ」と呼ぶようにいった。そして親友になりましょうと。

 皆で力を合わせなければならない。

 そうしないとリカルドは目覚めないと。

 ”願掛け”をしたのだ。

 わたしにとっても都合がいい。私も、愛称”フィーナ”と呼んでもらう。

 

 姫様はリカルド様のそばを離れない。ミーアもだ。わたしも離れるつもりなどない。

 部屋に戻った。

 

おかしな姫様が、目の前でリカルド様の局部をつねっている。

リカルド様が大きくなっている。

 「!」 

昏睡していたときは、ああならなかったのに、不思議ね。

観察は大事。今度じっくり。


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ここまでシリアスに書いたつもりでしたが、おかしな方向に進みました。

私に、こんな性癖はなかったはずですが・・・

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