第20話 パイだらけ高校生活

「さすがに、これで終わるわけにはいきませんね!」


 コメント

 g_g:そうだなwww

 g_to:キャラメイク失敗、初日退学エンドはひどすぎだからなwww

 g_eye:さようなら、でかあwww

 g_e_h:達者でな、でかあwww


「もう一回、キャラクターを作りましょう!」


 今度はブレザーの制服姿の美少年を作った。


 名前は『正負せいふ九太郎くたろう』にした。


「よし、今回はこれで行きます!!」


 コメント

 g_g:せいふくたろうwww

 g_to:雑な名前www

 g_eye:適当すぎるwww

 g_e_h:いいのか、それでwww


「では、始めます!!」



「さあ、がんばろう!」


「そこのお前、なんだその格好は!? ふざけた格好だな! お前は退学だ!!」


「ええええええええええええええええええええっ!?」


 画面に『こうして俺は退学になった。 GAME OVER』と表示された。


「なんで!?」


 コメント

 g_g:またなったwww

 g_to:ひでぇwww

 g_eye:どうすればいいんだよwww

 g_e_h:さよなら、くたろうwww



「ちょっとスタッフ、どうなってんの!? どうすればいいの!?」


 『マッスルコンピューター・タブレット』に、ハイテーからのメッセージが届いた。


「え~、どうやらこの学校の制服は学ランのようです」


 コメント

 g_g:そんなオチwww

 g_to:くだらねぇwww

 g_eye:でかあとくたろうwww

 g_e_h:かわいそうすぎるwww



「では、またキャラクターを作りましょう!」


 学ランを着た美少年を作った。


 名前は『額乱がくらん機照蔵きてるぞう』にした。


 コメント

 g_g:きてるぞうwww

 g_to:草

 g_eye:がんばれよ、きてるぞうwww

 g_e_h:草


「よし、こいつで出化亜でかあ九太郎くたろうかたきを取りましょう!!」


 コメント

 g_g:かたきwww

 g_to:死んだわけじゃないwww

 g_eye:悪いのは、でかあとくたろうの方www

 g_e_h:先生は仕事しただけwww



「さあ、がんばろう!」


 画面が暗転した。


「無事、入学式は突破しましたね」


 コメント

 g_g:めでたしめでたしwww

 g_to:おしまいwww

 g_eye:これ、なんのゲームだっけ?

 g_e_h:恋愛シミュレーションだろwww



「次はホームルームか。一年一組の教室に向かおう」


 機照蔵きてるぞうは、一組所属なのか。



 ウィンドウに『ホームルームが終わった』と表示された。


「さて、誰かに話しかけてみようかな?」


 『アップルパイ』

 『ミートパイ』

 『プリンパイ』

 『クリームスープパイ』

 『ニシンパイ』

 『スターゲイジーパイ』

 『よく分からんパイ』

 『パイ?』

 『他のクラスを見に行ってみる』

 『やっぱり話しかけずに帰る』


 と書かれた選択肢が表示された。


「選択肢が多いですね。さて、どれにしましょうか?」


 コメント

 g_g:パイだらけwww

 g_to:パイ屋かwww

 g_eye:これ、恋愛シミュレーションゲームで良いのか?

 g_e_h:恋愛には見えないwww


「とりあえず、一番上からにしてみましょうか」



 『アップルパイ』を選択した。


 画面に、女性のような人間の手足が生えている大きなアップルパイのようなものが表示された。


「初めまして、俺は額乱がくらん機照蔵きてるぞう、よろしくな!」


「お初にお目にかかる、我は『圧富留派位あつぷるぱい最強無双子さいきょうむそうこ』である。よろしく頼むのである」


 ゲーム画面から男性のような低い声が聞こえてきた。


 コメント

 g_g:あつぷるぱい・さいきょうむそうこwww

 g_to:声が渋いwww

 g_eye:女なんだよな?

 g_e_h:名前に子があるから、そうなんじゃないか?


額乱がくらん殿、貴殿はアップルパイが好きであるか?」


 『はい』

 『いいえ』

 『どちらでもない』


 と書かれた選択肢が表示された。


「これは当然『はい』でしょうね」


 コメント

 g_eye:そうだな

 g_e_h:普通ならなw


 『はい』を選択した。


「なんと、我らを食うつもりであるな! ならば、貴様は敵である! 成敗である!!」


 画面に『こうして俺は成敗された。 GAME OVER』と表示された。


「ええええええええええええええええええええっ!? それはひどすぎるでしょ!?」


 コメント

 g_g:成敗されたwww

 g_to:あれでゲームオーバーwww

 g_eye:そういう風に解釈されたかwww

 g_e_h:難しいwww



「もう一回、もう一回やりましょう!」


 また学ランを着た美少年を作った。


 名前は『額乱がくらん機照蔵きてるぞう2世』にした。


 コメント

 g_g:きてるぞう2世www

 g_to:草

 g_eye:成敗されるなよ、きてるぞう2世www

 g_e_h:がんばれよwww



額乱がくらん殿、貴殿はアップルパイが好きであるか?」


 先程と同じ選択肢が表示された。


「『はい』がダメなら『いいえ』なんでしょうかね?」


 コメント

 g_g:そうなるのか?

 g_to:でも、ここのスタッフのゲームだしなぁwww


「まあ、とりあえず、選んでみましょうか」


 『いいえ』を選択した。


「ならば、敵であるな! 成敗である!!」


 画面に『こうして俺は成敗された。 GAME OVER』と表示された。


「なんじゃそりゃぁっ!?」


 コメント

 g_g:また成敗されたwww

 g_to:ひどいwww

 g_eye:また敵認定されたwww

 g_e_h:難しすぎるwww



「もう一回やります! 今度は『額乱がくらん機照蔵きてるぞう3世』にします!!」


 コメント

 g_eye:がんばれw

 g_e_h:がんばれ3世www


額乱がくらん殿、貴殿はアップルパイが好きであるか?」


 先程と同じ選択肢が表示された。


 『どちらでもない』を選択した。


「なんと優柔不断な、貴様は敵であるな! 成敗である!!」


 画面に『こうして俺は成敗された。 GAME OVER』と表示された。


「全部ダメなの!?」


 コメント

 g_g:草

 g_to:草

 g_eye:草

 g_e_h:草


「ちょっとスタッフ! これ、どういうことなの!?」


 ハイテーからメッセージが届いた。


「えっ? 『そいつに、このタイミングで話しかけてはいけない』だそうです」


 コメント

 g_g:わな選択肢www

 g_to:これはひどいwww

 g_eye:スタッフ意地悪www

 g_e_h:難易度高すぎwww


「なんだよ、それ!? 理不尽すぎでしょ!?」


 コメント

 g_g:草

 g_to:草

 g_eye:草

 g_e_h:草

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