第19話 恋愛シミュレーションゲーム

「では、次のゲームに行きたいと思います」


 コメント

 g_g:まだあるだと!?

 g_to:これで六作品目だよな!?

 g_eye:最初のはアレだったけど、スタッフ優秀だな!?

 g_e_h:すごすぎ!?


「今度は恋愛シミュレーションゲームだそうです」


 コメント

 g_g:ほう、恋愛か

 g_to:男用? 女用?


「そこは何も聞いてませんね」


 コメント

 g_eye:そこを隠す必要あるのか?

 g_e_h:なんか怪しい気がするな


「どんなゲームなんでしょうね? それでは、始めましょう」


 ゲームを起動した。



「タイトルは『でかでかパイパイパイパイパイパイ』ですか」


 コメント

 g_g:ほう、なるほど

 g_to:でかパイか、嫌いじゃない

 g_eye:スタッフ有能!!!!!!!

 g_e_h:スタッフは、そっちがお好みなのか



 画面に『キャラクターを作成してください』と表示された。


「これもキャラメイクができるみたいですね」


 コメント

 g_g:いつもの

 g_to:いつものキャラメイク画面

 g_eye:もう見慣れた

 g_e_h:実にエコ


「今回は恋愛に向いてそうなキャラクターを作りましょうかね」


 コメント

 g_eye:まあ、いいんじゃないか?

 g_e_h:そうだな

 g_g:いつもの着ぐるみでも良いのよ?

 g_to:そこはお任せする



 巨大なアップルパイみたいな着ぐるみを着ている、筋骨隆々のイケメンお兄さんを作った。


「今回のキャラクターは、これにしましょう。名前は『出化亜でかあ富流羽射蔵ぷるぱいぞう』にします」


 コメント

 g_e_h:でかあぷるぱいぞうwww

 g_to:なんだその名前はwww

 g_g:いつもとたいして変わってないwww

 g_eye:草



 画面に、いつものチューリップ柄の鶏とアルマジロのような何かが映し出された。


 いつも通り、アルマジロの上に鶏が乗っている。


 その後ろには、日本の住宅街のようなものが映し出されている。


 コメント

 g_g:また出たwww

 g_to:いつもの光景www

 g_eye:安心できるwww

 g_e_h:安心感を与えてくれるスタッフ優秀www



「『でかでかパイパイパイパイパイパイ』の世界へようこそっ!!!!!」


 鶏のようなキャラクターが、そう言った。

 ウィンドウにも、そう表示された。


 コメント

 g_g:な、なんだと!?

 g_to:タイトルを言えただと!?

 g_eye:テンション高いwww

 g_e_h:君も好きなのかい?



「これが操作法だぁっ!!!!!!!!!!!!!!! 健闘を祈るっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


 操作法が表示された。


 コメント

 g_g:テンション高すぎwww

 g_to:うるせぇwww

 g_eye:『!』多すぎwww

 g_e_h:やはり好きなのかwww



 画面に学校のような建物が表示された。


「今日から高校生か。ああ、恋人ができると良いなぁ」


 ゲーム画面から男性のような低い声が聞こえてきた。

 ウィンドウに、そう表示された。


 これは出化亜でかあ富流羽射蔵ぷるぱいぞうの声なのかな?


「どうやら高校生活の中で、恋人を作るゲームのようですね」


 コメント

 g_g:でかあ、お前、あの格好で高校生やるのか!?

 g_to:初日から退学になるんじゃないか!?

 g_eye:さすがに着ぐるみは脱ぐんじゃないか?

 g_e_h:それ、キャラメイクの意味ねぇwww


「そこは大丈夫なんじゃないですかね?」


 コメント

 g_g:ダメだったりしてw

 g_to:キャラメイク失敗で初日退学エンドwww

 g_eye:可能性がないとは言えないw

 g_e_h:それはそれで面白いw


「ま、まあ、とりあえず、進めてみましょう」



「ええと、入学式は体育館でやるんだよな。向かうとするか」


 画面が暗転した。


「おおおおおおおおおっ!!!!! こ、これは素晴らしい!!!」


 コメント

 g_g:どうした、でかあ!?

 g_to:何が素晴らしいんだ!?

 g_eye:タイトル通りの子がいたのか!?

 g_e_h:早く画面に出せ!!!


「なんて素晴らしいでかパイなんだ!?」


 画面に、女性のような人間の手足が生えている大きなアップルパイのようなものが表示された。


 コメント

 g_g:でかパイwwwwwww

 g_to:確かに、でかパイwwwwwww

 g_eye:スタッフぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!!!!

 g_e_h:返品でwww


 さらに、女性のような人間の手足が生えている大きなミートパイ、プリンパイ、クリームスープパイ、ニシンパイ、スターゲイジーパイも表示された。


 コメント

 g_g:みんなでかパイwwwwwww

 g_to:でかパイしかいないwwwwwww

 g_eye:どうしてそうなった!?

 g_e_h:ここなら、でかあでもやっていけるなwww


「ここなら恋人ができるかもしれないな!!」


 コメント

 g_g:なんでそうなるwww

 g_to:でかあ、お前、それでいいのか!?

 g_eye:悪いことは言わん、転校しろ!!

 g_e_h:そういうでかパイが好みなのか、でかあwww


「さあ、がんばろう!」


「そこのお前、なんだその格好は!?」


 教師っぽいスーツ姿の男性が表示された。


「ふざけた格好だな! お前は退学だ!!」


「ええええええええええええええええええええっ!?」


 画面に『こうして俺は退学になった。 GAME OVER』と表示された。


「なんじゃそりゃぁっ!? ひどすぎだろ!?」


 コメント

 g_g:本当にゲームオーバーになったwww

 g_to:ひどすぎwww

 g_eye:だが、これで良かった気もするwww

 g_e_h:学校選び間違えたな、でかあwww

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