第17話 お子様ランチ聖水?

「ふぅ、今回もやり切ったな……」


「クバリのアニキ、お疲れ様でごわす」


「ああ、ハイテーもお疲れ様。今回もいろいろとありがとう」


「どういたしましてでごわす」


「お疲れざます! では、さっそく打ち上げと反省会をするざます!!」


「ええっ!? 少しくらい休ませてくださいよ!?」


「クバリと配信者とエンターテイナーは、熱いうちに打ちまくっておけと言ったざましょ!!」


「鉄がなくなってますよ!?」


「細かいことは気にするなざます!!」


「それじゃあ、ことわざにならないじゃないですか!」


「そのくらい問題ないざます!!」


「ええ……」



「今回はこれを飲むざます!!」


 俺たちの前に、大ジョッキが現れた。


 そこには、デミグラスソースのような色の液体がなみなみと入っていた。


「今度はなんですか?」


「『チキンライスエビフライオムライスハンバーグ唐揚げナポリタンフライドポテト聖水』ざます!!」


「また訳の分からんものを!? というか、チキンライスにエビフライって、お子様ランチですか!?」


「その通りざます!」


 なんでわざわざお子様ランチを聖水にするんだよ!?


「これも前のものと同じように、飲むとそれらを食べた気分になるでごわすか?」


「その通りざますよ!」


「なんか胃に悪そうですね」


「そんなことはないざます! これも美味しいうえに、健康にも良いざます! さあ、飲んでみるざます!!」


「はいはい、分かりましたよ」


「いただきますでごわす」


 聖水を飲んだ。


 本当にチキンライス、エビフライ、オムライス、ハンバーグ、唐揚げ、ナポリタン、フライドポテトを食べた気分になった。



「では、反省会をするざますよ!」


「今回もそこそこうまくやれた気がするのですが、どうでしたか?」


「ゲームは面白かったざますが、クバリは前回とたいして変わらなかったざます! 進歩がないざます!!」


「うっ、精進します……」


「アカウント停止ギリギリくらいの、セクシーエロティック変態エロスケベトークくらいできるようになっておくざますよ!!」


「それは難しすぎますよ!?」


「それをやるのが配信者ざます!!」


「うう、分かりましたよ……」


「では、さっそく三回目の配信をするざます! 内容はセクシーエロティック変態エロスケベトークざます!!」


「すぐには無理ですって!? 明日はまた仕事なんですよ!?」


「ああ、クバリのせいで何人の地球人がブヒャウマになってしまうのざますか!? かわいそうすぎるざます!!」


「やめてくださいよ!?」


「なら、もっと配信するざます!」


「はいはい、善処しますよ!」


「では、私ちゃんは帰るざます! お皿をビュッフェスタイルで提供する方式ざます!!」


「なんですか、それは!? 皿バーですか!?」


「その通りざます!!」


「ええ……」



「クバリのアニキ、今回の配信も切り抜き動画を作るでごわすよ」


「ああ、頼むよ、ハイテー」


 さて、俺は休むとしようか。




 さまざまなうん〇の動画を公開していた配信者が、新作を公開したらしい。


 ちょっと気になるな。


 見てみようか。



 おっ、これだな。


 タイトルは『愛』か。


 どんな動画なのだろうか?


 さっそく再生してみよう。



 ええ……


 うわぁ……

 うん〇でハートを作ってるぞ……


 何考えてんだ、こいつ……


 正気なのか?



 動画を見終えた。


 ふぅ、汚い動画だったな。


 これは間違いなくギャグでやっているよな。


 よし、またツッコミの練習台にさせてもらおうか!


 さて、なんてコメントしようかな?


 『君のうん〇への愛は形だけなのかい!? そうじゃないだろ!?』と。


 うん、なかなか良いツッコミだな!


 さて、仕事に戻るとしようか。



 仕事を終え、帰宅した。


「おかえりでごわす、クバリのアニキ」


「ただいま、ハイテー」


「クバリのアニキ、切り抜き動画と、新しいゲームができたでごわすよ」


「ありがとう、ハイテー」


「なら、いますぐに配信ざます!!」


「準備できてないから無理ですって!」


「そんな悠長なことを言っている場合ではないざます! 宇宙人が動画を出しまくっているざますよ!!」


「ええっ!?」


「このままでは、地球人全員がブヒャウマにされてしまうざます! さあ、クバリ、これから毎日配信するざます!!」


「無茶言わないでください!? それじゃあ、こっちがブヒャウマみたいじゃないですか!?」


「文句言うなざます! 地球人の味方のブヒャウマになるざます!!」


「お断りですよ!? というか、他の配信者はいないんですか!?」


「いないざます!」


「なら、集めてくださいよ! ひとりでは無理ですって!」


「神に頼るなざます! それもクバリがやるざます!!」


「配信者に当てなんてないですよ!」


「それでも知恵を絞りまくって、どうにかするざます!!」


「そんなぁ……」


「甘ったれるな、やれざます!!」


「分かりましたよ……」



「はぁ、他の配信者か…… どうすればいいんだ?」


「いまは地道に配信を続けるしかないと思うでごわすよ」


「そうだな。では、配信の準備をしつつ、トークの勉強でもしようかな」


「それが良いと思うでごわす」


「ああ、それじゃあ、がんばるとしようか」

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