第11話 カードゲーム?

「はい、それではコマーシャルが終わったので、話の続きをしましょう!」


 鶏のようなキャラクターが、そう言った。

 ウィンドウにも、そう表示された。


「コマーシャル!? いつあったんだ!?」


 コメント

 g_g:我々には見えない速度で流したのか!?

 g_to:コマーシャルすごい!?


「『バなんとか』の世界では、このカードをこのように使うのだ」


 コメント

 g_g:バなんとかw

 g_to:略しすぎだろw

 g_eye:何がやりたいんだよw

 g_e_h:スタッフのセンスすごすぎw


 突然、鶏のようなキャラクターに、筋骨隆々、小麦色、無駄毛なしの人間の手が生えた。


 コメント

 g_to:なんか生えた!?

 g_eye:良い筋肉だな!?

 g_e_h:見事な筋肉!?


 鶏のようなキャラクターが、カードを投げた。

 さらに、投げる際の操作方法も表示されている。


 コメント

 g_g:投げた!?

 g_to:投げただと!?

 g_eye:そう使うのか!?

 g_e_h:なんでだよ!?


「『なんとか』の世界では、このようにして敵を倒すのだ」


 コメント

 g_to:なんとかの世界w

 g_g:バすらも消えたw

 g_eye:もっとタイトルを大事にしてやれよw

 g_e_h:スタッフのセンスw



「他に何か質問はあるか?」


 鶏のようなキャラクターがそう言った直後、画面に選択肢が現れた。


「ここからは選択式のようですね。初見なので、とりあえず、全部見てみましょうか」



 『敵とは何か?』を選択した。


「敵とは何かだと!? そんなもの、この世のすべての生物に決まっているだろ!」


「すべて!? 物騒すぎでしょ!?」


 コメント

 g_g:サツバツ世界!?

 g_to:怖すぎ!?



 『なぜ戦うのか?』を選択した。


「そんなもの敵が襲ってくるからに決まっているだろ!」


「怖っ!?」


 コメント

 g_g:ひどい世界!?

 g_to:まったくだな!?



 『カードに書かれているものは何か?』を選択した。


「そんなものただの模様だ。気にするな」


「模様なの!?」


 コメント

 g_eye:意味ないのかよ!?

 g_e_h:なら、書くなよ!?



 『カードの入手法は?』を選択した。


「その辺に落ちている。拾え」


 操作方法が表示された。


 コメント

 g_g:カードは拾うもの!?

 g_to:落ちているの!?



 『もう聞くことはあるようでない』を選択した。


「では、ゆけ! 敵を殲滅せんめつするのだ!!」


「物騒ですね」


 コメント

 g_eye:そうだな

 g_e_h:あるようでないって、どういうこと?

 g_g:ハッキリしないな



「では、ゲームを始めましょうか」


 画面に作成したキャラクターの背中と、日本の住宅街のようなものが映し出された。


 左上に体力ゲージみたいなものもある。


 三人称視点のゲームのようだ。


「まずはカードを探しましょうか」


 キャラクターを操作した。



「カードがありませんね」


 コメント

 g_g:カードが拾えないカードゲーム!?

 g_to:斬新!?

 g_eye:代わりに、粗大ゴミはいろいろ落ちているな

 g_e_h:汚い町だ



 鬼のような形相をしたおばさんが現れた。

 両手に包丁を持っている。


「あれが敵ですかね?」


 コメント

 g_g:それっぽいな

 g_to:カードが拾えてないのにマズいな

 g_eye:ここは逃げた方が良いんじゃないか?

 g_e_h:そうだな


「うぎゃぎょびゃぼびゃびゅげぎゃきけぬぎょひゃひょぎゃぎゃぎょっ!!!!!」


 おばさんをが奇声を発しながら向かって来た。


「うわっ!? 来た!? 逃げろ!?」


 コメント

 g_g:足速い!?

 g_to:逃げ切れないじゃないか!?

 g_eye:追い付かれた!?

 g_e_h:刺された!?


「あ~、やられてしまいましたね」


 コメント

 g_eye:仕方ない

 g_e_h:あれは逃げ切れない

 g_to:カードどこ?

 g_g:あれカードで倒せるのか?


「もう一回やってみましょうか」


 コンティニューした。



「またカードがありませんね」


 コメント

 g_g:カードがないカードゲーム

 g_to:これはカードゲームなのだろうか?

 g_eye:投げている時点でカードゲームなのだろうか?

 g_e_h:カードを使ってはいるから、カードゲームなのではないか?


「あっ!? また敵が!?」


 コメント

 g_g:また刺された!?

 g_to:あーーーーーーっ!?

 g_eye:またか

 g_e_h:はい、コンティニュー



 コンティニューした。


「うーん、カードはどこに落ちているのでしょうかね?」


 コメント

 g_to:こうなったら、スタッフに聞いてみろ

 g_eye:それもやむなし


「確かに、その方が良いかもしれませんね。スタッフ、カードはどこにあるの?」


 『マッスルコンピューター・タブレット』に、ハイテーからのメッセージが届いた。


「あっ、返事がきましたね。ええと『いま画面に映っている』だそうです」


 コメント

 g_g:えっ? あるのか?

 g_to:どこにあるんだ?

 g_eye:粗大ゴミみたいなものしかないぞ?

 g_e_h:どういうことだ?


「もしかして、この粗大ゴミみたいなものがカードなのでしょうか?」


 近くにあった冷蔵庫のようなものの近くで、カードを拾うキーを押してみた。


「あっ、持てましたね」


 コメント

 g_eye:あれがカード!?

 g_to:どう見ても冷蔵庫だけど、カードなのか!?

 g_g:カードとはなんなのだろうか?

 g_e_h:冷蔵庫はカードの一種だった!?


「あっ、敵が来ましたね。投げてみましょう」


 冷蔵庫を投げた。


 コメント

 g_g:倒した

 g_to:カードすごい

 g_eye:冷蔵庫みたいなカード強いなぁ

 g_e_h:冷蔵庫にしか見えないカードすごすぎ


 なんだこれは?

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