第4話 筋肉のコンピューター?
「『ああっ!? いったい何を配信すれば良いんだっ!?』 クバリは悩み続けましたざます。しかし、何もアイディアは出ませんでしたざます。そして、地球人はすべてブヒャウマに変えられてしまいましたとさざます。めでたくなしめでたくなし、地球人類の歴史おしまいざます」
「何言ってんですか、神様!?」
「このままでは、こうなるざますよ!!」
「プレッシャーかけないでくださいよ!?」
「甘ったれるなざます! さっさと配信するざます!!」
「そのネタがないんですよ!」
「はぁ、仕方ないヤツざます。少し助言してやるざます」
「ありがとうございます!!」
少しと言わず、大量に助言してくれても良いんだけどな。
「クバリが面白いと思うものを配信してみれば良いざます! クバリの趣味は何ざますか?」
「趣味ですか…… ええと、特にないですね……」
「ないざますか!? パッとしない人生を送っているざますね!!」
「うぐっ!?」
心が痛い!?
事実だけど、そこまでハッキリ言うなんて、ひどすぎるだろ!?
「何か好きなことはないざますか!? 昔、好きだったものでも良いざますよ!」
「うーん、特に思い付きませんね……」
「忘れているだけかもしれないざます! ちょっと家の中を探してみるざます!!」
「分かりましたよ」
「クバリのアニキ、自分さんも手伝うでごわす!」
「ありがとう、ハイテー」
何かないかなぁ?
「むむっ、これはでごわす!?」
「どうした、ハイテー?」
ハイテーが押入れの前で、黒いノートを読んでいた。
あれは、なんだったっけ?
「クバリのアニキ、これは使えそうでごわすよ!」
「えっ? それに何が書いてあるんだ?」
「これはアイディアノートでごわす!」
「ああ、そういえば、昔そんなの書いていたなぁ。確かゲームにしようと思っていたんだったな」
勉強や仕事に追われて、結局できなかったけどな。
懐かしいなぁ。
「ならば、そのゲーム、自分さんが作りましょうでごわす! クバリのアニキは、それを配信すれば良いでごわす!!」
「えっ!? そんなことできるのか!? って、そういえば、絵もプログラミングもできるんだったな」
「その通りでごわす!」
「あとは音楽も必要だが、それはできたっけ?」
「そこもなんとかしてみるでごわす! では、さっそく作り始めるでごわす!!」
「あ、ああ、じゃあ、頼むよ」
「任せるでごわす! 来い『マッスルコンピューター』でごわす!!」
「えっ!?」
ハイテーがそう言って、両方の拳を両脇腹に押し込んだ。
すると、ハイテーの前に、病院に置いてありそうな心電計のようなものが現れた。
なぜか表面が小麦色なうえに、テカっている。
まるでボディビルダーの皮膚のようだ。
「な、なんだこれは!?」
「これはマッスルコンピューターでごわす!!」
「なんだそれは!?」
「筋肉で動かすコンピューターでごわす!!」
「筋肉で!? 意味が分からないぞ!?」
「なら、実演するでごわす! マッスルコンピューターセットでごわす!!」
ハイテーがそう言った直後、心電計に付いていた多数のコードが、いっせいに動き出した。
そして、コードの先端に付いていた白いシールのようなものが、ハイテーの体の各部に張り付いた。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっでごわすっ!!!!!」
ハイテーが両腕を上げ、力こぶを作るポーズを取った。
すると、心電計のモニターに『筋肉』と『きんにく』という文字が、ズラリと並んだ状態で表示された。
「な、なんじゃこりゃぁっ!?」
「もちろん、ゲームを作っているでごわす!!」
これでゲームなの!?
「そ、そうなのか……」
訳が分からなさすぎる……
「クバリのアニキ、まだまだ時間がかかりそうなので、そこで見ていなくても良いでごわすよ! 他のことをしているでごわす!!」
「そうか? では、神様に報告をしてくるか」
パソコンの前にやって来た。
「どうやら配信するものが決まったようざますね!」
「ええ、いまハイテーがゲームを製作中です」
「これで地球は救われるざますね! めでたしめでたし、おしまいざます!!」
「気が早すぎでしょ!? 何言ってんですか!?」
「いまのツッコミは、なかなか良かったざますよ」
「ああ、いまのもボケだったんですか」
「そういうことざます」
「ところで、いまも宇宙人は活動しているんですよね?」
「しているざますよ」
「何をしているんですか?」
「ヤツらは一か月くらい前に、地球にやって来て、調査を開始したざます」
まだ活動を開始したばかりなのか。
「一週間前に配信を始めたざます」
「そうなんですか」
三週間で調査を終えたのか。
すごいもんだな。
「そして、昨日アカウント停止になったざます」
「ええっ!? なんでですか!?」
「あまりにも下品だったからざます」
「何やったんですか!?」
「さまざまな生物の出口から出て来る固形物を、映しまくっていたからざます」
ええっ!?
いろんな生物のうん〇を!?
「なんでそんなことをしていたんですか!?」
「地球人は、それが大好きであるという情報をつかんだからざます」
「えっ? ああ、確かに聞いたことはありますね」
「向こうも、まだまだ調査中ということざますよ」
「なるほど」
「この隙にどうにかするざます!」
「分かりましたよ」
では、配信のネタを考えようか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます