第16話 バリン湖国立公園
ヘリテージ・ハウスにて、朝ごはんを終えて景色を眺めに行く人、席に残っておしゃべりをする人など和やかな時間を過ごした。
私達にも、日本へ旅行に行ったことがある。と仰る上品なご夫婦が、回ったルートなどをゆっくりとした口調で教えてくれる。皆さんとてもフレンドリーで嬉しかった。
そろそろバスに乗る時間らしく、コドオに促されてお手洗いも済ませた。
順番にバスに乗り込むまでの1,2分。心地よい風に帽子を押さえながら、大きなバリン湖を眺めていた。
気が付くと横にクリスさんが立っていて、楽しんでいるか?
というような気遣いの言葉をかけてくれた。
「イエス」
と答えたあと、何か言わなければいけないと思い、
「ビューティフル」
を連呼した。以前、ニュージーランドからのお客様をおもてなししたとき
「
をよく使っておられたので、オカンは、この二つを言えば会話が成り立つと思っている。
すると、クリスさんは、
「そうです。美しい湖でしょう。この水は、本当に美しい。
このレストランの飲み物も食べ物もこの湖の水を使っています。
だから、このレストランの食べ物は、美味しいのです」
と教えてくださった。
もちろんオカンは、
「オウサム」
と言った。
クリスさんは、うんうん。と頷いてくださる。本当に良い人だ。
それにしても、もちろん浄化しているだろうが、自然の水をそのまま使っている。というのをうたい文句にするのは、日本では聞いたことないな。
とも思った。
消毒された水道の水が一番の日本では考えられない話だな。
と考え、クリスさんの誇らしげな口調から、オーストラリアの自然を大切にして共生しようとしている意識の強さを感じた。
今違う国にいるんだ。と改めて思った。
最近、日本でも湧き水で流しそうめんをしていて、その水質に問題があった。
という記事を見て、単に知らなかっただけだと今は、思っているが。
バスに乗り込む。
つぎは、熱帯雨林の中でモーニングティーのはずだったがサイクロンの影響で違うお店に行くことになる。
とクリスさんが謝っておられた。
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