第10話神戸市の大空襲!

そこは水道に為っていて大きな石が土中から顔を出していた。

その石の上に足を乗せ滑らない様に互い違いに足を繰り出す。

「お前は猿みたいやな、お父ちゃんはしんどいわ。」と、息を切らしながらやっとの思いで裏の麓に下りれた!下りてみるとそこは烏原の貯水池だった。

「子の道を左に歩いたら滑走路があるねんで?」何気無く呟いたお父ちゃんは、ちょっと行くか?と言い終わらない内に先に歩きだしていた。

「待ってえ!」小走りになったが、追い付けた。

暫く二人は無言で200mほど歩き、左手に小高い丘のような場所にお父ちゃんは先に行けと言いぼくの尻を押してくれた。

 上に上るとそこは360度開けていて、台地のような原っぱだったから「どんな滑走路なん?」と聞くと「旧日本軍が零戦を飛ばす為に耕したんや!でも、神戸空襲が先に起こったから何にも為らんねん!」悔しそうにしていた。

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