第十頁


 私は、もうすぐ消えるのだろう。

 そんな考えが、ふと腑に落ちてしまった。


 もう、私にはほとんど何も残っていない。

 それでも消えたくないと、死にたくないと、そう思ってしまうのは何故なのだろう。




 未来の私へ。

 私が、怖い、と感じるのはきっと、思い残していたことがまだ沢山あったからだと思います。

 もう思い出せませんが、これより前に書いていた、友達のこと、家族のこと、そういったものも、心残りのひとつなのだと思います。


 もし、未来の私が、「私」なのだとしたら。

 いつか、この心残りを叶えてもらえないでしょうか。

 そのために、このノートを残します。


 今もずっと、消えたくないと怖がり続けている私からの、せめてものお願いです。

 どうか、よろしくお願いします。






 そこで、ノートは終わっていました。

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