あとがき

 この作品はきっと駄作だ。主観でもわかる程に幼く幼稚な作品であろうけど、それでも書きました。少しだけ自分を変えたいと思って。でもこれが処女作で良かったです。ちょっとだけ自分がわかりました。

 これ以上この作品の外枠を語っていると暗い雰囲気でしょうがないので早速中身に触れいきます。

 この作品の主人公であるカンムルのモチーフは私です。でも私はこいつよりずっと出来が悪い。何せカンムルの唯一の自慢である『翼』を私は持ってないのだから。それを隠して周りには立派な翼のレプリカを見せつける。この翼が本物だったらなぁ…。そう思い作られたのがカンムルです。

 そんなもう一人の私を真実の目で見る存在、エカシはヘミングウェイという小説家の「老人と海」に主人公として登場する年老いた漁師、サンチャゴをモチーフとしました。老いの威厳、美しさ、儚さ、を表現するために北海道にしか生息せず歴史の深いシマフクロウを選びました。アイヌの人々はエカシをカムイエカシ(祖先の神)と呼び敬称している。初めてシマフクロウを図鑑で見た時、衝撃を受けた。凛と枝に留まる姿も翼を自分の体の倍も広げ飛び立つ姿もどの写真も美しかった。でも…どの写真も瞳はどこか寂しそうで、その奥深さに心を打たれた。

 因みにこの作品に登場するいくつかのキャラクターはアイヌ語を使っています。これは今作唯一の北海道出身であるエカシが名付け親であるためという小ネタだったんですよね。

 これまでたった二羽の鳥を懇切丁寧に説明してラストシーンでカンムルの心を埋める存在である名もなき小魚を説明しないのは愛を教えることに必要なものはそんなたいそれたものではないためです。愛は偽りの友人にでも見下す対象にもありはしない。ただ同じ目線に立ち寄り添う存在にこそ、愛は生まれるのです。

 色々説明しましたがこれ以降の解釈は読者に一任します。私自身あとがきで全てを語るのはあまり好きではないので。まぁ、そもそも読んでくれる人がいるかはわかりませんがね。

 それでも読んでくれる方がいたらめちゃめちゃ嬉しいです!

 改めてまして、ここまで私の作品を読んでくださり誠にありがとうございます。それではまた次の作品でお会いしましょう。 ironic

 

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カンムル Ironic @ironic

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