第5話未完成5

ある日——好きな女が、いえに〝頭部〟を置いて来た。


彼女の種族はデュラハン。胴体カラダ頭部アタマを腕に抱えて活動する、人型のモンスターだ。


おい、お前、〝頭部アタマ〟の方はどうしたんだよ?


『…………』ガチャ、ガチャガチャ、ガチャッ…。


俺が〝頭部アタマ〟の事を聞くと、彼女はガチャガチャと、身振り手振りで俺に答えた。


は?胴体カラダだけ目が覚めて、頭部アタマはいつまで経っても起きる気配がないから?待ってられないので置いて来た?


『…………』ガチャガチャ。


………。


ガチャガチャと、器用に胴体カラダを振って頷く彼女。


いや、お前、そんなんで敵が来た時、マトモに戦えんのかよ?


『…………』スラッ…。


そう言った俺の言葉に、彼女は『問題ない』と言わんばかりに、腰に吊るした鞘から剣を抜き。大上段に構え、大きく一歩踏み出しー…


『………⁉︎』ズダァーンっ‼︎


盛大にずっこけた。


やっぱダメじゃねぇか…。

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