第4話未完成4

気が付いたら、畑に埋まっていた。


まわりには、沢山のキャベツ、キャベツ、キャベツ。


どうやら、ココはキャベツ畑らしい。


何故、ぼくはこんな所に、埋められているんだろうか?


原因がまったくわからない。


現在いまにいたるまでの記憶がない。


自分が何者なのかすらわからない。


何か、ヒントになるようなモノはないだろうか?


周囲を見渡してみると、先ほどは気が付かなかったが、朝靄に煙るキャベツ畑には、異種族、同性、生物×無機物——多種多様なふたり組がいて、皆んな一様に、真剣にキャベツを見比べている。


キャベツ農家の人たちか?


多種多様なふたり組たちは各々、選んだキャベツの収穫をすませると、キャベツを我が子のよう大事に抱えて去って行く。


横を通り過ぎて行く際、キャベツの将来を期待する声や、心配する声——キャベツから赤ん坊の泣き声が聞こえて来た。


え、怖いんだけど…。


どう言う事?


わからない事ばかりで、不安に思っていると、ひと組の男たちが、ぼくのもとへとやって来た。


ひとりは優男風のイケメンで、長い髪を後ろで束ねて、一つにしている。


もう一人は戦士風の男で、ゴリッゴリの筋肉マッチョマン。


そんなふたりが、腕を組んで寄り添い合い。ぼくの目の前に立っている。


ぼくは、不安が増した。


「アーベイン、どうやらこの子が、ボクたちの子供のようだよ」


「あぁ、ウホッセ。そのようだ」


イイエ、ボク、アナタタチノコドモ、チガウ。


「さぁ、はやくこの子を取り上げて。ボクたちの愛の巣に連れて帰ってあげよう」


「あぁ、そうだな。ほぉら、良い子だ。いまかあさんが取り上げてやるからな」


いえ、お構いなく——あ、ちょっ⁉︎待っ…やめ、オッー…


「——オンギャアアアッ‼︎」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る