第3話 生徒会役員になりました
今日は私達のクラスに生徒会長が〝3年生に向けて〟について話してくれる日だ。
まだ、2年生になったばかりだと言うのに3年生に向けてなんて早いなぁ。
「生徒会長の
如月会長は数枚の紙を手に持って話し始めた。
(すごいなぁ、一人でこんなにできるなんて…)
私が生徒会に入ったらどうなるだろう。
ほんの少しだけあった入ってみたいという感情が少しふくらんだ気がした。
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来週。
とうとうこの日になった。
私は決意を決めて先生の元へと向かう。
「先生」
「お、おお…!」
「私…生徒会に入ることにしました…!」
「おおぉ!!ありがとう!」
先生は心底嬉しそうに笑った。
「じゃあ、まず挨拶をしてこい!」
「はい」
(よし、頑張るぞぉ!)
そう心の中でつぶやいてガッツポーズを作った。
(この事、律輝にも話さなくちゃ)
明日の朝は話せるかな…とか考えている内に生徒会室についていた。
コンコンコンコン、とノックする。
「失礼します」
恐る恐る中に入る。
前と同じで中には男の子が椅子に座っていた。
ただ前と違うところがあった。
それは机に何十枚ものプリントや資料が積み上げられていたことだった。
「あ~、君か。どうしたの〜?」
「わ、私今日から生徒会に入ることになった、麻木 友梨です…!!よろしくお願いします…!」
「えっ、入ってくれるの!?」
如月会長は目を輝かせて私を見てきた。
「はっはい」
「嬉しい~人手不足だったんだよね」
(やっぱり…そうだったんだ)
「そろそろ1年の生徒が来ると思うけどね」
「え…?」
何を言っているんだろうと、思った時廊下からすごい足音がした。
その足音はだんだん近づいてきて…
「おいクソ兄……って客がいんのか。」
「客じゃなくて新しく生徒会に入ってくれる子だよ〜。ほら奏汰。自己紹介して」
「……1年生の
ムッという効果音がつきそうなほど彼は嫌そうな顔をしていた。
「友梨ちゃん。しょうかいするね〜。これ、僕の弟の奏汰だよ〜」
「おっ、弟…!?」
(まさか、如月会長に弟がいるなんて…)
「チッ、クソ兄め…。可愛子ぶるなよ」
「ん?クソ弟はなんて言ったのかなぁ〜」
如月会長はそう言って奏汰くんの頭をつかんだ。
(ふ、不穏な空気!)
やばいかもと思った私は二人から少し距離をおいた。
「は、離せバカ野郎!」
「誰がバカ野郎なの?バカクソ奏汰くん」
如月会長はもう片方の手をだして奏汰くんに……
「ストーップ!!やめてくださいよ…暴力なんて」
私は奏汰くんがなにかされる前に二人の間に入った。
「ごめんね〜、友梨ちゃん。こいつこんな感じだけどよろしくね~」
「はい…」
(なんだか今では笑顔の如月会長が怖い…)
「奏汰くん、だよね?私、2年の麻木 友梨っていうの。よろしくね…」
一生懸命に話す私を奏汰くんは無言で見つめてくる。
(す、すごい見られてるー!!)
これは仲良くできそうにないと思った時。
「……よろしく」
そんな返事が返ってきた。自分より奏汰くんは背が低いので、上目遣いのようになっていてとても可愛い。
「う、うん!よろしくね!」
私はつい嬉しくなってぎゅうぅと奏汰くんを抱きしめた。
「は…っ!?」
奏汰くんが驚きの声を上げる。
私でも自分が何をしているかわかっているけど何故か離したくなかった。
「あー、可愛い!いいですね、如月会長はこんな弟がいて!」
私はそう言ってゆっくりと奏汰くんを腕から開放する。
(私もこんな弟欲しかったなぁ)
その後、奏汰くんは真っ赤になっていて、その顔を見られるのを恥ずかしがっていた。
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