第2話 不思議な感情 律輝side



俺の名前は神無月かんなづき律輝りつき。平々凡々な何処にでもいるただの中学2年生だ。

俺には物心つく前から一緒に過ごしてきた幼馴染みいる。麻木友梨だ。

友梨は穏やかで優しくて…可愛い。

友梨には、他の女子達とは違う感情を持っている。幼馴染みだから、なのだろうけど……正直よく分からない。

今日もいつも通り友梨ん家のインターホンを押す。

1分もしないうちに制服を着た友梨が顔を出した。

「友梨、おはよう」

「おはよう律輝」

ここまではいつも通りだった。

「先行ってていいよ。私、今日は瑠海と一緒に行くから」

その言葉に俺の頭の中は一瞬真っ白になった。

朝の二人の時間を瑠海にとられるのか…?!

瑠海は俺にとってライバル的存在だ。学校で友梨と瑠海が一緒にいると会話に入りづらいし、時々こっちを見下したかのような目で見下ろしてくるからだ。

アイツに朝の友梨もとられるのは嫌だ……!

「……瑠海とそんな約束してないでしょ?」

友梨と14年間共に過ごしてきたから分かることだが、友梨はそういう系は、約束せずに勝手に待ち続けるタイプだ。

「確かにしてないけど…」

「なら、二人で学校に行こう?」

わざと「二人」のところだけ大きく言う。

友梨が戸惑った表情を浮かべ、はいともいいえとも言わないのでゴリ押し作戦でいくことにした。

友梨の視界に入る位置まで手を上げる。

すると、友梨はまだ戸惑った表情を浮かべていたけれど、手を握ってくれた。

これはOKってことか?!

そのままさり気なく学校へと歩いてみたら、友梨は何も言わず隣を歩いてくれた。

よしっ!作戦成功だ!

と、上機嫌で俺は学校へ向かった。



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