第5話信じたくない事実

……ん……ここは。確か……殴られて

「ここは私の居る基地」

「?!瑠莉?どうして」

「どうして?それはこちらのセリフよ」

「どうして死んでるはずの貴方が生きているの?」

脳裏にある事件が思い浮かんだが違うだろう。

「まぁ生きているなら殺すまで」

「っ……こんなことしないで戻ろう?帰ろうよ」

キンキン バァン…

刃物と銃弾が放たれる音がなり部屋で冷たい声が響いた、

「そういえば貴方ふぅくんのこと大切にしてるみたいだけど裏切ってるみたいだよ」

……ぇ

その言葉は僕の行動を崩すのに十分だった。

「ふっふうがそんなことする訳ない!」

頭では理解しようと思っても理解ができない。

嘘だとわかっていても……その言葉は……

今まで防げた攻撃もまともに防げなくなり、あちこちから血が出てくる。あれ?あの時瑠莉は誰かと話してた。なら誰が私を気絶させた?

ふぅの裏切りという言葉に惑わされたせいで考えに至るまで、その考えに至るまでにはもう十分な時間だった。

グサリ

深く刺さったそこからボタボタ……と血が垂れる。痛い……暑い……刺されたところが熱を持つ。誰が……さして……っ

僕を刺したのは紛れもなく仲間だった樹葉だったのだから。

「ごめんなさい……でも殺されたくなかったから……」

「誰が殺さないと言った?」

その声はとても聞き慣れていて……こんな僕を助けてくれた人の声だった。

バァン

二つの銃声音とともに2人の身体は倒れていく。

「仲間じゃなかったの……?」

クククアハハハハ

「仲間だと?そんなわけないだろ。ただの捨て駒だよ」

ふつふつの心の底から怒りが湧いてくる。

刺されているからあの時みたいに力は出せないが……それでも……殺すことはできない。でも……せめてこの人だけは……絶対に許せない!。彼女達にこれ以上怪我をしないように端に寄せ、僕は構えた。

今までボスが僕に優しかったのも全て夜桜家である僕の力が欲しかっただけ。それに彼女たちは巻き込まれた。

2人の戦いは激しかった。しかし瑠月の体は刺されていてとうに限界だった。

「いい加減!死ね!」

グサリグサリグサリ

何度も彼女のお腹にナイフが刺さる

ゴホッ...ヴ...ゲホッゴホッゴホッ...

……ごめ……ん……ふ、ぅ……ゴホッ...ヴ...ゲホッゴホッゴホッ...これ……無理……だ

……ご……めん……ね

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