永別

1(幻夢)


夢に違いない――

小鳥のさえずりが

ほのかに死の香りをはらんでいるのは。


なぜこうも悲しいのだ?


小鳥のさえずりは聴こえるが、

その意味を

まだ知らないというのに。


2(目醒め)


目醒めた頃には、

父の亡骸が横たわっていたが

僕もすぐに、

父のそばで眠るだろう。

奇怪な幻想が僕の脳味噌のうみそを吹き飛ばし、

吹き抜ける突風のごとく、

僕を狂気へ追い詰める。


忌まわしいフルートのが、僕を狩り、

 父の従者が僕を狩ろうとしているよう


吹き抜ける突風のごとく、

僕を狂気へ追い詰める。


3(僕の神様)


僕の目の前には黒い戸口が待っている。

なりたかった!

他人の不幸を願うのではなく、

他人の幸福を願える人間に。


なぜこうも悲しいのだ?


僕はそのまますわり込み

 静かに最期を過ごそうかな……

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