トレーニング3「トレーニーには欠かせないスペシャルフードです!」

「ドーブライ・ヂェン! こんにちは! 今日もトレーニングがんばっていきましょう!」


「前回のトレーニングの後、筋肉痛になりませんでしたか?」


「あ、なった? よく身体を動かした証拠ですネ! がんばった証! えらい! 筋肉痛になってえらい!」


「あ、そうだ! 傷ついた筋肉を修復するのに効果的な食事があるんですヨ」


「それは、たんぱく質です! たんぱく質には筋肉を増やしたり回復させたりする効果が含まれています」


「お肉やお魚、卵やチーズにたくさん含まれています。日本のコンビニやスーパーでは、茹でたチキンがパックになって売っていますよネ」


「あ、ワタシ、日本でヘルシーでスバラシー食材に出会いました! 今では生活に欠かせません!」


「それは、トーフ! ロシアにもトーフはありますが、日本は色んな種類があって驚きました! しかもお手ごろ! プリクラースナ! 素晴らしい!」


「あと、もうひとつ好きなものがあります! ふふっ、実は今日アナタのために用意しました。お嫌いじゃないといいんですが……」


「これです! ライスケーキ! 日本語ではおはぎですネ!」


 目の前にお皿にのったおはぎが出される。


「おはぎはトレーニーには欠かせないスペシャルフードです!」


「トレーニングで身体を動かすにはエネルギーが必要になります。その時、筋肉に蓄えられた糖質がエネルギーとして使われます」


「だけど、身体に糖質が足りていない状態でトレーニングをすると、身体は筋肉を分解してエネルギーを作り出そうとするんです。せっかく鍛えた筋肉がどんどん減ってしまいます」


「筋トレで筋肉をつけているつもりが、逆に筋肉量を減らしてしまうなんて悲しすぎます……そこで、おはぎの登場です!」


「おはぎは脂質が低く、あんこには植物性の良質なたんぱく質が含まれています。その上片手で手軽に食べられるのも最強です!」


「えっ? 糖質ってダイエット中はダメなんじゃないかって?」


「確かに一部のダイエットでは糖質を制限する方法もありますネ」


「だけど、それだと痩せたというよりも萎んだ身体になってしまいます。健康にも良くありません。ナニゴトも無理は禁物です」


「前にも言ったでショ? ワタシはアナタにトレーニングを好きになってもらいたいんです。それは食生活も同じです」


「食べたらいけないものなんてありません。大切なのは食べて動く、食べて燃やす。食生活も無理せず続けられる方法でやっていきましょうネ」


「甘いものが苦手な人はおにぎりやバナナも効果的です。色々試してみてくださいネ」


「さあ、今日は下半身を鍛えるトレーニングをやっていきます。この前のトレーニングよりちょびっとだけハードかもです」


「あぁ! 心配しないで! アナタなら絶対に大丈夫!」


「下半身のトレーニングはハードな分、いいことがたくさんあるんですよ!」


「大きな筋肉は下半身に集中しています。太もも、お尻、ふくらはぎは身体の中でも大きな筋肉にあたります」


「ここの筋肉を増やすと基礎代謝があがって、太りにくくて痩せやすいカラダになるんです!」


「つまり息してるだけで痩せる、というわけです!! ネ、すごいでしょ?」


「あら、なんか信じていない顔してますネ……? 嘘じゃありませんよ。筋肉は裏切りませんから!」


「それでは、まずワイドスクワットをやってみましょうか」


「今日もまず手本を見せますネ。ワタシの動きを見ていてください」


「まず、両足を大きく広げて立ちます。膝とつま先は外側に向けてくださいネ」


「その姿勢からゆっくり腰を落としていきます。内ももの筋肉がジンジン感じてきます! 筋肉に効いてるサインだからしっかり意識してくださいネ」


「腰を落とす時は、お尻を突き出すイメージで行うといい感じになりますヨ。このトレーニングはお尻の筋肉にも効きますからネ。ヒップアップ効果も期待出来ます!」


「膝の高さ位まで下ろしたら、またゆっくり腰を持ち上げて元の位置に戻ります。どう、わかりました?」


「ポイントはお尻を突き出すこと! さあ、今度は一緒にやっていきましょう!」


「そうそう、いい感じです~! ゆっくり腰を下ろして~内ももジンジン感じて~! お尻を突き出して~!」


「今度はゆっくり元に戻りま~す! おかえりお尻~!」


「うん、バッチリです! 元々下半身の筋肉はしっかり付いていそうだから体勢が崩れることもなく出来ていますネ!」


「同じポーズで、10回やってみましょうか?」



*********************



「はい、お疲れ様でした! ワイドスクワット、いかがでしたか?」


「ああっ! なんだか生まれたてのバンビみたいになってる! かわいい!!」


「ハッ! そんなこと言ってる場合じゃなかった! きゅ、休憩しましょう! おはぎ食べる??」

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