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2023年9月28日 07:16
初めまして。この度は『自作品への意見や提案がほしい方へ』企画にご参加いただき、ありがとうございました。主催者の島流しにされた男爵イモです。一万字ほど拝読したので批評に入っていきます。まずは良かった点から。ここまで読んだ限り、文章は読みやすかったです。難解な単語や持って回ったような表現は登場せず、淡々と文章が並べられていました。小学生や、あまり読書をしない人でも取っ付きやすい作品だと思います。主人公の思考は一般人寄りかと思いきや狂気の色が強く、適度に意外性があったのは評価できる部分でした。一方で気になった点は二つほどありました。一つは描写不足。前述したように文章は読みやすいですが、小説の域には達していません。どちらかというと日記や作文に近いです。その理由が描写不足。なにが起こったか、どう思ったのか。それを状況報告で済まさず、想像させるのが小説です。たとえば「木があった」というのではなく、「太い根を地に張り巡らせた大樹が、俺を見下ろしていた。枝葉は風に騒めき、言葉なくとも明確な敵意を向けてくる」と。これだけで状況の他、雰囲気や人物の心情も想像させることができます。小説は文章表現が売りです。平易な表現も当然必要ですが、そればかりでは面白味は生まれません。二つ目は人物の薄さ。これは描写不足に起因していると考えられます。現状では、どの人物も人間味があまり感じ取れませんでした。どことなく不自然で、台詞も「喋らされている」という印象が否めません。人物の動かし方を、人形劇で考えてみてください。上手な小説の場合、操者は裏で糸を巧みに操って壇上で人形を躍らせています。対して本作の場合は、壇上で人形を抱えた操者が踊っているイメージです。新鮮さはあっても、観客の望むものではありません。まずは人物の心理に寄り添ってみてください。「自分だったら、こう考える」から「この人物なら、どう考えるのだろう」と。そうすれば登場人物に個性が生まれ、作品としてもより鮮やかになると思います。以上になります。今後の創作活動の一助となれば幸いです。
作者からの返信
隅から隅まで読んで頂けたからこそ書ける批評、ありがとうございます!描写不足。単純に文章力の未熟さからくるものだと思うので、書くことはもちろん、色々な小説を読んで磨いていきたいと思います。時間と労力をかけて私の作品を分析して頂けて、感謝しております!ありがとうございました!
初めまして。
この度は『自作品への意見や提案がほしい方へ』企画にご参加いただき、ありがとうございました。主催者の島流しにされた男爵イモです。
一万字ほど拝読したので批評に入っていきます。まずは良かった点から。
ここまで読んだ限り、文章は読みやすかったです。難解な単語や持って回ったような表現は登場せず、淡々と文章が並べられていました。小学生や、あまり読書をしない人でも取っ付きやすい作品だと思います。主人公の思考は一般人寄りかと思いきや狂気の色が強く、適度に意外性があったのは評価できる部分でした。
一方で気になった点は二つほどありました。
一つは描写不足。前述したように文章は読みやすいですが、小説の域には達していません。どちらかというと日記や作文に近いです。その理由が描写不足。なにが起こったか、どう思ったのか。それを状況報告で済まさず、想像させるのが小説です。たとえば「木があった」というのではなく、「太い根を地に張り巡らせた大樹が、俺を見下ろしていた。枝葉は風に騒めき、言葉なくとも明確な敵意を向けてくる」と。これだけで状況の他、雰囲気や人物の心情も想像させることができます。小説は文章表現が売りです。平易な表現も当然必要ですが、そればかりでは面白味は生まれません。
二つ目は人物の薄さ。これは描写不足に起因していると考えられます。現状では、どの人物も人間味があまり感じ取れませんでした。どことなく不自然で、台詞も「喋らされている」という印象が否めません。人物の動かし方を、人形劇で考えてみてください。上手な小説の場合、操者は裏で糸を巧みに操って壇上で人形を躍らせています。対して本作の場合は、壇上で人形を抱えた操者が踊っているイメージです。新鮮さはあっても、観客の望むものではありません。まずは人物の心理に寄り添ってみてください。「自分だったら、こう考える」から「この人物なら、どう考えるのだろう」と。そうすれば登場人物に個性が生まれ、作品としてもより鮮やかになると思います。
以上になります。
今後の創作活動の一助となれば幸いです。
作者からの返信
隅から隅まで読んで頂けたからこそ書ける批評、ありがとうございます!
描写不足。
単純に文章力の未熟さからくるものだと思うので、書くことはもちろん、色々な小説を読んで磨いていきたいと思います。
時間と労力をかけて私の作品を分析して頂けて、感謝しております!
ありがとうございました!