第7話
しばらく歩くと木製の壁と藁の屋根でできた家に着く。
ここがガリルの家であり、今日からお世話になる家だ。
「今帰ったぞ」
「ただいま」
「おかえりなさい、あら?あらあらあら」
扉を開けると胸の大きな女性が出迎えてくれた。
この人がガリルの奥さんジャトだろう。
それにしてもでっかい胸だな、いったい何カップあるんだ?巨乳をスイカで例えることはあるが、実際にスイカ並みの大きさを目の当たりにすると、下心より感動の方が勝るな。
ジャトの胸に感動していると、いつのまにか近づいてきたジャトに抱き寄せられた。
あ、あの息ができないんですけど!?
「可愛い!ガリル、どうしたのこの子?家で引き取るの?それがいいわそうしましょ」
「母さん、ユウが苦しそうだから離してあげて」
「あら、ごめんなさい。私ったらつい」
「ぷは!し、死ぬかと思った....」
危うく2度目の人生を人妻の胸の中で終えるかと思った。
男としては巨乳に圧死されるのもやぶさかではないが、異世界生活2日目でそれは勘弁願いたい。
俺はそっと抱擁から抜け出そうとしたが、それを察知したジャトが腕の力を強める。
「えっと、離してもらえませんか?」
「い〜や〜だ〜、離さないも〜ん」
「ガリルさ〜ん」
「その、しばらくすれば気が済むだろうから我慢してやってくれ」
「そんな....ジル、助けて〜」
「助けたいのは山々だけど、僕にはちょっと荷が重かな」
「そ、そんな」
ここに俺の味方はいなかった。
「ユウちゃんっていうのね、私はジャトよ。さっそくだけどお着替えしましょ」
「それはちょっと....」
ジャトが可愛い物好きという情報はすでに聞き及んでいる。となると今から着替えさせられる服も女の子向けのひらひらした服に違いない。
自分の裸ですら見る勇気はないというのに、その上着せ替え人形にされてはたまったもんじゃない。
「それじゃ私はユウちゃんをおめかししてくるから、2人は汚れを落としてから家に入ってね」
「あいよ」
「はーい」
「ユウちゃんはこっちね〜」
「え、あっ、ちょっとまって」
俺の静止の声は完全に無視されてそのまま家の中に連行された。
〜数分後〜
俺はワンピース姿にピンクのリボン、そしてリボンの色に合わせたローヒールを履いた姿で食卓に座らされていた。
ちなみに下着も強制着用させられたため、この体の全裸姿も目の当たりにしまった。
なんというか、幼い見た目でありながら色白美人な魅力を放つ今世の体は、無性にいけない気持ちにさせられた。
ジャトも少々危ない目をしていたが、それが可愛い物好きからくるものなのか、この体の魅力に当てられたものなのかは謎だ。
「いっぱい食べて良いからね〜」
「はい」
足元の防御力が少々心許ないのを我慢しつつ、テーブルに並べられた夕食に舌鼓を打つ。
メインディッシュは野菜がゴロゴロ入ったスープで、申し訳程度にちょっとだけ肉が入っている。
そのスープに硬いパンを浸して食べるのが一般的な食事風景らしい。
パンを手にした時は石のような硬さにびっくりした。
「それじゃ今日からユウちゃんは家の子になるってことね」
「ああ、ユウちゃんの面倒はジルに見させる。ジャトは、まぁ言わなくてもするだろうが、男じゃできないことは手伝ってやってくれ」
「ええ、もちろん。なんなら最初っから私が面倒見ても良いのよ?」
「それはダメだ、ジルが自分から言い出した以上、その責任は本人に取らせる」
「そう、わかったわ。これからよろしくねユウちゃん」
「困ったことがあったらなんでも言ってねユウ」
「はい、よろしくお願いします」
こうして俺はガリルとジャトの娘として迎え入れられることとなった。
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