後編

 お義兄様がフィリス嬢を虐げていたという馬鹿げた冤罪を否定するには、偽証を覆すものが必要だ。

 まず私は裏切り者の使用人を特定することから始める。金に目が眩み、フィリス嬢に命じられて嘘を吐いたのであろう使用人たち。しかし彼ら彼女らの偽証は匿名の内部告発という形にされていたようだった。


「そのまま働き続けられると思っていたら大間違いです」


 父はその他の執務に追われ、使用人の解雇まで手が回らないらしい。

 そんな情けない父に代わって私が、主人とその一家の信用を損なわせたその報いを正しく受けさせるのだ。


 父にはやや強引に話を通し、私がお義兄様に代わって後継ぎになること、その支えのためにお義兄様を私の婿にすることを認めさせた。

 お義兄様との婚約発表はお義兄様の無実を証明してからと決まったので、急がねばならない。父から使用人たちを調べる許可を得れば早速行動開始だ。


 まずは使用人たちの会話に聞き耳を立てる。

 特に厨房などは溜まり場で、料理メイドやら掃除メイド、執事などが入れ替わり立ち替わりやって来ては色々な情報を落としてくれた。


「見て見て? このイヤリング、この間いただいたフィリス様からのご褒美・・・で買ったの」

「いいなぁ。私もフィリス様に声をかけられたら良かったのに」

「王宮で働けるようになったらもっと給料上がって贅沢できるのにな」

「嫌よねぇここの職場。早く王宮に転職したい……」


 使用人同士でも大っぴらに会話することはないものの、二、三人などの少人数で雑談をしている際に話題に登ることが多かった。

 うちで働いている使用人は約五十。そのうち、フィリス嬢と確実に関わりを持っていると確認できたのは十人以上、不正な内部告発があったことを把握し黙認しているのがさらに十人ほどいるのは確実だ。


「ここまで絞れれば大丈夫でしょう」


 ぼそりと呟き、父の執務室へ。

 そこから父を引っ張り出してきた。


「隠れて見ておいてください。これから私が使用人に全てを吐かせます」


「シエラ、乱暴なことだけはするなよ」


「……静かに」


 そう言い残して、私は厨房へ突撃。

 ちょうどフィリス嬢関連のことを話していた使用人三人が、ギョッとしてこちらを見つめた。


「シエラお嬢様!? どうしてここに――」


「全て聞かせてもらいましたよ、あなたたち。

 金と地位を約束されて目が眩み、お義兄様の良さがわからない愚かな女に傾ぐなど、我がロブソン侯爵家の使用人として許されることではありません」


 静かな声音で、鋭い言葉の刃を向ける。

 蒼白になった使用人たちは、「ご、誤解です……」と蒼白な顔で呟いたり、「お聞きになっていたんですか!?」と悲鳴のような声を上げるなどしている。その声で他の使用人が厨房へ集まってきた。


 ちょうどいい具合に裏切り者たちが全員揃った。

 そのことに内心満足しながら、私は喋り続ける。


「あなたたちがお義兄様を貶めたせいで、次期侯爵は私となりました。そのことはあなたたちも知っているでしょう。父から許可はいただいておりますので、私があなたたちに処罰を下すことができます。

 虚偽の証言をした者には主に逆らったとして極刑を、それを見て見ぬふりをしていた者には職務怠慢による罰金刑を。……ですが」


「ひぃっ!


 にっこり笑って見せたせいか、使用人の一人が悲鳴を漏らして腰を抜かしてしまう。

 その滑稽さに私は口元の笑みをさらに深めた。


「今この場所で、私の問いに正直に答えるなら罪は軽くなることでしょう。救われたくば私に話しなさい。それでも黙っていたり虚偽の答弁をしようなど企んだ者には一切の容赦はしませんので、そのつもりで」


 ここは厨房。脅しに使えるものはいくらでもある。

 近くにあった肉切り包丁を手に取れば、一気に空気が張り詰めた。


 皆、私が本気だということにようやく気がついたらしい。


 ある者は震えながら、ある者は悔し涙をこぼし、ある者は目を白黒させながら、皆命乞いをし始める。

 しかし当然私は命乞いを求めているというわけではない。フィリス嬢の協力者または協力者がいたことを知っていた人物を徹底的に問い詰め、彼らか彼女らの心をへし折っていく。

 そのあと紙を手渡して、今までの行いの全てを直筆で書かせた。


 ――数時間後、全てが終わった時、この屋敷の使用人の七割がこの件に関わっていることが判明していた。

 七割。七割だ。これだけ忠誠心が低い使用人ばかりなのかと反吐が出そうだった。


「お父様。最後の沙汰を下してやってください」


「――わかった」


 それまで息を殺していたロブソン侯爵の登場に、使用人一同のどよめきが走る。

 もしかするとこの場を切り抜け、ロブソン侯爵に言い訳をすればどうにかなると思っていたのかも知れない。そうだとすれば本当に愚かで哀れだ。


「お前たち。私の名において、我が家の名を穢した全員に紹介状なしの解雇を告げる。直ちにこの屋敷を立ち去れ」


 紹介状なしの解雇。それは実質、次の職を探すのは難しい。

 主がとんでもない非道な人物でない限り、前の職場で問題を起こしたことは明らか。そんな人物を雇おうなどと思う者はいないからだ。


 けれど、紹介状なしの解雇の沙汰を下しても、誰も反論する者はいない。

 皆命が惜しいとばかりに、そそくさと屋敷から飛び出して行った。


 これで使用人との決着はついた。次は彼らが書き残した紙を片手に、主犯たちに挨拶へ行くのみ。

 私はいそいそと準備を始めた。




 柔らかな日差しが降り注ぐ王宮の庭園にて、戯れる二人の人物の姿があった。

 片方は白髪の美青年。もう片方は金髪の少女。少女は美青年の膝の上に乗せられ、チュッチュと口付けられている。


 そこに割り込むのは無粋だろうか。――きっと無粋に違いない。

 しかしそんなことに構うものかと、私は庭園の中へと足を踏み入れる。


「ごきげんよう、お二方。ずいぶんお熱いことで。素敵なことだと思いますよ、愛し合う二人が甘い時間を過ごすことは」


 ようやく私の存在に気づいたらしい彼ら――第二王子殿下とフィリス嬢が、驚いたように顔を上げた。


「誰だ!?」


「申し遅れました。私、シエラ・ロブソンと申します」


 ドレスの裾をつまみ、恭しく頭を下げる。

 形だけでも王族への敬いの姿勢は示しておかないといけない。


「ど、どうしてここに……」


「フィリス・メアディ嬢。この度はあなたと、そして第二王子殿下とお話ししたいことがあり、訪れた次第です」


「話したいこと、ですの?」


 怯えるようにこちらを見つめながらも、その瞳は語っていた。

 今更何をしに来たのかと。わたしは第二王子殿下の寵愛を一身に受けているのだと。


 果たして最後に笑うのは私なのか彼女なのか。

 その目で耳で体で確かめてみればいいと私は思った。


「ここで話すのもなんですから、中へ入りましょう」


「どうして悪役令息の妹などを――」


「国王陛下とは事前にお会いする旨のお話はいたしておりました。国王陛下から、このことをお伝えいただいたはずなのですが?」


 第二王子殿下だけなら、あの夜会の時のようにろくにこちらの言い分を聞かないに違いない。

 だから頼れる人物、国王陛下に同席いただくのが重要だった。だから私は、手紙を書いて、いつの日程ならいいかの調整などをしていた。

 それにしても突然訪問するのは悪いので、関係者に知らせてもらうよう言っておいた。しかしそれがうまく伝達していないということはおそらく、第二王子殿下がろくに話を聞いていなかったということだろう。


 第二王子殿下は気まずさと怒りが入り混じったような表情で、「ついてこい」とフィリス嬢を伴って城の中へ。

 私はその後に続いた。


 向かった先は謁見の間。そこで国王陛下は私たちを待っていた。


「ロブソン侯爵家の娘よ。そなたは我々に何を語る?」


「お義兄様――ニコラス・ロブソンの件に関してお話しさせていただきたく」


 場が静まり返る。第二王子殿下は苦々しい顔で私を睨みつけ、フィリス嬢は先ほどとは打って変わって少し不安げだった。

 まさか国王陛下まで同席することになるとは思っていなかったのだろう。国王陛下の前でうっかり口を滑らせれば、彼女は詰む。


 もちろんそうでなくても詰むのだけれど。


「フィリス嬢はお義兄様に長年虐げられていたとおっしゃいますが、私はどうにも腑に落ちず、調べて見たのです。するとどうでしょう、使用人の多くがフィリス嬢にご褒美・・・をいただいたと証言するではありませんか」


「――――」


「もし使用人たちのそれが偽証であれば、お義兄様を断罪したあの夜会にて第二王子殿下がおっしゃったことはロブソン侯爵家への侮辱と見做されることになります」


「そちらこそ俺たちを侮辱しているであろうが!」


 早速声を荒げたのは、やはり第二王子殿下だった。


「ではこちらの紙をご覧ください。一枚は全て使用人たち……いいえ、今は解雇したので元使用人たちの直筆で彼らにとっての真実が記されたもの。そしてもう一つは、あの夜会のひと月ほど前に不自然に増えた使用人の金の使い込みに関する文書です」


 一枚目の紙は、いまいち証拠として薄い。

 しかしそれを裏付けるのが侯爵家の購入履歴。給与は増えていないのに、急に宝石等を購入する額が増えたことがそこには明確に記されていた。


 怪しまれないよう侯爵家の金と偽って買っていたらしいが、それは誤魔化しに過ぎず、少し調べたらすぐにわかることだ。


「そんなの、偽造文書かも知れないだろう」


「偽造文書ですか。それなら夜会の時、お義兄様へ向かって突きつけたあれは、どうして偽造でないと言い切れるのでしょう。あの匿名の内部告発とフィリス嬢の言葉だけで、どうして彼女が被害者になり得るのでしょう? 国王陛下は、どう思われますか」


 国王陛下に目を向ければ、息子に対し厳しい視線を向けていた。


「お前、そのようなことをしておったのか。ロブソン侯爵令息に責があるのは明白と、余にはそう報告したな。それは虚偽であったのか?」


「違います。そうではなく、ただ」


 フィリス嬢を救いたかっただけ、なのだろう。

 実はフィリス嬢はお義兄様に優しくされてたことなど知りもせぬままに。


「――フィリス嬢、これは一体どういうことなのかお答えいただけますか。あなたは第二王子妃になるため、お義兄様を貶め、悪役に仕立て上げた。違いますか?」


「いいえ。わたしはただ、ニコラス様に謝っていただきたかっただけですわ」


「謝罪してほしいなら、ロブソン侯爵である父に頼んでそのような機会を設ければ良かっただけのこと。わざわざ王子殿下に頼りあのような公衆の面前で貶めた、その理由は一体何なのです?」


「ああでもしないと言い逃れされると思いましたの。そうなってしまえばきっと侯爵家の力で揉み消され、ニコラス様こそが正しいことになってしまいますわ!」


「あなたが受けた被害が本当であれば、しっかりとロブソン侯爵家を調べ尽くせば証拠はたくさん上がるはずですよね。しかし嘘なら、匿名の内部告発で罪をでっち上げた程度ではボロが出てしまいます。ですから皆にとって衝撃的な婚約破棄宣言という形をとった、違いますか?」


 図星だったのだろう。フィリス嬢は目を泳がせ、黙り込んでしまった。

 本当にこの女はずるい。絶対に許してなんてやるものかと睨みつける。


「お義兄様――ニコラス・ロブソン侯爵令息と結ばれていた婚約という契約を違え、嘘によって貶めたその罪は重いですよ」


 ロブソン侯爵家が資金援助をおこなったことで息を吹き返したメアディ伯爵家は、さらなる高望みをしたのだろう。

 フィリス嬢を侯爵家の夫人にしておくのはもったいない。どうせなら王家に嫁がせてしまえばいいのではないかと。

 そこで出会ったのが第二王子殿下。ありもしない悲しい境遇――お義兄様に虐げられているという嘘で同情を買い、手玉に取って第二王子殿下の婚約者の座に収まった。


 それでハッピーエンドだとでも思っていたのだろう。でもそうはならない。ならせてやらない。


「容姿はもちろん、天から降ってきたのかと思うほどの美しいお声も、その紳士的で遠回しな優しさも全て全て全て全てが完璧過ぎて尊いお義兄様を貶めておきながら幸せになるなど、この私が許しません。お義兄様の心を傷つけ苦しめたというこの世で最も重い罪を犯したのです、謝罪すべくはどちらなのかよく考えてみてはいかがでしょうか、フィリス嬢?」


「……あ、あなたは勘違いしているのです、シエラ嬢。ニコラス様はそんなに素敵な方じゃ」


「これ以上お義兄様を侮辱するんですか? そんなに殺し合いをなさりたいのであれば受けて立ちますが」


 本当に私が殺気を放っているのがわかったのか、フィリス嬢は震え上がり、涙を目に溜めて「怖いですわぁ」と第二王子殿下に縋りつく。

 しかし第二王子殿下はフィリス嬢より私の言葉を信じてしまったようで――。


「フィリス、お前俺に嘘を吐いていたのか! ふざけおって」


「殿下……? まさか、シエラ嬢のおっしゃることが本当だと? 嘘ですわよね?」


「悔しいが、彼女の言い分は聞けば聞くほど正しく聞こえる。それに元々変だとは思っていたんだ! 暴力を振るわれた割には痕跡がほんの少ししか見当たらなかった。あれはもしやわざと作ったものではないのか!?」


「そんなっ。殿下、信じてくださいませ!」


「お前との出会いはそもそも運命でもなんでもなかったのか、畜生、騙された!」


「殿下、愛を囁いてくださったのは嘘なのですか。幸せにしてやるって、言ってくれたのに……!! どうして? どうしてわたしは幸せになれないんですの? 不本意な婚約から解放されて、殿下に大切にされて、全部うまくいくはずだった! わたしの計画は成功して、なのにっ」


 第二王子殿下が怒鳴られ、すすり泣くフィリス嬢は、鬼のような形相で私を見上げる。

 そして、吠えた。


「わたしを追い詰めたところでどうせニコラスは悪役令息で壁のシミですわよ!! あんな男、誰に好かれるはずもないじゃない! 『氷の貴公子』!? バッカじゃありませんの。少し顔がいいくらいで調子に乗っているだけのくせに。どうせ婚約者もできないままに独りでのたれ死ぬんでしょうそうに決まっていますわ!」


 とんでもない罵倒だ。しかし今度は怒りが湧き上がることはなかった。

 だってただのくだらない負け惜しみだったから。


「私のお義兄様は悪役令息ですが、私がお婿さんにするので何も問題ありません」


「婿……!?」


「泣きじゃくるだけで反省を見せないあなたに、詳しく説明しては差し上げませんよ」


 あとは勝手に転落していけばいい。


 可愛い顔をして醜悪としか呼べない思考を持ち、それによってお義兄様を貶めたフィリス嬢も、今更恋から覚めた第二王子殿下も同罪だ。

 この二人はまとめて裁かれることになるだろう。


「――話はわかった。精査が必要ではあるが、おそらくメアディ伯爵令嬢の訴えが虚偽であろうことは明白だ。

 愚息がロブソン侯爵家へ損害を与えたことには違いあるまい。ロブソン侯爵家には慰謝料を支払い、愚息には相応の罰を与えるとする。ロブソン侯爵令嬢、不満はあるか」


「いいえ、ございません。ですがあえて申し上げるとすれば、ニコラス・ロブソンの名誉の回復にご助力くださると嬉しく思います」


 国王陛下は大きく頷いてくださった。陛下は話が通じる方で良かったと安心する。

 第二王子殿下とフィリス嬢の沙汰がどうなろうが、これでお義兄様を幸せにする第一歩は踏み出せた。


 私は思わず笑顔になった。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆



「やっと婚約ですね、お義兄様!」


「貴女はもう僕の義妹ではないだろう」


「ああ、確かにそうですね。じゃあどうしましょうか? うーん、じゃあニコラスで。ニコラス、ニコラス、ニコラス。口にすればするほどいい響きでうっとりしてしまいます」


 王宮でフィリス嬢と第二王子殿下とやり合った数日後のこと。


 条件を達成した私は、晴れてお義兄様――改めニコラスとの婚約に漕ぎ着けることができた。

 彼はすでにロブソン侯爵家から籍を抜き、今だけ元の姓になっている。婚姻すれば再びニコラス・ロブソンになるというわけだった。


 一目惚れした時にはまさかニコラスの隣に立てるだなんて思ってもみなかった。

 これからはもう義兄妹ではなく婚約者同士なのだ。そう思うとどうしようもなく浮かれ上がってしまう。笑顔が溢れた。


「ニコラス、キスしてもいいですか?」


「ダメだろう。婚前の男女がしていいことではない」


「うーん、確かに。じゃあ手を繋いでください!」


 こくりと首を縦に振って、ニコラスは躊躇いがちに私の手を取ってくれる。

 『氷の貴公子』と呼ばれるだけあって少しも照れた様子はなく、無表情。しかし彼の手はあたたかく、その感触を味わっているだけで夢心地になれた。


「本当に貴女は僕に好意を抱いているんだな。第二王子殿下とその婚約者にやり返すなんて、普通そう簡単にできることではないだろう」


「好きな人のためなら何でもやれるのは当たり前です。初めて出会った時に一目惚れして、それから何度も何度も惚れ直してきたくらいなんですよ?」


「……知らなかった」


 知らなくて当然だ。今までずっと隠してきたのだから。

 しかしもうその必要はない。存分にニコラスを愛そうと決めていた。


 こんなに素敵な方をお婿さんにできるなんて、私は幸せ者だと思う。

 国王陛下は第二王子殿下には王位継承権剥奪、フィリス嬢にはメアディ家との絶交という形で処罰を下し、約束通りニコラスの名誉に関することを気遣ってくださっているようなので、今すぐとはいかずともそのうち悪役令息呼びは無くなると思う。


 ニコラスを悪役令息だと嘲笑った大勢の令嬢たちを許すことは一生ないが、ニコラスが二度と悪意を向けられることがなくなるならそれでいい。

 むしろ、ニコラスが令嬢たちに変に絡まれたり囲まれたりすることをこの先しばらく心配しないでいいので都合が良いくらいだった。


「これから一緒に二人で頑張っていきましょう、ニコラス」


「そうだな」


「ふふっ、まずは次期領主としての勉強を教えてくださいね。そしてその隙間時間にいっぱいデートをしましょう。それから……」


 ぺちゃくちゃと喋り続ける私を、すぐ隣でニコラスが見つめてくれている。

 そのことが私は嬉しくてたまらなかった。

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私のお義兄様は悪役令息ですが、私がお婿さんにするので問題ありません 柴野 @yabukawayuzu

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