第17話
17ヒルツ大尉西へ17マカオの夜は更けて
辺りは閃光に支配された、小早川は刹那に眼を閉じ戦闘を続けている。
別に打ち合わせなどはしていない、小早川が瞬時に対応しただけだ。
もはやさっぱりわからない。
こういうカマシが心理的優位に立つためだとしても意味がなさすぎる。
残存する敵に襲い掛かるププププップッ金歯のかぶせを弾くポン!ポン!ポン!威力は弱いが急所に当たれば倒せる小型爆弾。
「紅蓮炸裂拳!」おもいくそテレフォンパンチ、ドバーン!「電撃ネットワーク」で黒焦げ。「紅蓮真空蹴り」膝蹴りドフッ「紅蓮旋風脚」チュド~ン!飛び上がり回し蹴り、当てる方がおかしい。しかも何か言ってるし
今度はセオリ―無視の攻撃に小早川があきれる。今もバックドロップしてる。
両者サソリ兵器を存分に使い改造人間達を始末した。残りはすべて逃げに掛かる。
小早川はアジトに突入敵ボスを抑えに行った。打ち合わせ通り幹部は始末し、ボス不在なら上級幹部一人半殺しにして泳がす。逃げ込んだところを潰し、また一人泳がす。既にトンヅラしていたら、逃げた子分に飛ばした発信機を手繰る。これで敵の関連をあぶりだす。
百八龍式作戦。サディストヒルツが大好きな索敵方法である。
小早川が残したバックから、圧縮した「着替え」を着けながらジャック・デンプシーの所へ行く。
「ようジャック、今日は日当以上働かせちまったな」
「お人が悪い、私など必要なかったでしょうに。」
敵の銃弾で衣服や合成皮ふがぼろぼろになっている。
「今日の残業分と会社に払った前金、日当と、約束のボーナスの3倍払っとくぜ。それで化粧直ししてバカンスでもいきな、で、もっと男前にしなよ」
「クレジット」からカードを引き抜きジャックに投げる
「こいつは俺の上役の口座だ、絶対に足はつかない。これでお前も兇状持ちだ、すまない。お次の就職先に困るようなら紹介するぜ?」
「ご配慮ありがとうございます。しかし、就職のお申し出はお断りさせていただきます」
「あんた長生きするぜ」
「こっちは「残業」片付けて「バカンス」を続ける、世話になったな」
「では、よいご旅行を」脱兎。
ハッ!最後に口だけ笑いやがった。プロは話が早いね―こうでなくちゃ。
ヒルツ大尉は小早川の追跡に掛かった。
その閃光から現れたのは偽装を解いた、ただのヒルツだった。
頭上には青白い火の粉を従えた衛星が夜空を切り裂きながら落ちていく。
アンゴルモアの大王は一瞥もせず、背中にその青い炎を背負い走り出した。
https://www.youtube.com/watch?v=G_cGirMGuLk
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