第12話

12ヒルツ大尉西へ・12サソリ


「いい人連れてらっしゃるじゃない?ケルベロスちゃん。」

小早川「?????」

「あんたの指令通りだぜ?”男色にふけっている”だろ?」

「ケルベロスのヒルツ。貴方はいつも私の予測を少し超えるわ。あたしの可愛い番犬ちゃん」


小早川ますます「?????」

小早川に作戦内容はまったく知らされていなかった

「ヒルツの指示を忠実に遂行せよ。死ねと言われたら死ね」とヒクツ大佐に指令を受けていただけだった(嗚呼、軍人の鑑!漢小早川!)

「紹介するぜシャロン。このお方がサソリ大佐殿だ。名前ぐらい知ってるだろ?」ヒルツが底意地の悪い笑みを口元だけに浮かべた。眼は笑っていない。

小早川は知らない。初めて聞く名前だった。無理もない

諜報機関「霜月」エージェントの中で、「サソリ」の名を知る者は数名、実際に逢ったことのあるのは、ヒルツとヒクツ大佐だけである。本名を知っている者は果たしているのだろうか?はなはだ疑問である。

サソリがどこから来て、どこへ行くのか誰も知らない。と思う。

果たして本当に女なのか?あるいは男なのか?

戦中、ヒルツが手柄を立てられたのは半分、サソリの戦働きのおかげだった。

ヒルツが仮眠を取っているとき、その傍らに陽炎のように現れ、難解な例え話をして煙のように消える。

ヒルツは持ち前の野生の勘でそれを追いかける。すると敵の背後にいることが出来た。

こいつに比べるとマライヒちゃん(長谷川巌中将)など可愛いもんだ

絶対に敵に回したくない。そして大嫌いだ。

ヒルツのプライドをズタズタにする恩人。サソリの情報で作戦が成功する度

ヒルツのストレスはピークに達し、例のウンコ祭りが開催される。

サソリの動向は末端の兵士まで迷惑が及ぶ。いや、やはりヒルツのほうがアホなのだ。

「あんた、何時から「ダウンタウンの染み」になってたんだい?」

この二人に形式的な上下関係など関係ない。

「ふふふ、2ヶ月ぐらいかしら?目立ちたがり屋さんをお出迎えするにはそれぐらいかかるのよ?あなたがくれたお金、お小遣いが足りなくなっていたから、助かったわ」

小早川は驚愕した。あのダウンタウンでうずくまっていた男、いくら偽装技術が発達している今日でも、アレは無い!ありえない!しかも2ヶ月あそこでうずくまっていたなど考えられない!

「ところで、この部屋のシールは大丈夫?」

「ああ、初日にこいつと徹底的に捜査した。窓には投射フィルム、音声変換装置が俺とシャロンの乳繰り合ってる声と映像を流してる。覗き野朗は大喜びさ」

「ふふふ、愚問だったわね。可愛い坊や」



http://www.youtube.com/watch?v=nNqwmI7Ki-o

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