3回目 5
「この扉は確か」
「うん、開けたら死んだんだよね」
右京がああ、と声を上げた。
「顔認証が通じないものはあらゆる手段を使って殺す仕組みになってるからね」
「怖っ」
颯が扉に触れると扉は小さく電子音を鳴らして開いた。
大量の銃口が出迎える。
右京と颯の顔をスキャンしたのか、連射はされなかった。
「後で君達も顔認証登録するからね」
「アッハイ」
リビングのような所に通された。
よくわからないが色々な所で色々な物が自動で動いている。
「このシステム、凄いです。二人が作ったんですか?」
右京がふっふっふと笑った。
「技術者とプログラマーが揃えば完璧だよね。颯は機械の組み立てができるんだよ」
「天才は格が違うってことか...」
右京は得意げだ。
「入り口は指紋認証でも通れますよ」
「うおっ」
「わっ」
急に喋った。
「颯君って全然喋らない子かと思ったらよくわからないタイミングで喋るから吃驚するよね」
「失礼ですね」
「そこが可愛いんだyぐはっ」
颯が右京の頭をフルスイングで殴った。
「次は手に皮膚毒でも塗りましょうか」
右京がにこにこしている。
「えっと...」
響は若干引いているようだ。
「二人は技術者とプログラマーなのか?」
「そうだね。あ、自己紹介しようよっ」
うきうきしているようだ。
「年齢順で響君からだねっ」
「えっと、九条響です、十六歳です。これくらいしか話せることがないんです」
「なるほど、記憶がない感じね」
「あ、それです」
「じゃあ次庵君行こうか」
「あー…神楽庵です。十八です。俺もここに来る前の記憶飛んでます」
「ふむふむ、颯君どうぞっ」
颯が固まった。
少しの沈黙。
「わ、私もですか?」
「そうだよ」
「は?」
「そうだよ」
「…結城颯です。ここに来る前は工学の研究をしていました」
右京が颯君まだ二十歳なのに凄いんだよーと言った。
「部屋余ってるから案内するよー」
「え、私に自己紹介させておいて自分はスルーですか?」
「あっ」
忘れてた、と言うように右京が振り返った。
「僕は柊右京、元プログラマーだよ。ハッキングもできるよ。ここでは殆ど使えないけどね」
「ってことは、顔認証システムとか作ったのは右京さんなんですか?」
「そうだよー。あ、でも機械を作ったのは颯君だよ」
部屋に案内された。
ベッドと机が2つずつ。
武器の入った木箱が1つ。
「同じ部屋にしたのは、一人に何かあったら僕達に伝えられるように、だよ」
右京と颯の部屋の場所も教えられた。
ついでに颯の作業部屋も。
「まあ、これからよろしくねっ」
「はぁい」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます