3回目 4
俺は殺人犯だ。7人殺した。
そう言われて、何故だかとても納得した。
座っていたベッドに近づいてきた颯に銃を渡された。
銃は直ぐに手に馴染んだ。
ずっと前から使っていたみたいだった。
「これで、ゲーム開始ってとこかな」
右京の声と共にドアが破られ、犬のような化け物が襲ってくる。
刀を持った響が首を刎ねる。
同時に俺の銃弾が化け物の心臓に命中した。
響は躊躇いも後悔もない無表情で立っている。
きっと自分も同じような顔をしているだろう。
「ねえ、君達はこれからどうしたい?僕達と一緒に来る?」
「そうするつもりだ」
「俺もそうしたいな」
右京が嬉しそうに笑った。
「じゃあ、ついておいでよ」
右京が歩き出した。
点滴台を掴んだ。
「あ、そうだ」
右京が気付いたように声を上げた。
颯が俺達の腕を掴み、注射をする。
「僕達の体内には毒が入れられていたんだ。点滴は毒の動きを遅くするだけでいずれ死ぬから、颯が解毒薬を作ってくれたんだよ」
「ありがとう」
響は素直に礼を言った。
俺もそれに従った。
「どうして毒を入れたんだろうか」
「毒が完全に回って死ぬまでにどうやって脱出するか調べよう、みたいな狂科学者でもいたんじゃない?」
まあ、颯を病院に入れた時点で計画はもう失敗してるけどね、と言って笑った。
「そろそろ着くよ」
前を歩く二人は、鉄のドアの前で立ち止まった。
――――――――――――――――――――――――
《結城 颯》
元科学者の男性、20才。
身長が高い。
髪色は紺色、目は黒色。
病院で目覚めた時は黒髪だったが右京におふざけで染められたらしい。
カルテの数字は35。
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