第2話 HIRO37(ヒーローサーティセブン)
(あたなは特別なHIROに選ばれました)
(様々なHIRO特典によりあなたの正義を行使できます)
ウリカちゃんが無機質な声で淡々と説明する。
「HIRO特典?」
(YES、普通のHIROではなく特別なHIROになれます)
普通のHIROってどんなんだよ?
HIROって元々特別だろ?
「ちなみにお断りさせて頂くことは?」
(HIROシークエンスとはこの星の乱れを特殊な能力で正して行く存在)
す、スルーだと?
「いやーそんな大事な役割、37のおっさんには難しいですよ~」
(ちなみにHIROにならなかった場合、インストールしたプログラムが行き場を失いHIROになる事で得られるエネルギーが得られずあなたの肉体からそのエネルギーを得ようとする為に干からびてしまいます)
「んな!?」
干からびるってこの事かよ?
そんな危ないもん人に入れる前に本人に確認取れやー!
(ではHIROになるにあたり、注意事項をUPします)
容赦なく脳裏に文章が浮かんで来た。
1・あなたはHIROです
2・あなたの正しいと思う事に能力を行使できます
3・能力は自身でどのような能力か確認する必要があります
4・その能力で行った事について企画者は一切の責任を負いません
5・あなたがHIROで有る事が他の人に知られた場合には
HIROの能力を失います
6・HIRO同士においてはその限りではありません
7・他のHIROの情報をHIRO以外に漏らした場合には漏らした本人は
HIROの能力を失い、漏らした本人とそれを聞いた人の関係する
HIROの記録削除がなされます
8 ・このHIRO計画において活動した内容はそれに関わった者のみ
認識されます
9 ・このHIRO計画が一定の目的を達成した時、その時点で存在している
HIROは一般社会に認知されます
10 ・そして目的に大きく関わったHIROは
与えられます
11 ・HIRO計画中のまたその後においても参加者の状況について企画者は
一切の責任を負いません
12 ・企画者はこの世界への直接的な干渉はできません
13 ・計画中に全てのHIROが存在しなくなった場合は計画は白紙に戻り
企画者もこの世界より存在しなくなります
14 ・HIROは自身が正しいと思う事以外に能力を行使した場合その時に
使用した能力を失います
15 ・HIROが全ての能力を失った場合はHIROの資格を失いHIROに
関する記憶も削除されます
EX・HIROの能力を
…
これを見る限りHIROと言っても絶対的な存在ではないようだ。
そもそも自分の正しいと思うことって…曖昧過ぎる。他人が正しく無いと思う事でもHIROが正しいと思えば能力を使えるわけだ。
もしあらゆる悪の行いを正しいと思うやつがいたらそれでも能力を使える…
そんなやつが居たらあれか… DRAK HIRO ってやつか…
そしてお互いが正しいと思っていれば…それはHIRO同士で能力を使う事ができる、つまり戦う事もできるという事。
他わからない事が多々あるが最後のEXって、これが特別な能力なのか?
確かに他のHIROの能力がわかれば色々と対応もできるだろうからな。なかなかの特典だ。
最大の謎は、この企画者というやつの目的だ。
おそらく
(以上がHIROの説明になります)
「おう、ありがとうウリカちゃん!」
(なぜ私の名前を!?)
あ、しまった…
「ほら…さっき
(あの会話を聞いていたと?)
「うん、まあ…」
(あの禿げ呼ばわりも?)
「え?ああ、たしかに言ってたね」
気にするとこそこ?
(ふー、ちょっとお待ちください)
(ブッ!…)
またなにやらゴトゴトする音が頭に響いた。
(
(えーそれ君のミスじゃない?)
(違うますよ!私はちゃんと音声は遮断してますよ、ほら!)
いや… ばっちり聞こえてますけどね。
(あー、ほんとだねちゃんと切れてるね… これは…)
(まあ、あれだね。仕方がないからウリカちゃん面倒みてあげて…)
(な!いやですよ!おっさんじゃないですか!?)
うーん、ウリカちゃんおっさんはだめか~
(でもね~このまま私らの事知られたままじゃね~そのままって訳にはいかないでしょ?)
(
(いやいや、私がやれないからね?それに禿げって言われしね~)
(うぐ… やはりそれ言いますか…)
(うん、言っちゃうよ~ 禿げだもんね~ ゲーハーだよ。私禿げてないのにね~)
(わ、わかりました!やればいいんでしょやれば!)
おーここで禿げ発言が効いてくるのか。
(ピッ!)
電子音が頭に響く。
(お待たせしました、これからHIROを行ってもらいますがあなたには監視…サポートをお付けします)
「今はっきりと監視って言ったよね?」
(言ってません)
無機質な声でウリカちゃんは断言した。
(あなたは今回特別はHIROとなる為にサポートを付けます)
うん、まあ話も聞こえてたし監視だなこれ。
(サポートには私が担当します)
「あ、はい」
「その・・・よろしくウリカちゃん」
(…)
(よろしくお願いします)
しかし、ウリカちゃん達の会話はしっかり聞こえてたな。
ウリカちゃんは聞こえないように切ったと言ってたし
も、もしかしてこれが能力か?
テレパシーとか?
後で確かめる必要があるな。
「そしたらさ、とりあえず俺はどうしたらいいわけ?」
(あなたが… あなたではあれですので名前でいいですか?)
「あ、ああ。いいよ、俺は
(ええ、知ってます)
ですよね~
(ではヒロ…ではHIROとかぶりますね)
(ひろみ…ちゃん?)
「いや、それはやめて!」
(ではHIROで特別な…)
(決まりました、あなたはHIRO37です!)
今まで無機質な声だったのにその名前の時だけ感情が入ってる!
すごい自身有りなネーミングなのか…
「でもそれって俺の年齢だよね!?辞めようよ年齢だすの!」
(めんどくさいからサーティセブン!で! っで! っで! っで!…)
頭の中でエコーが掛かって聞こえた…
エコー掛けれんのか!?
「というか年齢オンリーかよ!HIROどこ行った!」
(では37、まずやるのは自身の能力の把握です)
「ええ、もうそれで決まりなの?俺の意見ガン無視ですか?」
(ひろみちゃんの方がいいですか?)
「37でおねがいします」
くっそ~、昔から名前では散々弄られて来たからな37だけならなんの事かわからんからそっちの方がましか。
「そういえばHIRO以外の時ってどうすれば?」
(普通にしてください)
「普通?っていうと今までと変わらない?普通に暮らして普通に仕事行く?」
(当たり前です、HIRO以外は普通ですのでちゃんとお仕事行ってください)
「… 世知辛いね」
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