第8話 冒険者ギルド②
「はい、こちらが貴方のギルドカードとなります。素材の買取やその他受付け、お金をお預けになる時などに必要になりますので、無くさない様にお願いしますね」
受付けの女性から渡された青色のカードを見つめる。
「ギルドのランクは8
そして一枚の紙をカウンターに置き、俺の見やすい様に前に置いてくれた。
「ランクは下から、ブルー・レッド・シルバー・ガーネット・ゴールド・クリスタル・プラチナ・ブラックの順番になっています。ちなみにブラックランクに関しては、現在世界で一人しか登録されておりません。なので、実質最高位はプラチナになりますね。それでも13人しかいませんので、そこまで上がるには結構大変です」
冒険者同士の争いにはギルドは基本的に関与しないが、ギルド内での武器使用にはかなり重い罰則がある事。
受けた依頼の未達が4回以上連続であった場合は、ランク降格の罰則がある事。
自分のランク以上の依頼は、2ランク上までなら受けられる事。
覚える必要があるのはこんなもんかな?
「何か質問はありますか?」
「依頼は何処で受ければいいですか?」
「あそこの依頼ボードに朝7時に張り出されますので、ご自分のランクに合った依頼を選んで下さい」
「なるほど」
入口扉の右側に依頼ボードが4枚ほど見える。
今はもうチラホラとしか依頼は見当たらないが…。
「私はシンディと言います。あの‥‥‥、魔力が無くても冒険者は出来ますが、決して無理はしないで下さいね!エンドさん!」
「あ、はい。ありがとうございます」
凄く心配されてるみたいだ。
それからギルドの中を少しうろついてみた。
外から見た感じではそれ程に見えなかったが、予想以上にデカい建物なんだな。
二階へ続く階段も見えるが。最上階がどこまであるかは分からない。
受付けの奥の方には飲み屋か?と思える様な場所まである。
元は35歳の中年サラリーマンとは言え、この世界に来てからまだ7年。
屋敷の外にも数えるほどしか出た記憶の無い俺にしてみれば、やはりこの場所はとても珍しく、それだけで冒険的な場所だった。
さて、そろそろギルドはもう良いだろう。
せっかく街へ来たんだ、ちょっとその辺を廻ってから帰ろう。
(色々と手伝って貰ったし、ニコラウスに土産でも買っていってやろう)
そう思い出口の方へ体を向けた時だった、一瞬、場がザワザワし始めた。
(なんだ?)
何やら大きな声で言い争い?をしている感じだ。
あれは…さっきの受付けの女性。
えっと、シンディさん‥…だったな。
「何故なんだ?僕は勇者だよ?それがどうして駄目なんだ?」
自分の事を『勇者』と言っているその男は、シンディさんに対してかなり威圧的な物言いで怒鳴っていた。
「いくら職業が『勇者』さまであっても、ギルドのランク規定は絶対なんです。現在、レッドランクの貴方のランクではガーネットランクまでの依頼しか受けることは出来ません。申し訳ありません」
丁寧にその理由を言い、シンディさんは綺麗に頭を下げていた。
「納得できない!!そもそも力の強弱がランクの差であるならば、僕のランクはクリスタルかプラチナでも可笑しくはないはずだ!」
「申し訳ありません」
シンディさんは再度、同じように頭を下げた。
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