第5話 ふたたび幼女神②

「それから‥‥‥」


『幼女』の見た目に戻った神は更に話しを続けた。


「ステータスですが、職業『無』は無属性の力、つまりは【属性を持たない全ての魔法、武器】を扱うことが出来る職業です。」

「属性って‥‥火とか、水とかの事?」

「概ねその通りですね。属性には、火・水・風・土・光・闇の六属性があります。これらを扱うには全て妖精の加護エレメンタリティーが必要になります。貴方は無属性ですので火や水そのものを顕現・利用出来ませんが、干渉は可能です」

「ふむ…」


干渉は可能、という事は無属性の魔法を使って水を貯めたり、燃えない様にしたりする事も出来る、ということか?


「では時間や空間の概念は、この世界では属性として扱うのか?」

「ええ、そうですね。実際に貴方が使用している『亜空間収納』や『浮遊』は空間掌握能力の一つになりますよ?ただ、収納にしても浮遊にしても膨大な魔力を必要としますので、出来る人がいたとしてもコストが悪すぎますね」

「そうなのか…」


言われれば確かにそうだ。

父が持っている収納袋には、魔力を溜めておける魔石が付いている。

その魔石が前世で言うところの『電池』の代わりか?


「時間に関しては、亜空間収納の様に閉鎖された空間であれば、ある程度時間操作は可能でしょうね。錬金術で作成された収納袋は、重い物、沢山の物を運ぶには適していますが、時間の流れは停まっていないので、状態保存しておく事は不可能です。しかし、亜空間収納であれば収納された空間は閉鎖されていますので、時間の流れは停めておけますからね。まあ、その分多くの魔力は必要ですが…」


ん?待てよ‥‥‥魔力?幼女神の話しだと俺は魔力を使用している状態ってことになるよな?どういう事だ?


「ステータスでは、俺の魔力は無い筈なんだが?」

「ああ、はい。その事も説明いたしますよ」


ブーンと俺の目の前にステータスが現れる。


「貴方の職業の『無』は無属性使い、だという事は説明しました。魔力の『無』は本当であれば『無限』と表記されるはずなんですが、私がミスしました!」


幼女神はテヘッ!みたいに自分の頭にこぶしを当てているが……。


「つまりはあれか……てめえが神託ミスって、俺の魔力表記が『無』になったと?そうなんだな?」

「てへぺろ♡」

「『てへぺろ♡』じゃねえ!てめえ、魔力が無くてどうやってこの世界で生きてくんだ?ああ?」

「ああ、待って!ち、違うから。せ、説明するから!頭潰れちゃうからぁ!」


俺は幼女神のこめかみ辺りを右手で鷲掴みにしていた。


「ここに加護というのがありますね?これは固有能力パッシブスキルみたいなもので、魔力変換無限の加護を付けてありますので、貴方が普通に魔法を使用する分には問題ありません。ちなみに『加護』の能力はステータスには出ないので誰にもバレる事もありません」

「つまりけど、から問題無い?と…」

「そんな感じですね。普通の魔法使いや神官でも、時間と共に魔力は回復しますが、その回復速度が無限だと思ってくれれば良いです。器が無いから、魔力測定器では魔力無しになるでしょうけど」


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