13 マングローブの怪物
次の日、みんなが水上タクシーでデノス島に到着すると、なぜかジャックは水上タクシーの船長と派手な言い合いになっていた。
「ち、しょうがねえなあ、じゃあ運賃を倍払うからどうだい」
「だめだ、だめだ!命あっての物種だ」
結局水上タクシーを乗り換えて一件落着となったようだった。
「あんたかい?ワニの怪物を撃ちに行くって命知らずは」
「ああ、特別でかいのをな」
「じゃあ、ピッタリだ。俺はモーガン、料金は高いがワニ打ちじゃあ俺の船がこの島で一番だ。最近下流の入り江に、10m以上あるとんでもない怪物が出て、1度船がひっくり返されて3人の行方不明者が出たんだ。観光客の立ち入り禁止の原因の1つになっちまったのさ。怪物をもし倒せば、みんなに感謝されるぜ」
屋っと話のついたジャックは、船のスピードを上げるため、車を港に置いてやっと出港だ。目的地は海岸から、東の森と中央の森の間を流れるライナ川に入り、マングローブ地帯を遡る、そこの先にあるワニの入り江だ。
ジムが島中に仕掛けた監視カメラにも、それらしい影が映っていた。ジャックは直接アヤコから怪物の情報を受信して動いているのだ。もちろん他のメンバーにもアヤコからの情報は言っている、オックスやモビルファクトリーのマルチモニターでは好きな時に好きな情報が引き出せる。もちろんマグナスのシルバーハウンドでは、アヤコが丁寧に教えてくれる。
サミュエルゴードンはまた博士とアレックスをのせてあのコウモリの森を目指して出発した。今度こそあの巨大コウモリを仕留めるつもりらしい。マグナスのシルバーハウンドとバーグマンのモビルファクトリーはマリアンヌや参謀役のジュリアスカーツを乗せて、今日は西の森方面へと出発した。あの七面鳥やハナカマキリの化け物を倒せるとは思わなかったが、攻略法を見つけようというあたりの決意らしい。西の森に向かってヤシの木並木の海岸沿いの道路を走っていく。今日は満ち潮に近い時間帯のためか、海岸からあの巨大なロッククラブが上陸してくる気配もない。カーブのところで右に折れて森の中へと進んでいく。
「森の入り口に着いたぞ。用意はいいかい」
「覚悟はしているけど…。相変わらず静まり返っているわね…」
とりあえず今はあの狂暴な七面鳥軍団は来ていないようだ、ニードルボンドガンを用意してマグナスはアヤコと外に出る。マリアンヌはシルバーハウンドでしばらく待機となる。
「いいか、ニードルボンドガンが1発怪物に命中したら車に帰る。今回の目的はそれだけだ。深追いはするなよ」
ニードルボンドガンの目的は超小型の発信機を、ニードルボンドつまり、針か接着剤で怪物に取り付けることが目的なのだ。前回試しに何回か撃ってみて発信機がうまく作動したのが分かったので、今回は怪物にきちんと発信機を取り付けることにしたのだ。森の木立や鼻に擬態しているハナカマキリの化け物でも、これが取り付てあれば、何m、何cm先にいるのかが正確にわかる。マグナスはニードルボンドガンを構えながら、西の森にそっと足を踏み入れた。
「社長、やはり危険ですから、私が先頭を行きます」
「うん、わかった。アヤコも十分気を付けろよ」
…たしかあのハナカマキリは、姿かたちだけでなく、花の香りも本物によく似ていた。まだこの辺りは花の香りはしないな。マグナスは鼻のがいい方だが、一応アヤコにも確認する。
「どうだい、ハナカマキリの怪物は奥にいるかい」
「匂いセンサーが反応しています。いるようです、でも花の香りはずっと奥のようですね」
マグナスとアヤコはニードルボンドガンを構えなおし、さらに奥へと歩き出した。だが歩き出してすぐにそれは起こった。
「マット!伏せて!」
アヤコの大声が響いた。マットとアヤコが呼ぶときは特別な時だ、マグナスは理由も聞かずとっさにその場に伏せた。その時伏せた頭の上を何か鋭いものが横切った。首筋に小さな痛みが走った。
「うぐっ!」
マグナスはすぐに怪力のアヤコに抱き起され、宙に浮いたままシルバーハウンドまで一瞬で運ばれていた。
「マリアンヌ、マグナスがハナカマキリの怪物に斬りつけられたの。血が出てる、すぐ手当をして」
「はいっ!」
車の外に迎えに出ていたマリアンヌが確かに引き受ける。バーグマンのモビルファクトリーが、緊急の病室になる。マグナスはマリアンヌとバーグマンに担ぎ込まれ、すぐ横になって手当を受ける。
ほんの数秒のことだった。森の入り口の方を振り返ると、木立にそっくりの見たことのないハナカマキリが森から追いかけてきて、そこにいた。花がついていない。オスらしい。派手な色彩も華やかな香りもない、わからなかった。アヤコの声で地面に伏せなかったら、首が持っていかれたかもしれなかった。
ハナカマキリのオスは、マグナスを完全に仕留めようと、どんどん自動車を追いかけてくる。
「サンダーサーベル!」
アヤコがサーベルとシールドを使い、死に物狂いで戦っていた。だがいかんせん、5mの怪物では大きさが違いすぎる。手を伸ばすと3mはありそうな両腕の鎌がうなりを上げる。
ニードルボンドガン!確実にあたったが、カマキリはけろりとしている。追い詰められたアヤコは左手のシールドを空中に投げる。
「ブレードアタック!」
アヤコは右手のサーベルだけでなく、あの鋭い歯の開店するドローンも使って、同時攻撃を始めた。これは有効だった。高速で飛び回るドローンが怪物をかく乱し、その隙を突いてサーベルの電撃が怪物を襲うのだ。
カマキリの大きな鎌が、ドローンを捕まえようと空を切る。そこにアヤコのサーベルが突き刺さる。
「ライトニングボルト!」
バチバチバチッ鋭い電撃が閃き、怪物が悲鳴を上げる。
「キイイイイイイイイイィ!」
だが戦いのさなか、アヤコは森の奥から何かが静かに近づくのを感じていた。
「まずい、巨大な花の香りが近づいてくる…」
そう、あの派手な色彩の悪魔、ハナカマキリのメスが近づいてきたのだ…!
「ま、まずいわ」
マングローブの水位は、満ち潮や引き潮でかなり異なる。ちょっと前までは満ち潮で海から満ちてくる潮の流れに乗って、ジャックたちは快調に河口を遡り、ジャングルの中を進んでいった。ジャックは一番の相棒、ジョーカーを手に持ち、甲板の一番前にすっくと立ち、両岸を流れていく木生シダやヒルギの仲間を、波打つ汽水の水面を淡々と眺めていた。
「おや、ありゃなんだ」
なんと船と並行して巨大な黒い影が悠々と泳いでいた。モーガンが覗き込んで言った。
「でかいなあ、これも怪物化してるぜ。この川の上流でよく見かける、古代魚と言われている肺魚の仲間だな。だが普通は50cmぐらいだよ」
どう見ても3m、いやそれ以上ある。甲冑のような鱗、大きな口に張り出した大きな目、とんでもない怪物だ。怪魚は途中で方向を変えると、一度水面に浮かび上がり、ジャックを睨むようにして泳ぎ去っていった。
やがて船は薄暗いマングローブの本流を外れ、明るく開けた下流の湿地帯にある大きな入り江に入っていく。ここも海の満ち潮引き潮によって水位がかなり上下する。これから徐々に水が引いてくれば、大きな干潟や湿地帯が姿を現す。
渡鳥が姿を現し始めた干潟に降り立ち餌をついばむ。だがさっと逃げる、何と浅瀬にいたワタリガニは2m近くある。それが鋭いハサミを振り上げて近づいてくるのだからたまらない。さらに浅瀬から長い首が伸びて渡り鳥を襲う。
「首の長い恐竜みたいなのがいるのかと思ったら、ありゃ、規格外にでかいが、この辺にいるナガクビガメだな」
カメ?モーガンはそう言ったが、甲羅の大きさはやはり3mはあるようだ。だが、カメの攻撃をギリギリかわした渡り鳥は、草の生えた湿地の方に逃げたと思っていたら、大きな口にパクリと飲み込まれてしまった。
「おお、でかいヒキガエルだ。ありゃ人間の子どもでも危ないぞ」
砂泥に体を半分ほどうずめ、姿を隠し、近づくものを、その太った体で飲み込むのだ。入り江は危険な巨大生物のるつぼだった。こりゃ、10m以上あるワニがいても不思議ではない。
やがて船は速度を落とすと500mはある入り江の奥へと身長に進んでいった。
「監視カメラに映った巨大ワニの映像は確かこの近くだな」
ジムの仕掛けた監視カメラにはこの近くのポイントの前を横切って進む巨大ワニの映像が映っていた。推定するに全長9、8mのイリエワニの巨大型だと思われていた。
「化け物ワニめ、目にものを見せてやる」
ジャックは傍らに愛用のジョーカーや大口径のヘカトンケイル、特殊弾のバルカンなどのライフル銃を並べ、あとは各種センサーのついた自分のアンドロイドアイで入り江の動くもの、動かないものをじいっと見つめ続けていた。
「おや、ありゃ、怪しいな」
左側に大きな岩があるところの、その右側の岸に黒い流木が数本浮かんでいる、あのどれか1本がワニなのかもしれない。ジャックはすぐさまジョーカーですべての流木を撃った。
「チッ、違ったか」
どれも反応はなかった。だがその時だった!
「バウアオオオオオオオー」
突然反対の左側から大きなうなり声が近づいてきた。
そしてザッパーン!!巨大な何かが、水面から大きく4m以上ジャンプして舳先にいたジャックに鋭い牙の並んだ口で噛みつきかかってきた。思わず後ろに飛びのくジャック。
「なんだあ、岩だと思っていたら怪物だったか」
巨大な口が目の前でガシッと閉じる。船の舳先が、まさか削り取られてしまった。モーガンが大声を上げる。
「なんてでかいんだ、10m?いや、もっとずっと大きい、15mはあるぞ。ジャックさん、とりあえずエンジン全開で逃げるぜ、態勢を整えるんだ」
船は大きく傾きながら、怪物から離れる。なんと今襲ってきた超巨大な奴の周りにひと回り小さな個体が2頭集まってきている、カメラに映っていたのはこっちに違いない。ジャックは使い慣れたジョーカーで数発撃ったが、全く通じないようで今度はヘカトンケイルに持ち替える。
「くたばれ、化け物!」
船が大きく傾く甲板で、ジャックは微動だにせず、1発1発とねらいをつけて撃っていく
小型の、といっても9、8mの個体がのたうち回って裏返る。1匹仕留めた。だが、大きい方は全く反応がない。
「くそ、バカでかい方は、やはり背中側の堅い皮にはヘカトンケイルでも無理か」
やがてモーガンの船は大きくカーブを切ってワニたちから離れていった。
「ちくしょう、俺としたことが、向こうから来てくれた絶好のチャンスを逃しちまった。態勢を整えてもう一度アタックだ」
ワニたちは船が離れていくがをわかったのか、生き残った2頭とも深みに潜って、姿を消していた。
タフな軍人、サミュエルゴードンは、博士とアレックスに、爆発を伴う武器を使うと、肉片から細胞が芽生えて増殖すると報告を受け、戦略を180度変更しなければならなかった。
「マシンガンは使えそうだがあまり効果はない…。ロケット弾やバズーカ砲などの大きな爆発を伴うものは使わない方がいいだろう」
色々考えた末に思いついたのは火炎放射器と炎上弾という炎を使うものだった。だが燃えやすい油をジェル状にして打ち出す炎上弾は、山火事の恐れがあり、ジャングルでやたらに使うことは出来ない。火炎放射器は今装備しているのはオックスから前方に向けて発射する者と人間が背負う型のものだが、前者は方向や角度が変えにくく、後者はオックスの外に出るので危険だ。さてどうしたものかと考えたが、強力なヘルメットやプロテクターをつけて火炎放射器を背負って社外に出ることにした。
「サミュエルゴードンさん、あまり危険なことはどうなのかしら。無理はしないでね」
アガサモンデール博士が優しく言ったが、サミュエルゴードンはにこっと笑って答えた。
「まあ、私に任せてください。きっと仕留めます」
あの窓さえない真っ黒な装甲車オックスは単独で中央の森、昆虫の森へと進んでいった。森の中に進むともうあの巨大バッタの大群が跳びはねている。
「1か月前より、確実にバッタの数が増えているような…」
アレックスが、心配そうな顔で言った。
「ここのバッタの数を減らすには、まずあの大きな穴の中の不法投棄のプラスチックごみを片付けるしかない。早急にごみ処理の計画から立てるしかないな」
巨大なバッタを餌にして、この間の大蜘蛛もかなり増えているようだ。この昆虫の森のあちこちに、見上げるような巨大な蜘蛛の巣が張られている。オックスがさらに進むと、コウモリの森の様々な枝にぶら下がったあの大きなコウモリたちが警戒して騒ぎ出す。
そう、この間何発も手りゅう弾でこの森を震え上がらせたあの自動車のエンジン音が近づいたのだ。すると警戒するコウモリたちを見たサミュエルゴードンは何を思ったのか、そのコウモリの森に突然火炎放射器を放ったのである。途端に炎上する森の木立。
「キキキー!」
逃げ回り飛び回る大コウモリの群れ。その群れの中の10匹以上は炎に包まれ、悲鳴を上げながら墜落していく。
「へへ、早速悪魔のような怪物のお出ましだ」
森の奥から、あの悪魔のような恐ろしげな顔をしたあの魔王がゆっくりと進んできた。
「キイイイ、キイイイイイイイ」
無残に燃え上がるねぐらの森とコウモリの仲間たちを見て、魔王の怒りは頂点に達する。
「よし、仕上げに山火事防止の消火弾だ」
火が燃え広がらないように森の四方に白い粉の消火弾が発射される。
「今すぐお前を火だるまにしてやるぜ。博士、アレックス、出動します」
すばやくプロテクターを身に着け、頑丈なヘルメットをかぶり、火炎放射器を背負うとサミュエルゴードンは車外に飛び出した。錨に燃える怪物はサミュエルの姿を確認して襲い掛かってくる。
「奴は俺が火炎放射器を背負ってるなんて知るはずもない。近づけるところまでギリギリ近づいて、一気に火だるまにしてやる」
だが、火炎放射器の先端から炎が出始めた時、怪物の顔つきが変わった。魔王は突然大きくジャンプすると、その長い後ろ足の鋭い爪でサミュエルゴードンを、ガシっとわし掴みにしてきたのだ。炎は消え、サミュエルゴードンは動けなくなった。
「ぐおおおお、こ、これでは体の自由が全く効かない…」
火炎放射器の噴出口も、すっかり固定され、これでは無理に炎を出せば自分が火だるまになる。だが、怪物の方はわしづかみにしたまま、どんどん木を登り始めたではないか。
「くう、放せ、放せええ!」
魔王が高いところまで登ったと思った瞬間、巨大な羽が広がり、今度は力強く羽ばたき、そして、ふわっと浮かんだではないか?!なんと魔王はサミュエルゴードンをつかんだまま、無理やり飛び立ったのだ。
「放せ、放せ」
あばれるゴードン。だが森の上空で掴む力が少し緩んだ。チャンスとばかりに火炎放射器を上に向けてスイッチを押すサミュエルゴードン。だが、炎が伸びていく先に怪物はいなかった。
「うわああああああ、助けてくれええええ」
森の上空百数十mでサミュエルゴードンは投げ出された。彼はそのまま落下し、森の中に消えていった。そう、確かに森の奥から、花の香りが、メスのハナカマキリが追いかけてきた。木に擬態する1匹のオスだけでも大変なのにメスまで来たらとても相手できない。アヤコはすぐにニードルボンドガンを撃ったが、やはり確実にあたっても、まったく効いている感じはない。だがそのときだった。
「アヤコさーん、頑張ってください、応援します」
ジムだった。だが今日のジムはちょっと違う。カマキリを意識したのか、両手に大きなチェーンソーを取り付けて武装している。
ブーウウウン、ブーウウウンと両手からモーター音が聞こえるだけでも結構な迫力だ。
さらにギュルルルルーン、相棒の豚ロボットピグ藻その花にグルグル回転するドリルユニットをはめて登場だ。
「ようし怪物め、2頭とも森の中にたたき戻してやるわ!」
アヤコはジムとピグの協力を得て、やる気満々だ。
「ごめんなさいマット、私の不注意だったわ。奴らをあなたに近づけはしない」
マットはモビルファクトリーの仮設ベッドで横になり治療を受けていたが、一通り手当てが終わると、バーグマンに言って、アヤコたちの戦いの様子をモニターで見ていた。
「よし、いいぞ、そこだアヤコ、がんばれ!」
アヤコが使い慣れないサーベルやシールドを使って一生懸命怪物に戦いを挑んでいる。いくら自分やバーグマンがスーツや武器を用意したって、もともと知的作業のためのアンドロイドだ、どこかに無理がある。そのけなげな姿を見ているだけで涙がとめどなく流れてくる。
「アヤコ…、がんばれ…アヤコ…」
「ええい、必殺ダブルチェーンソータイフーン!」
ジムがチェーンソーのスイッチを入れたまま両手を広げ、グルグル回転し、さらに方から上を切り離してドローン状態で回転攻撃を続ける。
「ピグ、ノーズドリルアタックだ!」
さらにピグも、豚鼻ドリルで突進だ!流石のメスのハナカマキリも押されていく。
「サンダーボルトアタック!」
そしてアヤコの必殺の1撃がオスの動きを止め、勝負を決める。ハナカマキリのメスもオスも、勢いに押されて森に帰っていく。
「やったあ」
すぐにアヤコが寝ているマットの車に駆け戻る。
「怪物は森に逃げていったわ。マリアンヌ、マットのけがは平気なの?」
「ええ、奇跡的にけがは軽いわ。首の後ろの皮1枚だけ切られて血が出たって感じ」
奇跡的にというのは、そこが頸椎の上と言うことばかりでなく、脊髄のそばであり、太い血管のすぐそばだということだ。あと数センチ、いや数ミリずれていたらどうなっていたかわからない。
「あ、アヤコ、すごい活躍だったね。ありがとう」
マットがベッドの上で起き上がると、アヤコはそのまま走り寄ってマットを静かに抱きしめた。一体どういうことだろう。普通のアンドロイドなら自分の使用主を抱きしめたりなど絶対にしない。生前、アヤコはどんなことをAIにプログラミングしたのだろう。
「ごめんなさい、もうマットに血を流させるようなことは絶対にしないから…、守り抜くから」
「アヤコ…、ありがとう」
そんな時、同じ車でチームの動きを見ている参謀のジュリアスカーツが入ってくる。
「サミュエルゴードンからの連絡が一時中断した。すぐにモンデール博士とアレックスに連絡をとったところ、サミュエルゴードンは車外で火炎放射攻撃をしかけたときに、あの魔王のようなコウモリに連れ去られ、空中に連れていかれ、地上百数十mから落とされ、森の中に落下、そのまま消息を絶ってしまったようだ」
「ええっ、そんな…」
みんな驚いて一瞬言葉を失った。
「今モンデール博士とアレックスは、落下地点に探索に出かけた。我々も、すぐに探索に付き合う…」
するとアヤコが言った。
「外周道路を使えば探索地点は意外と近そうです。急ぎましょう」
マグナスたちは態勢を整え、探索地点へ自動車を飛ばした。
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