所謂"悪役令嬢ジャンル"なるものが爛熟したが故に、ジャンルそのものに対する先入観を逆手に取った作品でした。
導入は胸糞、展開はトリッキー、ラストはほのぼのと、次々と作品と"悪役令嬢"への印象が二転三転していく様は物語のコンパクトさとも相俟って国内最小も言われる"としまえん"のジェットコースターさながらのジェットコースターっぷり。
天才が故に論理優先で動くマリオンの年相応に可愛らしい描写と、のほほんとしてるのに案外メンタル最強な(但し当人は無自覚)マーゴットの包容力、愛すべきこの姉妹のキャラが物語の印象に寄与している面は大きいですね。
ラストに天才マリオンですら気付かなかったちょっと意外な種明かしがされるのは想定外でやられたー!!と思いました。こういった赤川次郎ばりの小技がいいスパイスになって読後感に一層の滋味を付与していますね。
暑気も衰えぬ晩夏に一服の清涼剤、ありがとうございました。
作者からの返信
こちらにもコメントありがとうございます!
私がこちらで皆さんの作品を読んで書いてみようとなったのはここ半年程ですので、悪役令嬢だとか婚約破棄、真実の愛などがとても新鮮だったのです。
ですがすでに多くの作品がありましたので、ちょっと亜流(我流?)に走ってしまいました。
出てくる人達はいくら知略を巡らせてもまだ学生。考えすぎたり後で後悔したりして、おっしゃるように結局のほほん姉が最強だったかもしれません。
としまえん! よくあるネタのごった煮感が花やしきの方かなと思いましたが、としまえん好きでしたので嬉しいです! 赤川次郎さんもまた読んでみようかな。
素敵な書評に、自分でも気付かないことにも気付かされました。
本当にありがとうございました。
ここまで気持ちよくハッピーエンドって言い切れる作品って読んでて気分がいいですね。
とても面白かったです!
作者からの返信
こちらにもコメントありがとうございます!
今回は、何やかんや問題は起きるけど家族の力で大団円(これから親戚になる人も含め)、という形を目指していたのです。ハッピーエンドっていいですよね!
気分良くお読みいただいたと伺い、ここに出してみて良かったなとしみじみ思っております。
ありがとうございました。